Google I/O 2026 のスタートアップ向けの主な発表

Darren Mowry
VP, Global Startups and Investor Ecosystem, Google
※この投稿は米国時間 2026 年 5 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
世界で特に急成長を遂げている AI スタートアップの多くが、その完全かつオープンな AI スタックを理由に、自社の未来、そして世界の未来を構築する場所として Google Cloud を選択しています。アーキテクチャのあらゆるレイヤに AI を組み込んでいる Google Cloud は、エージェントの時代に求められる構築とスケーリングの機能を提供します。
Google Cloud Next ‘26 では、小規模なチームの作業をより速く効率的にするためにスタックの各レイヤに導入された新機能が重点的に紹介されました。Google は、個別の AI ツールを組み合わせる段階からさらに一歩進んでエージェントのライフサイクル全体を支えるプラットフォームへ進化した統合 Agent Platform と、トレーニングと推論の両方に最適化された新世代の TPU を導入しました。これに加えて、世界初の Agentic Data Cloud(人間に合わせたスケールからエージェントのスケールへの移行に対応するよう設計されたシステム)と、AI を活用したサイバーセキュリティ プラットフォームのアップデートも提供されます。このプラットフォームは、Google の脅威インテリジェンスとセキュリティ運用を Wiz のクラウド& AI Security プラットフォームと組み合わせることで、エージェントの時代における脅威の防止、検出、対応を実現します。
世界中の多様なスタートアップが、すでにこのスタックを実用化しています。たとえば、Photoroom は、高度に最適化された Google のコンピューティングを利用して、1 分あたり 1,000 枚以上の画像を処理しています。企業の顧客エンゲージメントの分野では、Satisfi Labs が Gemini、BigQuery、AlloyDB を活用して、スポーツ、エンターテイメント、観光業界の 800 社の顧客にインテリジェントなインタラクションとリアルタイムの分析情報を提供しています。一方、グローバル コラボレーション プラットフォームの Notion は、業界の先駆けとなって生産性向上ツールへの AI の統合を進めています。また、Mantis AI は、高スループットの推論パイプラインを運用して、主要な放送局に動画ネイティブのインテリジェンスを提供しています。
Google I/O 2026 では、より費用対効果の高いフロンティア モデルを導入し、これらのエージェント機能を開発ワークフローに直接組み込むことで、この基盤をさらに発展させることを発表しました。ローカルでのプロトタイピングとクラウド規模のギャップを埋め、アプリケーションの構築、テスト、配布をチームが簡単に行えるようにします。
Google I/O で発表されたスタートアップ向けの重要な発表と、それらをビジネスに適用する方法を見てみましょう。
1. よりスマートで高速なモデル
依然として多くのスタートアップがモデルを基盤として Google Cloud 上で構築を行っているため、進化したモデルを提供できることを嬉しく思います。この新世代のモデルは、驚異的な効率で最大限のインテリジェンスを提供します。
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Gemini 3.5 Flash は、Flash ならではの高速性を維持しつつ、大規模なフラッグシップ モデルに匹敵するインテリジェンスを提供します。Google 史上最も強力なエージェント型モデルであり、コーディング モデルでもあります。長期的なエージェント型タスクに取り組むのに最適で、通常、同等のモデルの半額以下の費用で利用可能です。
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Gemini 3.5 Pro(事前発表): Google のフラッグシップ推論モデルが来月正式にリリースされることを発表いたしました。
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Gemini Omni は、テキスト、音声、画像、動画の入力を統合して動的な動画コンテンツを生成する画期的な新モデルです。Gemini Omni は、動画の作成と編集に非常に直感的なアプローチを提供します。e コマース向けのインタラクティブなバーチャル試着サービスの開発や複雑なポストプロダクション ワークフローの合理化、あるいはカスタマイズされた動画ナラティブの生成など、どのような場合でも、Gemini Omni はコンテンツ作成と顧客エンゲージメントの深化に新たな方法を提示します。
