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スタートアップ & SMB

プライド月間: bunny.money 創業者が語る「Saving for Good」の Q&A

2022年7月26日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

6 月はプライド月間です。皆が団結して LGBTQ+ の理解を促進し、権利を主張して、LGBTQ+ コミュニティの多様な経験、認識、アイデンティティを祝福します。今月は、Google Cloud のグローバル SMB およびスタートアップ マネージング ディレクターの Lindsey Scrase が、LGBTQ+ の創業者が主導するスタートアップとの会話を行い、彼らがどのように Google Cloud を使用してビジネスを成長させているかを紹介します。今回の特集では、bunny.money とその創業者である CEO の Fabien Lamaison 氏、テクノロジー リードの Thomas Ramé 氏、エンジニアリング リードの Cyril Goust 氏にスポットを当てています。

Lindsey: Fabien、Thomas、Cyril、ありがとうございます。bunny.money について皆さんと話す機会を持つことができて嬉しく思います。bunny.money はフィンテックに創造的なひねりを加えて、地域社会に還元しておられるところがすばらしいと思います。創業のきっかけは何でしたか。

Fabien: 子供の頃に好きだったおもちゃのひとつに、昔ながらの貯金箱がありました。貯金箱を見ながら、お小遣いをどれだけ貯めるべきか、使うべきか、チャリティに回すべきかを考えていたのを覚えています。ご想像のとおり、頭の中にはさまざまなアイデアが思い浮かんでいましたが、節約と還元は常に重要なことでした。数年後、私は銀行業務、テクノロジー、そして人助けへの情熱を組み合わせ、人々が簡単に貯蓄しながら好きな活動に寄付できるフィンテック サービスを作ることができると気づきました。
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bunny.money CEO、Fabien Lamaison 氏

Lindsey: 私たち兄弟は、子供の頃に稼いだお金の一部を寄付することにしていました。私も貯金箱を持っていました。きれいな貯金箱で、開けるためには壊すしかありませんでした。それが良い節約術になったことは言うまでもありません。自分の価値を bunny.money に反映させることで、他の人にも同じように価値を与えることができるのだと思うと、感動的です。bunny.money について教えていただけませんか。

Fabien: bunny.money は、「貯蓄を再定義する」というコンセプトのもと、従来の銀行業務をポジティブに破壊する方法を提供します。bunnybank 社員にとって、財務的責任と社会的責任は密接に関連しています。当社は、人々がより持続可能で包括的な金融の未来を築くことができるよう支援します。今後、私たちは、人々が定期的に貯蓄や寄付をするスケジュールを設定できるようにするだけでなく、社会的責任投資の選択肢を増やしたいと考えています。加えて、企業が社員の慈善活動への寄付をマッチングし、退職金制度を構築できるようにしたいと考えています。

Lindsey: 従来の銀行サービスだけでなく、人々の財務管理方法にも変革をもたらそうとしているようですね。bunny.money はどのようにお客様にサービスを提供していますか。

Fabien: bunny.money は、簡単で、無料で、倫理的な銀行サービスを提供するという原則のもとに設立されたフィンテック企業です。当社の包括的なバンキング プラットフォームにより、お客様はすばやく普通預金口座を開設し、定期的な入金をスケジュール設定できます。

Thomas: bunny.money は、人々や企業と、彼らが大切にしているコミュニティや慈善活動をつなぐフィンテックの橋渡し役も担っています。bunny.money では、お客様が選んだ非営利団体に 1 回限りの寄付や定期的な寄付ができます。また、bunny.money では、寄付を処理するための手数料は受け取り側にかかりません。当社はチップを提供する選択肢をお客様に提供していますが、それは必須ではありません。

Lindsey: bunny.money では、どのような非営利団体に寄付できますか。

Fabien: bunny.money の非営利マーケットプレイスには、StartOutTurnOutTrans Lifeline、および Techqueria など、すでに 30 以上の組織が参加しています。bunny.money を活用して資金調達のゲーム化を行い、ソーシャル シェアを促進し、会員やサポーターからのマイクロドネーションを促すことで、寄付金が最大 20% 増加した事例もあります。

Cyril: また、bunny.money は、ボランティアを必要としているフードバンク、清掃が必要な公園、メンタリングの機会など、地域の活動や非営利団体を見つける手助けをします。特に、Carbon LighthouseSustainable ConservationPublic Land Water Associationback2earthFARMS といった環境保護団体への寄付を通じて、bunny.money がより公正で環境に優しい社会を人々が構築できるよう支援していることを目の当たりにして、大変嬉しく思います。また、当社は「模範を示し」、収益の 1%1% for the Planet に寄付すると誓約することを決定しました。

