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スタートアップ & SMB

創業者のための AI 基盤: Next ’26 で発表されたスタートアップ向け主要アップデート

2026年5月26日
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Darren Mowry

VP, Global Startups and Investor Ecosystem, Google

Try Gemini Enterprise Business Edition today

The front door to AI in the workplace

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※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 30 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

その勢いは、もはや疑いようがありません。世界でもっとも急成長している AI スタートアップが、Google Cloud 上で構築を進めています。断片的なポイント ソリューションをつなぎ合わせるのではなく、AI スタック全体を単一のオープンな環境で提供しているからこそ、創業者たちは Google Cloud を事業基盤として選んでいます。

そして先週の Next ‘26 でもご紹介したとおり、Google は、スタートアップがより迅速に開発を進め、より大きな構想を実現できるよう、モデル、インフラ、プラットフォーム、セキュリティ、ガバナンスのすべてを進化させ続けています。

そのスケールとスピードは、すでに日々の現場で具体的な形となって現れています。たとえば Lovable のようなプラットフォームでは、デベロッパーが毎日 20 万件を超える新規プロジェクトを生み出しています。Thinking Machines Labs は、Google Cloud 上で最新の NVIDIA Blackwell チップを活用し、トレーニングとサービングの速度を 2 倍に高めています。また、複雑なデータ活用の領域では、Parallel がマルチベンダー構成の煩雑さを回避し、Gemini、BigQuery、Spanner をまたぐ Google Cloud の統合エコシステムを活用することで、高精度な検索 API を大規模に展開しています。

スタートアップがこれほどのスピードで前進できるのは、運用の複雑さを Google が引き受けているからです。Aible は、BigQuery に保存されたデータが存在するその場所で、複雑なエンタープライズ エージェントを直接稼働させています。一方、Emergent AI のようなチームは、Google Kubernetes Engine(GKE)を活用し、自然言語プロンプトを本番環境対応のアプリケーションへとバイブ コーディングするための、数千もの安全なサンドボックスを自律的にスケールさせています。

必要なものをすべて 1 か所に集約することで、Google Cloud は、お客様が待ち望んでいる AI ネイティブなプロダクトの提供に 100% 集中できる最適な基盤を提供します。

それでは、Next ‘26 で発表された主な内容と、それが皆様にとってどのような意味を持つのかを見ていきましょう。

1. Gemini Enterprise: 包括的なエージェント プラットフォーム

新しい Gemini Enterprise Agent Platform は、個別の AI ツールを組み合わせる段階からさらに一歩進み、エージェントのライフサイクル全体を支える統合プラットフォームとして設計されています。Vertex AI が備えるモデル構築機能をさらに発展させ、次の領域を支える高度な機能を提供します。

  • 構築: 強化された Agent Development Kit(ADK)では、複雑なマルチエージェント推論に対応するグラフベースのフレームワークが導入されています。一方、ローコードの Agent Studio を使用すれば、プロンプトの作成からエージェントのデプロイまでをシームレスに進められます。さらに、デベロッパーは Agent Garden を活用することで、事前構築済みのエージェント テンプレートをもとに開発をすばやく開始できます。

  • スケーリング: 再設計された Agent Runtime は、1 秒未満のコールド スタートを実現し、数日間にわたって状態を保持する長時間実行エージェントにも対応します。新しい Agent Memory Bank により、エージェントは高精度な情報を記憶し、長期的かつパーソナライズされたコンテキストを維持できます。

  • ガバナンス: セキュリティとコンプライアンスを確保するために、このプラットフォームには、追跡可能な監査を実現する Agent Identity、接続管理とポリシー適用を一元化する Agent Gateway、不審な挙動をリアルタイムで検知する Agent Threat Detection が組み込まれています。

  • 最適化: チームは、Agent Simulation を使用して合成インタラクションに対するテストを行い、さらに Agent Optimizer を活用して実運用で発生した問題を自動的に分析し、改善案を得ることで、品質を継続的に高めることができます。

