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スタートアップ & SMB

Payhawk、Google Cloud を活用した自動ファイナンス ソフトウェアで「ユニコーン」ステータスを獲得

2022年12月22日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

長年にわたり、従業員の経費管理は時間のかかるプロセスでした。ビジネス用の銀行口座の情報を ERP システムに取り込むためにデータを手入力して照合する作業が必要だったためです。統合されたワークフローが存在せず、複数の財務チームで異なるシステムを使用して、クレジット カードと現金による支出や領収書を管理しています。さらに、多くの企業では、リアルタイムで支出を把握することもできていない状況です。

こうした業務は、ビジネスの成長に伴い、また特に新たな地域に進出する際に急激に複雑化します。新しい銀行口座、カード発行会社、進出先の会計制度の管理業務が新たに発生することで、適切な意思決定が妨げられ、収益と成長にもマイナスの影響が及びます。規模を問わずあらゆる企業がこの課題を抱えていますが、特に中堅以上の企業にとっては深刻です。

Payhawk は多くの企業が抱えるこうした課題の解決を支援することを目標に掲げ、2018 年に創業しました。1 つの製品で、VISA の法人カード業務、経費精算、買掛金処理を行えます。当社の製品を活用してこれまで手作業に頼っていたプロセスを自動化することで、最大限の効率化とビジネスの成長の加速化が可能になります。

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Payhawk を創業した Konstantin Dzhengozov 氏、Boyko Karadzhov 氏、Hristo Borisov 氏

1 週間足らずで最初のクラウド クラスタを設定

ビジネスを成長させ投資を呼び込むために、スケーラブルで将来性があり、技術者のサポートをそれほど必要としない IT アーキテクチャを活用して、ソリューションを立ち上げることが重要だと考えました。そうした状況の中、Google Cloud に大きな魅力を感じました。特に、クラスタのセットアップと本番環境への移行に必要なリソースを大幅に削減できるユーザー インターフェースとドキュメントが印象的でした。

私は CTO で DevOps のスペシャリストではありませんが、1 週間もかからずに安全かつ信頼性の高い業務インフラストラクチャをセットアップできました。そのためアプリケーション開発にかかる期間を短縮して、わずか 8 か月でクレジット カードの発行が可能になりました。また、当社の Google Cloud パートナーでもある Cloud Office からは、デプロイ プロセスの主導や Google Cloud のさまざまなソリューションに関するアドバイスなど、貴重なサポートを得ることができました。 

当社のクラウドネイティブなアプリケーションをスピーディーにデプロイして管理するうえでは、Google Kubernetes Engine(GKE)が非常に重要な役割を果たしました。当社では、データベースに Cloud SQL を採用するとともに、さまざまなデータの保存とアプリケーションの提供に必要な機能を MemorystoreVision AICloud StorageArtifact Registry などのツールによって実現しています。また、モバイル デバイス向けの通知システムは、Firebase を使用して作成したものです。

その他のメリットとしては、他のほとんどのクラウド ソリューションにおいて、製品の作成と運用にアドオン サービスを必要としますが、Google Cloud では、リソースのロギング、指標、モニタリングや、CPU とメモリの活用など Payhawk が必要とするあらゆるサービスが標準で提供される点が挙げられます。

たとえば、Google Cloud のオペレーション スイートで Cloud Logging と Cloud Monitoring を使用できる点も、非常に優れていると感じました。クラウド アーキテクチャに異常があれば、運用の中断を最小限に留めつつ、その異常を突き止めて解決できるとともに、オブザーバビリティ ソリューションにかかる費用を節約できます。

確かなシステムでお客様から信頼を獲得

Google Cloud は Payhawk のミッションであるお客様中心主義の実現にも役立っています。Google Cloud はシングル サインオンで使用でき、Error Reporting 機能とエラーのトラッキング機能を備えています。お客様側で問題が起こりそうな場合でも、Payhawk のエンジニアリング チームが事前に発見して 1 時間足らずで解決できます。当社にとって信頼は最も重要です。Google Cloud のツールでは、顧客満足度を高めながら、お客様と長期的な関係を築くことができます。

創業間もない当社にとっては、コスト管理も重要な課題です。Google for Startups クラウド プログラムでは、Google のソフトウェアやツールを使用できるクレジットの提供を受けられます。おかげで、インフラストラクチャの構築費用を心配することなしにビジネスを推進でき、特に初年度には助かりました。また、資金調達、アプリケーション開発、初めてご利用いただくお客様の受け入れなどに余裕を持って取り組めました。

さらに、Google Cloud によって、ビジネスを迅速に成長させられるという自信も持てました。これまでに、ほぼ毎月 10% の成長を記録しており、20% を達成した月もあります。2022 年の前半にはビジネスの規模が当初の倍になりましたが、Google Cloud のおかげで新規のお客様の受け入れに合わせて柔軟にインフラストラクチャをスケールアップし、ストレージやメモリを追加して、処理能力を強化できました。料金モデルも非常にお得なので、運用支出を抑えながら収益を拡大できます。

サービス開始以来、スタートアップから大企業まで、経費プログラムの費用削減と従業員満足度の向上を目指すさまざまなお客様に製品をご利用いただいています。たとえば、ドイツで自動車サービスを提供する ATU は、調達プロセス全体のデジタル化に成功しました。また、1 万台のトラックを擁するベルギーの運輸会社 Discordia は、同社で働くドライバー全員に Payhawk カードを発行しました。

今後の展開を考えると、Google Cloud は当社の事業基盤であるだけでなく、Google Cloud によって投資家の皆様に当社のサービス運営に関する信頼感を与えられると言って過言ではありません。創業時のシードラウンドでは 300 万ユーロを調達しましたが、今年には 1 億ドルの資金調達を実施し、シリーズ B エクステンション ラウンドを完了しました。その結果、当社の評価額は 10 億ドルとなり、Payhawk はブルガリア企業として初のユニコーン ステータスを獲得しました。

現在、米国および欧州 32 か国でサービスを提供しており、本年中には規模が当初の倍になる予定です。初めて Google Cloud を使ったときから考えると、驚くべき成長です。今後も、世界中の企業の支出管理とファイナンス業務の変革というミッションの実現に向け、グローバルなテクノロジー パートナーとして Google Cloud を活用していきます。

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Payhawk チームのメンバー

Google Cloud がスタートアップをサポートする方法について、こちらのページでプログラムの詳細をご確認ください。また、こちらから更新情報の配信にご登録いただいた方には、コミュニティ活動、デジタル イベント、スペシャル オファーなどの情報をお届けします。

- Payhawk 共同創業者兼 CTO Boyko Karadzhov 氏
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