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リテール

SAP ユーザーが Google Cloud で小売業の変革を推進している方法

2020年2月25日
Google Cloud Japan Team

 ※この投稿は米国時間 2020 年 2 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

小売業界は今、変革の最中にあります。オンライン コマースは、2022 年までに市場機会が 6 兆ドル近くに達すると見込まれており、考慮すべき分野として浮上してきました。市場機会が非常に大規模なことから、すべての小売業者のほぼ半数が顧客のオムニチャネルでの利便性向上と小売店での業績改善を図るために、クラウドに注目しています。また、SAP ソリューションを利用している小売業者も例外ではありません。アメリカの SAP ユーザーグループ(ASUG ホワイトペーパー)がアンケート調査を行った小売業者のうち 75% は、今後 2 年間でデジタル変革の加速にデジタル投資を少なくとも 10% 増加させる計画を表明しました。調査対象の 4 社に 1 社は、50% 以上という大幅な投資増加を検討しています。

小売業者は、今日の進化に向けて何を提供すべきかを理解しています。つまり、顧客重視、データドリブン、シームレスなカスタマー エクスペリエンスです。しかし、その道筋は技術的な難題に満ちており、大規模な小売業者でさえ道半ばにあります。こうした難題は、SAP テクノロジーを活用して革新している小売業者にとって、以前のオンプレミス インフラストラクチャでのスケーリングが困難な、高価で新しいソフトウェアの移行、デプロイ、実行の妨げになる可能性があります。変革の道筋をうまく進めるうえで中心となるのは、パブリック クラウドを活用し、適切なパブリック クラウド サービス プロバイダ(CSP)を選択することです。クラウドはどれも同じというわけではありません。Google Cloud では、次の方法で SAP の顧客と小売業者が変革を達成できるよう支援しています。

1.Google の Cloud Acceleration プログラム(CAP)と堅牢なパートナー コミュニティへのアクセスを提供することで、顧客のクラウド ジャーニーを簡略化します。

2.業界トップクラスの高度な分析ツールと AI / ML ツールで、イノベーションの加速を支援します。

3.アプリケーションとインスタンスのサイズを適正化するためのスケーラブルで柔軟なインフラストラクチャを提供します。

4.ライブ マイグレーション サービスでインフラストラクチャ メンテナンスを自動化し、ダウンタイムを最小限に抑えます。

Google Cloud で SAP を使用している小売業者 3 社がテクノロジーの課題に取り組み、デジタル変革のビジョンを実現した方法を見てみましょう。

オムニチャネル: MediaMarktSaturn の顧客中心主義への道

デジタル時代の顧客は、オンラインまたはモバイルでのブラウジングから来店や購入手続きまで、パーソナライズされたシームレスなオムニチャネル エクスペリエンスを期待しています。ほとんどの小売業者は、特に AI、ML、シームレスなオムニチャネル エクスペリエンスを実現する予測分析など、新しいテクノロジーを使用して、この期待に応えたいと考えています。しかし、小売業が抱く将来の技術面での展望と今日の実情を比較してみると、最近の ASUG の調査に参加した SAP 小売ソリューションの顧客の 75% は、まだ変革の初期段階にあるデジタル初心者です。パーソナライズされた顧客中心のオムニチャネル エクスペリエンスを提供するには、小売業者はリアルタイムで顧客の分析情報を生成する必要があります。ただし、これには、SAP を活用する最新のオンプレミス インフラストラクチャの能力を超える、大規模なコンピューティング リソースが必要です。

世界をリードする家電販売業者の一つである MediaMarktSaturn Retail Group は、最近になってオムニチャネル戦略と小売戦略のモダナイズを妨げるデータ パイプラインの課題に直面しました。MediaMarktSaturn は、SAP ソリューション全体で大規模なデータセットとインフラストラクチャを統合し、自社のビジネスと顧客の両方に対して正確で関連性のある分析情報を生成したいと考えていました。しかし、MediaMarktSaturn の以前のハードウェア インフラストラクチャでは、オムニチャネルの目標実現に必要なデータ量を処理できないだけでなく、さまざまなトラフィック レベルに中断なく対応するためのスケールアップとスケールダウンもできませんでした。

こうした技術的なハードルとインフラストラクチャのハードルを克服するために、MediaMarktSaturn は SAP ワークロードのモダナイズとクラウドへの移行を支援する Google Cloud を選択しました。MediaMarktSaturn は Google Cloud と連携し、データの保存、マイニング、クレンジング、分析に Google Kubernetes Engine(GKE)、BigQuery、Bigtable を活用することを決めました。これにより、リアルタイムでパーソナライズされた分析情報を生成して、すべてのチャネルで顧客対応を改善できると考えました。同社はこれまで検索テクノロジーと高性能データ処理の最適化に取り組み、コンバージョン率の 30% 向上を実現しました。将来を見据えて小売戦略をモダナイズするツールを導入した MediaMarktSaturn は、複数の変数に基づいて価格の弾力性と価格予測を調査する分析ツールの構築を開始しました。

店舗運営: Loblaw がシームレスなカスタマー エクスペリエンスでユーザーの満足度を高めている方法

オムニチャネル エクスペリエンスの構築以外にも、小売業者はオンプレミスの SAP インフラストラクチャの俊敏性を上回る速さで店舗運営のモダナイズを進めています。小売技術により、迅速な購入手続きの最適化、店頭商品のインテリジェントな在庫管理、動的な品揃え計画などが可能になっている中で、小売業者にとって競争に打ち勝つために不可欠な新興技術を構築、テスト、デプロイできる基盤を整えることがますます重要になっています。以前のシステムに新しいコードを次々と追加することを選択してインフラストラクチャのモダナイズに後れを取っている小売業者は、ダウンタイムやデータの不正確さを招きやすい非常に複雑でスケーラビリティが低い密結合のモノリスを構築するリスクがあります。