スタートアップにとっての意味: DeepMind の最先端モデルを使用して直接構築できるようになりました。Google は AI の可能性を広げ続けています。新しいフロンティアを開拓すると同時に、スタートアップが拡大するために必要なスピードとコスト効率を提供します。


3.5 Flash は、Artificial Analysis 指標の右上象限に位置し、最先端レベルのインテリジェンスを驚異的なスピードで提供します。品質とレイテンシのトレードオフは不要になります。
2. ユーザーに寄り添う AI
Next ‘26 では、脅威ハンティングの SecOps エージェントやモジュール式のデータ エージェントから、構成ミスを自律的に修正する自律型クラウド インフラストラクチャまで、スタックのあらゆるレイヤで煩雑な作業を処理する専用のエージェントが紹介されました。
しかし、この大規模で専門的なエージェントが能力を発揮するには、コーディネーターが必要です。Google Antigravity は、究極のコントロール プレーンです。これらの新しいアップデートにより、アプリケーションの構築、デプロイ、管理の方法が大きく変わります。
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Antigravity 2.0: Mac、Windows、Linux 向けの専用のスタンドアロン デスクトップ アプリケーションです。従来のコードエディタ(IDE)に縛られることなく、複雑な AI ワークフローを構築、テスト、オーケストレートするための「エージェント ファースト」のワークスペースとして機能します。
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Antigravity CLI と SDK: キーボードから離れたくないデベロッパーのために、スタックに依存しない超高速のコマンドライン インターフェースが用意されています。エージェントのシームレスな実行とモニタリングを可能にします。また、Python SDK で Google の内部エージェント インフラストラクチャを利用し、安定したエージェント ループをプログラムでコーディングして制御することが可能です。
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動的なサブエージェント: 特定のサブタスクを処理するための小規模で専門的な子エージェントを親 AI エージェントが自動で生成できるようになります。これにより、エンジニアリングの並列処理が大幅に向上します。たとえば、メインのローカル エージェントがデータベース クエリを Cloud Data Agent に委任したり、ローカルのコードレビュー サブエージェントをスピンアップしたりできます。これらすべてが、メインのメモリスペースを占有することなく行われます。
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タスクのスケジューリング: バックグラウンド タイマーと cron スケジュールを設定することで、手動のメンテナンス作業が不要になります。クラウドベースのオブザーバビリティ エージェントをトリガーしたり、毎晩午前 0 時にローカル リポジトリの健全性チェックを実行したりする処理を Antigravity に指示して完全に自律的に実行させることができます。
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エンタープライズ グレードのセキュリティ: Antigravity は、ローカルのデスクトップとターミナルのエージェント ループを、ユーザーのプライベート Google Cloud プロジェクトに直接接続します。Google Cloud の標準的なデータ プライバシー保護と利用規約を継承することで、顧客データを組織の管理下に置き、デフォルトで安全なクラウド境界内でエージェント アクティビティを実行できるようになります。
スタートアップにとっての意味: コーディング アシスタントだけでなく、専門の AI エンジニアのチーム全体をすぐに利用できるようになります。Next でリリースされた専用のクラウド エージェントと Antigravity コントロール プレーンを組み合わせることで、小規模なチームでも、データ パイプラインのオーケストレーション、セキュリティの管理、大規模な並列コーディング タスクの実行を、すべて 1 つの安全な環境から行うことができます。


Antigravity 2.0 は、エージェント主導の同時実行をデプロイできます。上の画像では、ウェブサイトの自動コード生成、ブランドに合ったアセットの作成、パーソナライズされた顧客向けメールの作成が例として示されています。シーケンスは一部省略されています。
3. 開発を加速するその他の方法
