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リテール

小売業者が知っておくべき新学期、大学進学関連の 4 つの消費トレンド

2022年7月11日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

まだ、9 月の新学期ではありません。学校は夏休みに入ったばかりです。しかし、Google と Quantum Metric が行った調査によると、米国でホリデー シーズンに次いで 2 番目に多い購入量となる1、新学期や進学に伴う買い物シーズンはすでに始まっています。つまり、小売業者にとっても、このピークの時期に向けたプランニングがすでに始まっているということです。

そこで、Google の調査と、米国の小売データに基づいて Quantum Metric が行った新学期関連の小売ベンチマークの研究によって明らかになった 4 つの主要なトレンドについて、その背後にある理由を探り、重要ポイントを説明していきます。

1. 在庫切れとインフレーションの懸念は、消費者の買い物方法を変えています。買い物客の新学期の準備は、年々、早まっています。そうした買い物客の内、41% は学校が休みに入る前から準備を開始しており、大学進学のための準備ではその割合はさらに高くなります1。その理由は、悠長に待っていると必要なものが買えなくなるのではないかという懸念が、消費者の行動の主な原動力となっているからです。買い物客の 29% は、実際に必要になる 1 か月前から商品を探し始めます1

新学期の準備に伴う購入総額は極めて高く、大多数が最大で 500 ドル、21% が 1,000 ドル以上を支出しています1。実際、前年比データで見ると、平均注文金額は 2021 年 11 月と比べ 2 倍になっているだけではなく、ホリデーと比べても高くなっています1。そのうえで、新学期に向けた支出は、ホリデー シーズンにつながる主要なインジケーターであることを心に留めておいてください。

とは言え、買い物客はインフレーションに反応して、価格を比較し、バーゲン品を狙い、総じて計画により時間をかけるようになっています。これは、商品をカートに入れてから購入する前に、割引にならないかの様子見をするオンラインの買い物客が 76% にのぼるという事実からも明らかです1。加えて、予算内に抑えるためと、送料を削減するために、74% の買い物客が 1 回の購入手続きで複数の商品を購入できるように計画を立てています1。この傾向は店舗での買い物にも引き継がれていて、消費者は一度の訪問でより多くの商品を購入することで、訪問回数を減らし、ガソリン代を節約しています。

2. オムニチャネルという流れは、今後も続いていきます。消費者は、これからもショッピング エクスペリエンスに複数のチャネルを使用していきます。パンデミックが沈静化するにつれ、82% の消費者が店舗で新学期向けの買い物をしようと考えるようになっており、対してオンラインでの購入を計画している消費者は 60% となっています。いずれにしても、45% の消費者は両方のチャネルを使用すると回答しており、50% 以上は店舗におもむく前にまずオンラインでリサーチすると回答しています2。中には動画やソーシャル メディアを含む、5 つのチャネルを活用する消費者もいます。このように複数チャネルを活用する消費者の割合は 54% にのぼり、2 つのチャネルしか利用しない消費者と比べ、消費額は 1.5 倍にのぼります4

そして、このプロセスではモバイルが大きな役割を担っています。買い物客はスマートフォンを使って注文を行っています。とりわけ、期限が迫っている、間際に必要になったなどの場合にスマートフォンを活用するほか、店舗で買い物をしている間に別の小売業者のウェブサイトで価格をチェックすることも多々あります。補足的なお話ですが、さまざまなカラーやスタイルのオプションをスマートフォンでスワイプしながら検討できるため、子どもとの買い物ではモバイルが重視されています。ですが、自分自身の買い物、特にリサーチが必要な大きな投資の場合にはパソコンを使用するケースが非常に多いことが、Google の研究で明らかになっています。

3. 消費者は頻繁にウィッシュ リストを活用しています。特にアパレル、日用品、学用品の場合は、しっかりとしたリサーチが必要な値の張る商品に比べて、放棄率が高いという傾向が確認されています。これは、ウィッシュ リストの使用頻度が増していることが要因の一つだと考えられます。オンラインの買い物客は、興味をひかれた商品や、セール中の商品をウィッシュ リストに保存し、その中のごく一部を選択して購入します。Google の調査によると、消費者がウィッシュ リストを作成する頻度は、1 か月に 1 つか 2 つが 39%、1 週間に 1 つか 2 つが 28% となっており、消費者が予算管理のために頻繁にリストを使用していることがわかります1

4. 不満を持つ人の割合は、著しく低下しています。放棄率は別として、買い物客が不満を感じる割合は、対前年比で 41% 減少しています1。つまり、在庫切れの懸念や、価格高騰をよそに、買い物客のいら立ちは抑えられているということです。ですが、ある主要な調査では、カートの破棄と「レイジクリック」は共に、パソコンの方が発生頻度が高いことが明らかになっています。おそらくこれは、検索に時間を費やした人が、カスタマー サービスで不満を伝えるためにそれ以上に時間を費やしているためでしょう。