カナダで食料品店と薬局を経営する国内最大の小売業者、Loblaw は、従来のオンプレミス環境で SAP Hybris を活用していますが、最近 MediaMarktSaturn と同様のデータ パイプライン問題に直面しました。パーソナライズしたおすすめの商品情報の提供機能を e コマース プラットフォームに導入するという目標がありましたが、候補の品質とレスポンスのレイテンシに改善の余地があったため、技術的に成功しませんでした。Loblaw はまた、マーケティング担当者が e コマース システムの準備で IT 部門と協議することなく、いつでもプロモーションを実施できるようにしたいと考えていました。

このビジョンをオンプレミスで実現するにはデータセンターを拡張し、専任の IT メンテナンス チームと運用チームを結成する必要があるため、同社はパブリック クラウドの活用を決定しました。時代遅れで柔軟性のないテクノロジー ソリューションのサポートにさらに多くのリソースを投入するのではなく、Google Cloud を選びました。

Loblaw のテクノロジー担当バイス プレジデントである Hesham Fahmy 氏は、次のように述べています。「こうした作業を大規模に行い、適切な投資をして、常にテクノロジーの一歩先を行く企業にすべて任せれば、自分たちは顧客に価値をもたらすことに専念できるのではないか、と考えました。」

Loblaw がクラウドへの移行を進めた最初の段階は、SAP Hybris からのトランザクション データを活用する同社のオンライン食料品店 QuickShop に関連するものでした。Google Cloud は、SAP Hybris 用の認定インフラストラクチャを提供し、モダナイズに向けたアーキテクチャ基盤の構築に必要な管理上の煩わしさを解消しました。また、Loblaw は BigQuery を使用して、購入ライフサイクル全体で顧客データをリアルタイムに分析し、より関連性の高いクーポンを顧客に提供しています。

Google Cloud と SAP のパートナーシップの結果、Loblaw では、QuickShop の業績を 4 倍向上させ、サイトのキャパシティを 3 倍増やし、サイト信頼性エンジニアの時間を 50% 節約することができました。これにより、同社はカスタマー エクスペリエンスのさらなる革新に集中できるようになりました。

物流、納品、配送: MultiPharma が自動化されたウェアハウスで顧客ニーズへの対応を実現するまでの道のり

バックエンドの運用は、さほど注目されていないかもしれませんが、小売業の成功に重要な要素です。ここでのワークロードの一つに、リアルタイムで正確な自動化されたウェアハウス管理があります。ロボット工学や RFID のタグ付けからオンデマンドでの在庫管理まで、ウェアハウジング システムには、小売業者のエコシステム全体(オンラインと店舗の両方)から取得する大量のデータが必要です。オムニチャネルや店舗運営のイノベーションに伴う問題と同様に、企業のウェアハウスのモダナイズは、以前のオンプレミス インフラストラクチャに負担をかけ、不正確さ、ダウンタイム、注文の処理漏れが起こる原因になる可能性があります。

医薬品小売業者の MultiPharma にとって重要な価値提案は、需要が高まる時期でも、注文された医薬品を薬剤師に迅速に届けることです。そのためには、ウェアハウスの分散、ロボット工学、自動化といった、スケーラブルで柔軟性が高く拡張可能なインフラストラクチャが必要なテクノロジーに多額の投資を行う必要がありました。MultiPharma はもともと以前のバックエンド SAP システムと独自のプライベート クラウドでこのニーズに対応していました。しかし、コストと柔軟性の問題から、同社は SAP HANA を活用してパブリック クラウドに移行することにしました。

MultiPharma は複数のクラウド サービス プロバイダを検討しましたが、優れた VM ソリューション、柔軟なサイズ設定と料金体系を持つ Google Cloud を選択しました。SAP ワークロードを段階的に Google Cloud に移行するうえで、まず初めに行ったのは、本番環境の完成前にチームが俊敏性テストを実施するための開発環境の構築でした。この最初の段階で、MultiPharma はすでに柔軟性の向上やリソースの増加などの成果を実感しており、そうした成果のおかげで、e コマースや顧客向けアプリケーションの最適化など、さらなるビジネス イノベーションに集中できるようになりました。

小売業界が変化し続ける中で、クラウド テクノロジーを採用する小売業者は、ますます新たな機会を活用できるようになりつつあります。ただし、SAP を活用している小売業者が、デジタル変革への増大した投資を回収するには、自社のインフラストラクチャとデータ パイプラインが今後のイノベーションに対応できるかを確認する必要があります。多くの企業は、以前のオンプレミス アーキテクチャにソフトウェアを重ねていくことで一時的にこの問題を解決したいと考えるかもしれません。しかし、そうすれば柔軟性やスケーラビリティ、弾力性を欠いた高価なモノリスが生まれ、継続的なモダナイズはほぼ不可能になります。先進的な小売業者は、MediaMarktSaturn、Loblaw、MultiPharma のように、インフラストラクチャとデータの開発およびメンテナンスにかかる負担を解消するだけでなく、SAP とテクノロジーへの投資から最大の成果を得るために、クラウドの多様な機能やマネージド サービスの活用を検討するべきです。

SAP テクノロジーを利用している小売業者と Google Cloud の連携の詳細と重要なポイントについては、『Google Cloud Strategy Guide: 5 Learnings for Your SAP Retail Workloads.』(英語)をお読みください。SAP と小売業界向けソリューションの詳細もご確認いただけます。 

- By Google Cloud プロダクト マーケティング マネージャー Hasmig Samurkashian

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