Lindsey: bunny.money のビジネスや提供するサービスを考えると、その過程で計り知れない複雑さに遭遇してきたことと思います。克服するのが最も大変だった課題は何でしたか。

Fabien: 最大の課題の一つは、フィンテックの中でも比較的新しい考え方である「良い目的のための貯蓄」や「目的主導型の銀行」について、人々に理解してもらうことでした。モバイル バンキングのアプリはたくさんあります。しかし、ほとんどの場合、人々が個人の財政状態を改善し、好きな活動に寄付をするための便利な方法を 1 つの場所で提供することはできていません。

Cyril: 技術的な面では、銀行機密保護法や米国愛国者法の下に適用されるすべての要件を含む、厳しい業界規制に準拠する必要がありました。これらの規制は、機密性の高い金融データを保護し、資金洗浄のような不正行為に対抗するために役立ちます。

Lindsey: これらの課題に対処するにあたって、Google Cloud がどのように役立っているのかお話しいただけますか。  

Thomas: お客様のデータを保護することは、当社にとって最優先事項です。そのため、bunny.money を Google Cloud の高度に安全性を重視して設計されたインフラストラクチャ上に構築しました。Google Cloud は、転送中および保存中のデータを自動的に暗号化します。このソリューションは、すぐに使用できる状態で、主要な国際的セキュリティ基準および規制のすべてに準拠しています。現在は米国内のお客様にサービスを提供していますが、Google Cloud の分散型データセンターにより、地域ごとのセキュリティ要件に対応し、最終的には世界中のお客様に質の高い金融サービスを提供することが可能になると考えています。
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bunny.money テクノロジー リード、Thomas Ramé 氏

Fabien: 信頼性が高く、機能豊富なフィンテック プラットフォームを構築し、直感的なユーザー インターフェース(UI)を備えたレスポンシブなモバイルアプリを設計したいと考えました。Google Cloud は使い勝手がよく、統合されたツールや API、ソリューションを提供していることは経験上知っていました。また、Google for Startups チームの深い技術的知識を活用することで、bunny.money をスケールし、Google for Startups クラウド プログラムのクレジットを使ってさまざまなソリューションを手頃な価格で試したいと考えていました。

Cyril: Certified Benefit Corporation™(B Corp™)として、多様性や環境の持続可能性など、当社が支持する価値観と一致する企業と協力することも重要です。Google Cloud はカーボン ニュートラルで、クラウドの炭素排出量を正確に測定、報告、削減できます。

Lindsey: これこそ、当社があらゆるステージのスタートアップ企業を支援できるよう取り組んでいる方法です。業界で最もクリーンなクラウドでありながら、適切なテクノロジー、サービス、サポートを提供することを目指しています。Google Cloud のソリューションについて、もう少し詳しく教えてください。そして、それらをどのように組み合わせて、bunny.money のビジネスとお客様をサポートしているのか教えてください。

Fabien: Save for good® モバイルアプリでは、口座の作成、本人確認、外部銀行への接続をわずか 4 分以内で安全に行うことができます。

Thomas: Google Cloud を利用することで、bunny.money は信頼性が高く、安全で、シームレスなバンキング体験を一貫して提供できます。フィンテック アプリケーションを最近発表して以来、人々が情熱を注いでいる活動に貢献しながら経済的に成長することを可能にする当社のサービスに、驚くほど多くの関心が寄せられています。現在、一般にお客様は預金額の約 10% をお気に入りのチャリティ団体に寄付しています。

Cyril: Google Cloud の広範なテクノロジー スタックが、それを実現するのに役立っています。BigQuery でデータの知見を引き出し、Cloud SQL でリレーショナル データベース サービスをシームレスに管理できます。また、Google Kubernetes Engine(GKE)で Kubernetes を自動的にデプロイ、スケールできます。これらのソリューションにより、bunny.money を費用対効果の高い方法でスケールし、収益性の高いフィンテック プラットフォームを構築できます。
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bunny.money エンジニアリング リード、Cyril Goust 氏

Thomas: Cyril が挙げたソリューションに加え、当社は cron ジョブサービスを管理する Cloud Scheduler、ストリームとバッチデータ処理を統合する Dataflow、Docker コンテナ イメージを安全に保存する Container Registry を使用しています。当社は常に革新的で、Google Cloud は当社の小さなチームが新しいサービスの開発とデプロイを加速させるのに役立っています。