それに、不満はなくなったわけではありません。米国では、検索エクスペリエンスが優れないことによって、毎年 3,000 億ドルもの販売機会が失われています5。世界規模で収集したデータによると、80% の消費者はウェブサイトで商品を検索しても見つからないと、ブランドの評価が変わります。また、探しているものがすぐに見つかるウェブサイトが望ましいと回答した消費者は 97% にのぼります5

学ぶべき教訓

小売業者向けの重要なポイントとはどのようなものでしょうか。一般的には、お客様が抱えるペインポイントの発生源について考え、抵抗感を消し去る方法を探ることです。そのために、検索とパーソナライズを改善しましょう。さらに、カスタマー エクスペリエンスの向上と、ロイヤリティの構築に集中しましょう。具体的な内容は以下のとおりです。

  • 80% の買い物客は、パーソナライズを望んでいます6。ブランドとのエンゲージメントを高める、パーソナライズされたプロモーションまたはエクスペリエンスを提供する方法を考えましょう。

  • 46% の消費者は、リサーチにもっと時間が必要だと考えています1。比較表、画像、特定の商品の詳細といった、確固とした研究の情報や商品情報の提供を推進していきましょう。

  • 43% の消費者は割引を望んでいます1。ですが、現在の経済的なトレンドを考えると、小売業者も割引を提供できる場面ばかりではありません。こうした予算に限りがある買い物客を満足させるために小売業者ができることは、ポイント、特典、お急ぎ配達特典を使ってロイヤリティを高めるなどの、割引以外の顧客維持戦略です。

  • 返品はできる限りシンプルにしましょう。それにより、消費者は安心して購入でき、返品を決意した場合にも、もめごとになり得る要素を減らすことができます。購入した商品の少なくとも 4 分の 1 を返品するけれども、送料を払いたくない、または複雑な手順を踏みたくないと考える買い物客は 43% にのぼります1

Google から得られるサポート

Google のスポンサー提供のもとで行った調査によると、価格、割引、プロモーションが重要だと回答した新学期の準備のための買い物客は 68% にのぼります7。さらに、買い物客は欲しいものを確実に手に入れられることを望んでいます。Google Cloud は、検索ソリューションを使って、お客様が欲しい商品を見つけられる状況を小売業者が簡単に生み出せるようにサポートしています。そうしたソリューションでは、Google 品質の検索やレコメンデーションを小売業者のデジタル プロパティで提供することで、コンバージョンの増加や検索の放棄の低減を助けています。さらに、Quantum Metric のソリューションは、Google Cloud Marketplace 上で利用可能であり、BigQuery で構築されているため、小売業者による元データの持つパワーの統合や有効活用が可能で、抵抗感が生じやすいエリアを特定することや、改善されたデジタル ショッピング エクスペリエンスの提供が実現できます。

また、小売業界全体向けのウェブセミナー、「新学期、大学進学に向けて小売業者が準備を整えるための 4 つの方法」をオンデマンドでぜひご覧ください。さらに、Quantum Metric の新学期関連の小売ベンチマーク レポートも、全体に目を通していただくことをおすすめします。


出典:

1. Quantum Metric、「Back-to-School Retail Benchmarks report(新学期関連の小売ベンチマーク レポート)

2. Google / Ipsos、Moments 2021、2021 年 6 月、オンライン アンケート、米国、n=335 新学期シーズンの買い物客

3. Google / Ipsos、Moments 2021、2021 年 6 月、オンライン アンケート、米国、n=2,006、18 歳以上の一般のアメリカ人

4. Google / Ipsos、Holiday Shopping Study、2021 年 10 月~2022 年 1 月、オンライン アンケート、米国、n=7,253、過去 2 日間にホリデー シーズンの買い物をした 18 歳以上のアメリカ人

5. Google Cloud 公式ブログ、2021 年 11 月、「調査結果: 検索の放棄はブランド ロイヤリティに永続的に影響」

6. McKinsey & Company、「Personalizing the customer experience: Driving differentiation in retail(カスタマー エクスペリエンスのパーソナライズ: 小売における差別化の推進)」

7. Think with Google、2021 年 7 月、「What to expect from shoppers this back-to-school season(この新学期シーズンの買い物客のトレンド)」



- Quantum Metric、リテール インサイト シニア ディレクター Elissa Quinby 氏
- Google Cloud、グローバル大規模小売店リテール ソリューション ディレクター Sachin Padwal
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