スタートアップにとっての意味: スタートアップは、複雑な AI システムを構築するために、断片化したツールを無理に組み合わせる必要がなくなります。新しい Agent Platform では、必要なツールがすべて 1 か所に集約されています。Agent Studio のビジュアル インターフェースを使って迅速にプロトタイプを作成する場合でも、ADK のコードファーストな仕組みを使って高度なオーケストレーションを行う場合でも、少人数のチームが初日からセキュリティ ガードレールを備えた本番環境対応のエージェントを構築し、スケールさせることができます。このアプローチによって、技術的負債を抑えながら、市場投入までの時間を大幅に短縮できます。

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2. Agentic Data Cloud: 実際に仕事を進めるデータ

Google は、データを単なる行と列の集まりから、自律的にアクションを起こす存在へと進化させています。ここでは、ビジネス ロジックを理解し、次に取るべき最適なアクションを実行する AI エージェントを構築できます。これにより、データを分析するだけでなく、実際の業務をユーザーに代わって解決するところまでつなげることができます。エージェントは従来とは桁違いのワークロードを生み出すため、Agentic Infrastructure はスタートアップ特有の急激な需要増にも対応できるようスケールし、クエリ速度の向上とインフラコストの削減を実現します。

  • どこでもクエリを実行し、データをその場に残す: Cross-Cloud Lakehouse を使用すると、AWS や Azure 上にあるデータに対しても、Google の高度な AI を適用できます。データ移行やベンダー ロックイン、データ移動に伴う追加コストを避けながら、より賢いエージェントを構築できます。

  • ゼロ ETL を前提にしたスタートアップ環境: One-Click Reverse ETL や Lakehouse Federation などの機能により、運用データベースと分析基盤の間の壁が取り払われ、手作業による実装を挟むことなく、データをシームレスに流せるようになります。

  • エージェントに業務コンテキストを与える: エージェントがアクションを起こす前に、企業固有の業務ルールを理解している必要があります。新しい Knowledge Catalog は、受動的なデータを意味のあるセマンティクスへと変換し、「計上済み売上」と「予測売上」の違いを、推測したりハルシネーションを起こしたりすることなく、正確に理解できるようエージェントを支援します。

  • 「グルーコード」や手作業のコネクタ設定を不要にする: フルマネージドのリモート Model Context Protocol(MCP)サーバーが、Firestore、Spanner、BigQuery、AlloyDB などのデータベース ポートフォリオ全体に直接組み込まれるようになりました。

  • 本番環境対応のガードレール: AI をデータベースに接続すると、危険な SQL ハルシネーションのリスクが生じがちです。Data Agents 向けの新しいツールは、text-to-SQL でほぼ 100% の精度を実現する事前構築済みのモジュール型ビルディング ブロックを提供することで、この課題を解消します。これにより、カスタム エージェントが実データと安全かつ確実にやり取りできるようになります。

  • アプリを即座に生成する: Google AI Studio との新しい連携により、デベロッパーは自然言語でバイブ コーディングを行い、シンプルなテキスト プロンプトから、Firestore に接続された稼働中のアプリケーションを数秒で生成し、そのままデプロイできます。

スタートアップにとっての意味: 独自データは大きな競争優位になり得ますが、それを実際に活用するには、通常、クラウドごとに分断された環境をつなぎ、不安定なグルーコードを書き、複雑な ETL パイプラインを管理するといった大きな統合負担が伴います。Google の最新のデータ関連機能は、そうした摩擦を解消します。スタートアップは、AWS や Azure 上にあるデータをそのまま活用しながら、自然言語でアプリをバイブ コーディングし、標準的な MCP を通じてエージェントを安全なデータベースに即座に接続できます。これにより、これまで数週間を要していたデータ統合作業を、半日程度で完了できるようになります。

3. 次世代のコンピューティング: パフォーマンスとコスト効率を両立

Google Cloud は、AI Hypercomputer のポートフォリオを大幅に拡充し、コスト当たりのパフォーマンスをさらに高めています。それと同時に、少人数のチームに代わってインフラ管理の重い負荷を担う自律機能も導入しています。

