Google Public Sector でエージェントの時代におけるサービス提供の定義を一新

Matt Schneider
Managing Director, U.S. Education, State and Local Government, Google Public Sector
※この投稿は米国時間 2026 年 9 月 19 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
州政府や地方自治体は、迅速かつ公平で、利用しやすいサービスを提供するという共通の使命を担っています。しかし、老朽化したシステムの技術的負債、分断されたデータ、そして重い事務負担が使命の遂行を遅らせ、この目標の達成を阻む要因となっています。
このようなシステム上の断片化は、公共部門全体で費用のかかる運用上のボトルネックを生み出します。
- レガシーデータのサイロ化: ケースワーカーの重要な情報は、多くの場合、別々の部門が管理する独立したリポジトリに保存されています。
- 手作業によるボトルネック: 行政機関の職員は、日常的なデータ入力や手作業での書類作成の処理に、多大な時間を費やしています。
- 関係者とエンドユーザーのストレス: レガシー システム同士が連携していないため、ユーザーは異なるプラットフォームでまったく同じ証明書類を何度も提出させられることがよくあります。
現在、エージェントはサイロを解消し、定型業務や手作業を自動化することで、行政機関の職員が価値の高い公共サービスや、本来の使命である「人間にしかできない温かみのある業務」に集中できるよう支援しています。
AI は州の CIO にとって最優先事項
公共部門全体で、AI は試験的なものから戦略の中核へと急速に進化しています。この変化を反映して、全米州最高情報責任者協会(NASCIO)の州 CIO 年次トップ 10 レポートでは、最近初めて AI が州 CIO の最優先事項にランクインしました。この優先順位の再定義は、州や地方自治体の未来にとって極めて重要な意味を持ちます。州の行政機関が山積する事務処理、インフラストラクチャの老朽化、そして変化する住民の期待に直面するなか、CIO は、インテリジェントな自動化こそが職員の対応力を高め、ケースワーカーのワークフローを合理化し、より迅速で公平なサービスを地域住民に提供するための中核的な手段であると認識しているからです。
行政機関が AI の試験運用や実証実験から本格的な導入へと移行するなか、多くの機関にとって中心的な課題となっているのは、「既存のレガシー投資と最新のサービス提供とのギャップを、AI を活用してどのように埋めるか」ということです。
AI を活用して成果につなげる
Google は、スピード、スケール、費用効率に重点を置き、手動によるシステム統合の煩わしさを解消するように設計された統合 AI スタックを提供しています。Google Public Sector と提携して AI を活用している公共部門の組織をいくつか詳しく見ていきましょう。
- ユタ州運輸省(UDOT): 52,000 以上の土地区画を特定して地図化するという膨大なタスクに直面していました。当初は膨大な手作業により完了まで 33.5 年を要すると見積もられていましたが、UDOT は BigQuery 上に統合データ プラットフォームを構築することで、プロジェクト全体を 1 年未満で完了し、エンジニアが道路の安全性向上に専念できる環境を整えました
- ハートフォード市: AI を使用して、すべての公聴会で 80 言語のリアルタイム双方向翻訳を提供。参加の機会を広げつつ 130 万ドルの構造的コスト削減を達成し、インクルーシブなガバナンスの全米ベンチマークを確立しました。
- チャタヌーガ市: Google Cloud の AI と分析ツールを使用して市内の交通事故やインシデント データを一元化。都市計画担当者や公安チームが危険な路線を特定し、信号機のタイミングを最適化し、インフラストラクチャ投資の優先順位を判断できるようにすることで、住民がより安全に通行できる街路を実現しています。
- インディアナ州運輸局(INDOT): Google Cloud の AI とドキュメント分析モデルを導入し、膨大な調達契約リポジトリ全体におけるコンプライアンス監査の自動化と、スマート道路インフラストラクチャの拡張を実現しました。有資格のエンジニアを進行中の現場プロジェクトから引き離すことなく、30 日という厳しいコンプライアンス要件を満たすことで、このソリューションはシニア エンジニアの労働時間を 360 時間削減。同時に道路資産の検出を自動化して、州全域の住民に向けて、より安全で適切に維持管理された高速道路を確保しました。
- ロサンゼルス市: 2026 年のワールドカップ、2027 年のスーパーボウル、2028 年のオリンピック / パラリンピックといったグローバル イベントの開催を控え、膨大な運営負荷に直面している同市は、45 の部門と 27,500 人の職員の日常のワークフローに Gemini を直接統合しています。市職員の能力を何倍にも高める原動力として機能するこのプラットフォームは、複雑な事務作業を自動化して組織の対応力を強化。サービス提供を迅速化するとともに、1,500 万人を超える予想訪問者と 400 万人の住民が話す 224 以上の言語に対応する多言語サポートを拡大します。
- メリーランド州: Google Public Sector と提携し、プライバシーを重視したセキュアなクラウド基盤内で Gemini と Gemini Notebook を使用して、4 万人にのぼる職員を支援しています。認知負荷を軽減し、反復的な管理タスクを自動化することで、州政府の担当チームはわずか 5 週間で水質管理アプリケーションを構築、デプロイしました。これにより、数千時間におよぶ職員の労働時間を削減し、環境監督業務を迅速化。メリーランド州全域の住民に向けて、より迅速で持続可能な公共サービスの提供を実現しました。
Google Public Sector で AI への取り組みを加速
エージェントの時代とは、人間の能力を強化し、公共サービスを支えるリーダーや構築者を支援することにほかなりません。公共部門の組織は、Google Cloud の統合 AI スタックを活用して、ステークホルダーへのサービス提供、職員の能力向上、そしてミッション推進のあり方を再定義しています。Google Public Sector は、よりレジリエンスが高く、対応力に優れ、シームレスにつながる行政機関をともに構築していくため、先駆的な組織の皆様とパートナーとして協働できることを心から楽しみにしています。
10 月 20 日に開催される Google Public Sector Summit にぜひご参加ください。エージェントの時代に AI を活用してサービス提供のあり方を再定義している公共部門のリーダーたちの講演をお聞きいただけます。
- Google Public Sector、米国州政府、地方自治体、教育機関担当マネージング ディレクター、Matt Schneider