Lindsey: bunny.money のこれまでの道のりにおいて Google Cloud のテクノロジーが実現してきたさまざまなサポート方法や、皆さんのお話をお聞きするのはとても楽しいです。人々の貯蓄や寄付の方法から、企業や非営利団体の関わり方まで、さまざまなレベルで変化に影響を与えるものを作成しているからです。

プライド月間ということで、少し趣向を変えて、LGBTQ+ コミュニティの一員であることが、bunny.money を始めるにあたってどのような影響を及ぼしたかについてお話ししたいと思います。

Fabien: 私たちは皆、いくつかのコミュニティ(家族、友人の「部族」、スポーツ、趣味のグループ)に属しており、それらが自分自身のアイデンティティや生き方を形作るさまざまなレイヤであると信じています。私は LGBTQ+ コミュニティの一員であり、移民でもあります。私は今、夫と同じフランス系アメリカ人で、私たちはサンフランシスコに住んでいます。しかし、夫婦とはいえ、彼のアメリカでの就労ビザの問題(当時は連邦レベルで同性婚が不可能だったため、同じビザを申請することができませんでした)によって、夫はパリ、私はサンフランシスコで数年間別々に暮らさなければなりませんでした。

幸いなことに、LGBTQ+ のコミュニティは、仕事や個人の両方の面で、親戚のような存在になることができます。個人的には、夫と一緒に入国審査や仕事の課題に取り組んだ際に、友人が支えとなりました。また、仕事の面では、LGBTQ+ の起業家がビジネスを成長させるための重要なリソースを提供する StartOut のような非営利団体から、スタートアップの世界ですばらしいサポートを受けた経験もあります。

Lindsey: 離れていると、夫婦の精神的な負担は計り知れませんが、最終的にうまくいって本当によかったと思います。私の妻はオーストリア人で、幸運にも私たちは一緒にここにいることができますが、この交差性によって、私たちが家庭を持つようになってから、さらに複雑なレイヤが生み出されました。

LGBTQ+ コミュニティで起業し、会社を成長させたいと考えている人たちに何かアドバイスはありますか。StartOut が取り上げられましたが、他にも Lesbians who TechOut in TechHigh Tech Gays(HTG)- Queer Silicon ValleyQueerTech NYC(Meetup)など、LGBTQ+ の起業家が頼れる組織があります。

Fabien: 自分が何に情熱を注いでいるのか、よく調べてみることをおすすめします。私は若い頃から貯蓄と財政に力を入れるのが好きで、常に還元することに情熱を注いできました。LGBTQ+ のコミュニティ、あるいはアウトサイダーとみなされるすべてのコミュニティの一員であることによって、異なる考え方をする機会があります。情熱と人生経験を一つにまとめると、新しいやり方を想像できるようになります。コミュニティに参加することで、経験や興味、さらには価値観を共有する仲間を簡単に見つけることができます。それぞれの世界からベストなものを引き出すことができます。

LGBTQ+ の創業者や起業家は、いくつかのグループに属している可能性があるので、先ほど紹介された団体も含め、利用できる手段やリソースはすべて探っておくことをおすすめします。皆で力を合わせれば、いつもより多くのことを学び、達成できます。私は、LGTBQ+、移民、フィンテックのいずれのコミュニティでもそれを経験しました。

Lindsey: コミュニティの重要性は、創業者、フランスからアメリカへの移住者、そして LGBTQ+ コミュニティの一員としての、あなたのさまざまなアイデンティティを根底から支えるものとなっています。また、これまでの道のりであなたがそのようなサポート求め、受けられたことを嬉しく思います。このようなコミュニティやサポートを求めることは、他の人にとっても、とても重要なことだと思います。  

最後に、bunny.money の次のステップをお聞かせください。

Fabien: 当社のプラットフォームで、お客様がより持続可能で包括的な金融の未来を築けるよう、お手伝いできることを楽しみにしています。今後も、AI を活用した新しいサービスを展開し、倫理的投資やパーソナライズされた寄付やインパクト プログラムを実現することで、世界のポジティブな変化に貢献していきます。個人および職場での寄付のためのこの初のバンキング アプリを構築するにあたり、当社の目標は、企業と人々の間のギャップを埋めることによってすべてのコミュニティに利益をもたらすことです。それが、Google for StartupsGV(GV は StartOut のアクセラレータ プログラムで貴重なメンター セッションを提供)などのパートナーと引き続き協力して取り組んでいく理由です。
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- Google Cloud、グローバル SMB およびスタートアップ マネージング ディレクター Lindsey Scrase

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