デベロッパーのワークフローを合理化し、プロンプトからプロダクション レディなアプリケーションへの移行をスムーズに実現できるようにします。今年のアップデートでは、これまで作業の遅延要因となっていたインフラストラクチャのセットアップを省略することに重点を置いています。
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AI Studio でのネイティブ Android のサポート: 完全にネイティブな Android アプリを自然言語プロンプトを使ってブラウザ内で直接作成できるようになりました。これには Google Play Console のサポートが含まれており、デベロッパーはローカル SDK 環境を管理することなく、テストトラックにアプリを直接公開できます。
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シームレスなハンドオフ: 新しいインテグレーションにより、Google AI Studio のプロジェクト全体をワンクリックでローカルの Antigravity 環境に直接エクスポートできます。これにより、コードベース、ファイル、会話のコンテキストがすべて転送されるため、ウェブ プロトタイピングからローカル開発に移行しても、作業を中断したところから再開できます。
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マネージド エージェント: 本番環境グレードのエージェントを構築するのに必要な複雑なインフラストラクチャの管理からリーン スタートアップ チームを解放します。Gemini API と Google Cloud の Agent Platform の両方で利用できる新しい Managed Agents API は、Agent as a Service として機能するため、「マシンではなくミッションを管理」することができます。指示とツールを定義するだけで、1 回の API 呼び出しで、安全な短命性 Google Cloud サンドボックス内にエージェントをスピンアップできます。これにより、チームはバックエンドのメンテナンスという煩雑な作業から解放され、優れたエージェント エクスペリエンスの構築に専念できます。
スタートアップにとっての意味: プロトタイプから本番環境への簡単なパスを提供します。ブラウザでアプリのコンセプトを迅速にテストし、ローカル ワークスペースに移動して詳細なオーケストレーションを行い、マネージド クラウド インフラストラクチャを使用してユーザー向けエージェントをデプロイできます。これにより、エンジニアリング チームは数週間にわたるセットアップとメンテナンスの時間を節約できます。
4. 個人の生産性を向上
Google は、エンジニアによるプロダクト開発の加速を推進する一方で、会社の運営に伴う日々の雑務を管理する創業者や経営者を支援したいとも考えています。
この課題を解決するために、Google は Gemini Spark を導入します。Gemini Spark は、Google Workspace やその他の日常的なツール全体でバックグラウンドで動作する、新しい 24 時間 365 日対応のパーソナル AI エージェントです。単に質問に答えるだけでなく、マルチステップのワークフローを自律的に実行できます。
たとえば、Spark は、重要な製品の遅延を特定し、チームのドキュメントを相互参照してタイムラインを再計算し、内部のトラッキング シートを更新し、投資家に最新状況を伝えるメールの下書きを作成できます。これらすべては、ユーザーの明示的な承認を待って実行されます。
スタートアップにとっての意味: Antigravity がプロダクトを構築する一方、Spark はデジタル参謀のような役割として機能します。Spark が日常的な手動の運用プロセスを処理するため、経営者は影響力の大きい戦略的なイノベーションに集中できます。
今すぐ構築を開始: Google for Startups AI Agents Challenge
世界中の対象スタートアップの創業者とデベロッパーが参加できるこのコンペティションでは、チームごとに 500 ドル分のクラウド クレジットと、新しい Agent Platform へのアクセスが提供されます。参加者は、自律型エージェントを構築しながら、総額 90,000 ドルの賞金獲得を目指して競い合います。
また、参加者それぞれの現在のフェーズに合わせて、複数のトラックをご用意しています。まったく新しいエージェントをゼロから構築したい場合でも、既存のプロトタイプを本番環境向けに最適化したい場合でも、あるいはエンタープライズ向け展開を見据えたビジネス対応のエージェントを仕上げたい場合でも、それぞれに適したトラックを選択できます。応募締切は 2026 年 6 月 5 日です。審査では、技術実装、ビジネスケース、革新性、最終デモをもとに評価が行われます。詳細の確認とお申し込みは、こちらからお願いします。
- Google、グローバル スタートアップおよび投資家エコシステム担当バイス プレジデント、Darren Mowry