  • トレーニング向け TPU 8t: 大規模モデルのトレーニング向けに最適化された TPU 8t は、前世代比で約 3 倍のコンピューティング パフォーマンスを実現し、ワット当たりのパフォーマンスも最大 2 倍に向上しています。

  • 推論向け TPU 8i: エージェント実行のコストを抑えるよう設計された TPU 8i は、前世代比で推論時のコスト パフォーマンスを 80% 向上させます。

  • 汎用コンピューティング向け Axion N4A: Google Cloud Axion インスタンスは、同等の x86 インスタンスと比べてコスト パフォーマンスが 2 倍に向上しており、高効率で安定した運用を支えます。

  • マルチエージェント向けネットワーキング: 新しい C4N および M4N マシンシリーズは、ネットワーク帯域幅を約 4 倍に拡大しており、大量の AI エージェント間通信を処理できるよう設計されています。

  • GKE による 1 秒未満のエージェント スケーリング: Google Kubernetes Engine Agent Sandbox は、クラスタごとに毎秒 300 個のサンドボックスをデプロイできるようになりました。これにより、AI ワークロードで 1 秒未満のコールド スタートを実現し、即時応答と安全なマルチテナント分離を両立できます。

  • 自律運転型クラウド: Google Cloud は、Gemini の推論機能をテレメトリーに直接統合しました。これにより、システムが自律的に根本原因分析を行い、人が問題に気づく前にインフラ構成の不備を特定し、修正できるようになります。

  • NVIDIA との連携: Google はパートナー ハードウェアの最前線に立ち続けており、Blackwell や Hopper に加え、NVIDIA Vera Rubin NVL72 をいち早く提供するクラウドの一つとなっています。

スタートアップにとっての意味: こうしたインフラの管理は、限られたエンジニアリング リソースを大きく消耗させかねません。Google Cloud の拡張されたポートフォリオは、その両方の課題を解決します。TPU 8t を活用することでモデルをより速く学習させ、TPU 8i によって数百万の同時エージェントをコスト効率よくスケールさせるとともに、GKE のサンドボックスによってゼロレイテンシの体験を提供できます。

さらに重要なのは、運用面の複雑さを自律的な根本原因分析が引き受けることで、エンジニアが本当に重要なこと、つまりプロダクト開発そのものに集中できるようになる点です。

4. Agentic Defense: セキュリティをエンタープライズ向け Go-To-Market の推進力に

Google Cloud は、グローバルな脅威インテリジェンスと Wiz の Cloud and AI Security Platform を組み合わせることで、コードからクラウドまでを一貫してカバーする、完全自動化された統合セキュリティ ポスチャーをスタートアップに提供します。

  • API エコノミクスの保護: 新しい Google Cloud Fraud Defense は、インテリジェントな門番のように機能し、悪意のある bot による知的財産のスクレイピングや、不正なエージェント操作によって多額のコンピューティング コストが発生する事態を防ぎます。

  • フルスタックの AI 保護: Wiz AI Application Protection Platform(AI-APP)は、AI スタックのあらゆるレイヤを保護するとともに、クラウドの「外側のレイヤ」もネイティブにサポートします。これにより、Vercel、Databricks、Cloudflare など、スタートアップが日常的に利用しているツールも保護対象に含まれるようになります。

  • Google スケールの脅威インテリジェンス: Threat Hunting Agent やダークウェブ インテリジェンスなどの新しいエージェント型 SecOps ツールは、検知ルールの作成を自動化し、本当に対処が必要な脅威だけを 98% の精度で抽出します。一方、Triage and Investigation エージェントは Gemini を活用し、通常 30 分を要するセキュリティ調査をわずか 60 秒に短縮します。

  • SecOps エージェント: Google Security Operations には、Threat Hunting(巧妙に潜伏する脅威を先回りして追跡)、Detection Engineering(検知ルール作成の自動化)、Third-Party Context(ワークフロー データの拡充)という 3 つの新しいエージェントが導入されました。これにより、チームは AI のスピードに対応した防御を実現できます。

  • ドラッグ&ドロップによるセキュリティ自動化: Wiz Workflows には、カスタマイズ可能なドラッグ&ドロップ インターフェースを備えた新しいハブが追加されました。これにより、少人数のチームでも、複雑なセキュリティ スクリプトを書くことなく、これらの AI エージェントをいつ、どのように動作させるかを簡単にオーケストレートできます。

スタートアップにとっての意味: B2B スタートアップにとって、エンタープライズ企業による情報セキュリティ審査は、商談が失速しやすい大きな関門です。Google の統合セキュリティ基盤の上に構築することで、アプリケーションに継続的かつ自動化されたレッドチーミングとランタイム保護が備わっていることを示せます。

その結果、厄介なベンダーリスク評価を競争優位へと変えることができます。大規模な SecOps チームを抱えなくても、調達プロセス上の障壁を乗り越え、エンタープライズ案件をより速く成立させられるようになります。

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5. Go-To-Market エンジンとエコシステムへの成長投資

Google は、エンタープライズ向けチャネルを開放し、パートナー エコシステムに大規模な資金を投じることで、スタートアップにとって最大級の課題である販路拡大と資金面のハードルを解消しようとしています。

  • Gemini Enterprise の Agent Gallery: スタートアップは、Google Cloud Marketplace を通じて、カスタマイズしたエージェントを Gemini Enterprise アプリ内で直接収益化できるようになりました。これにより、日々の業務の中で Gemini Enterprise を利用する数百万人規模のユーザーにリーチでき、日常的な発見がそのまま IT 部門の自動化された調達フローへとつながります。その結果、購買サイクルを最大 50% 短縮できます。

  • 7 億 5000 万ドルのファンド: パートナーによるエージェント開発と共同マーケティングに特化した資金で、次世代の AI ビルダーを後押しすることを目的としています。

スタートアップにとっての意味: プロダクトを作ることは、戦いの半分にすぎません。もう半分は、エンタープライズの調達プロセスを突破することです。Agent Gallery に掲載されることで、スタートアップは Gemini Enterprise を日常業務で使用する数百万人のユーザーに直接リーチできるようになります。しかも、ユーザーはその場で簡単に IT 調達を依頼できます。さらに、購入費用は既存の Google Cloud コミットメントから充当できるため、2400 億ドル規模のコミットメント残高を取り込む機会も得られます。7 億 5000 万ドルのパートナー イノベーション ファンドとあわせて、Google は資金と販路の両面から、スタートアップの成長を直接後押ししています。

AI Agents Challenge で構築を始めましょう

ここまで、アーキテクチャ、セキュリティ、販路についてご紹介してきました。次はいよいよ、実際に手を動かす番です。皆様の開発をさらに加速していただけるよう、Google for Startups AI Agents Challenge を開始します。世界中の対象スタートアップの創業者とデベロッパーが参加できるこの 6 週間のコンペティションでは、チームごとに 500 ドル分のクラウド クレジットと、Gemini Enterprise をはじめとする最新の AI ツールへのアクセスが提供されます。これにより、自律型システムを構築しながら、総額 90,000 ドルの賞金獲得を目指して競い合うことができます。

また、参加者それぞれの現在のフェーズに合わせて、複数のトラックをご用意しています。まったく新しいエージェントをゼロから構築したい場合でも、既存のプロトタイプを本番環境向けに最適化したい場合でも、あるいはエンタープライズ向け展開を見据えたビジネス対応のエージェントを仕上げたい場合でも、それぞれに適したトラックを選択できます。応募締切は 2026 年 6 月 5 日です。審査では、技術実装、ビジネスケース、革新性、最終デモをもとに評価が行われます。詳細の確認とお申し込みは、こちらからお願いします。

- Google、グローバル スタートアップおよび投資家エコシステム担当バイス プレジデント Darren Mowry

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