AI、コラボレーション、次世代のリーダーへの投資

※この投稿は米国時間 2025 年 2 月 28 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

AI は、行政機関の業務を良い方向に変革しており、患者ケアの改善、学習や教育の拡充、公共安全の向上、市民向けサービスの合理化など、幅広いサービスにおけるミッションの達成を支えるために使用されています。2 月 27 日にニューヨーク市で開催された Google Public Sector Gen AI Live & Labs には、州政府、地方自治体、研究機関、高等教育機関から 400 名近いテクノロジー リーダーが集まり、AI がもたらす変革的な影響について議論したり、生成 AI のハンズオンラボに参加したりしました。参加者の所属先は、ニューヨーク市技術イノベーション局（NYC OTI）、ペース大学、ニューヨーク市交通局、ニューヨーク大学、ニューヨーク市保健局、ニューヨーク州立大学、パートナー企業の Deloitte、Resultant、Quantiphi、Slalom などでした。以下に、このイベントから得られた重要なポイントを 3 つご紹介します。

AI が公共サービスの提供に革命をもたらす

Google の最新の AI イノベーションは、公共部門全体にわたって、変革とミッション インパクトの新たな波を生み出しています。イベントの参加者は、Google が AI に対する独自のフルスタック アプローチによって、どのようにイノベーションを加速し、ミッションの成果を達成しているかについて学びました。このアプローチには、インフラストラクチャ、研究、モデル、プロダクト、プラットフォームといったあらゆるレベルでの Google のイノベーションが含まれ、トレーニングとサービング、開発者の生産性、安全でスケーラブルなプロダクトに至るまで、技術スタック全体で効率を高めることができます。

このイベントで得られた重要な知見は、セキュリティの確保された安全な AI ツールを提供して公共部門の従業員を支援することの必要性です。イベントでは、先日リリースした Google Agentspace のデモを行い、Gemini のエージェント機能を使用してホスト場所に関係なく高度な推論、Google 品質の検索、エンタープライズ データを統合する方法を紹介しました。この強力なテクノロジーによって、従業員の情報アクセスを改善しワークフローを効率化できるため、より良い意思決定とサービス提供、そしてより大きな成果が実現します。

また、The Tambellini Group が発行したアナリスト レポート「StarChart™: 2024 AI Chatbots for Administrative Efficiency」で、Vertex AI Agent Builder が最高位の「Commander」カテゴリにランクインしたことも発表しました。これは、AI を活用した Google のイノベーションが教育や学習成果に与えている影響を証明するものであると考えています。

ニューヨーク州情報技術サービス局は、Google Public Sector とのエンタープライズ クラウド サービスの新しい契約を発表しました。この契約により、ニューヨーク州のデジタル トランスフォーメーションを推進するために、AI、データ分析、AI 搭載セキュリティ サービスなどが同州の各機関に提供されます。ニューヨーク州 CIO の Dru Rai 氏は、対談の中で、同州が AI を活用して行政サービスの向上、情報格差の解消、経済成長の促進を図りつつ、透明性と責任ある実装を優先して、この変革的なテクノロジーが住民全員に恩恵をもたらすように努めていることを紹介しました。

さらに、ニューヨーク州都市交通局（MTA）は、Google AI と Google デバイスを地下鉄車両に搭載して線路の問題を検出しており、これは検査員の業務軽減と乗客のスムーズな移動につながる可能性があります。MTA と最近実施したパイロット プログラムでは、線路検査員が発見した欠陥箇所の 92% を特定できました。今後も AI の活用により、市内の地下鉄輸送の信頼性と効率をさらに改善していきます。

コラボレーションが成功の鍵となる

Google は、アメリカのイノベーションの新たな時代がもたらす大きな機会に刺激を受けており、お客様やパートナーと協力して、アメリカがこれまでになく強く、安全で、競争力のある国となるよう貢献できることを誇りに思っています。

Google が GovExec に委託して実施した新しい調査によると、州および地方自治体の回答者の実に 94% が、今後 1～2 年で所属機関における AI の使用が増加すると予測しています。Google は、お客様に Google AI を継続的に提供すると同時に、パートナー エコシステムへの投資も継続し、公共部門のミッションをサポートするために必要な専門性を提供していきます。一例としてこのたび、AI / ML、セキュリティ、カスタマー エンゲージメント、データ分析、マップと地理空間、働き方の変革など、さまざまな分野で先頭に立って活躍している Google パートナーを認定する新しいプログラム Google Public Sector Partner Expertise Badges の受賞者を発表しました。

また、Google は、AI を幅広く利用できるようにする取り組みの一環として、National League of Cities（NLC）と提携して新しい AI ツールキットをリリースしました。このツールキットは、米国内の都市が AI の力を活用して公共サービスを強化し、住民の生活の質を向上させられるように設計されており、AI の説明、AI を活用した他都市の事例、AI 戦略に興味のある都市を支援する手順ガイドなどが含まれています。

次世代のリーダーへの投資

お客様の AI 利用が加速するなかで、次世代のリーダーへの投資も継続的に行っていく必要があります。Google の最近の調査によると、州および地方自治体は「AI の導入における最大の課題はスキルを備えたスタッフの不足である」と回答しています。さらに、回答者の 69% は、AI スキルのギャップを解消するためにスタッフに対する投資を積極的に行っています。

Google は AI スキル習得への投資に力を入れており、昨年 10 月には Google.org の AI Opportunity Fund を通じて新たな AI トレーニング イニシアチブを発表しました。これは、米国政府職員向けの AI スキル トレーニングに 1,500 万ドルを提供するものです。また、昨年 9 月には、Google Cloud Launchpad for Veterans を発表しました。これは、あらゆる役職と階級の退役軍人に無償トレーニングと認定資格の取得機会を提供するもので、イノベーションの促進と、現在の勤務先や将来的な雇用主のデジタル トランスフォーメーション戦略への貢献に必要なクラウド知識とスキルを身につけられるように支援します。

続きは Google Cloud Next で

AI の変革の可能性と、公共部門に与える影響は計り知れません。AI が進化を続けるなか、このテクノロジーが社会を構成する一人ひとりに恩恵をもたらすように、業界全体のリーダーや実務担当者が一丸となってイノベーション、コラボレーション、責任ある実装の優先に取り組むことが重要です。

Google Public Sector は、お客様のミッション達成をサポートすることに情熱を注いでいます。Google AI ソリューションがどのようにお客様の組織を強化し、ミッション達成を加速できるのかについて、ラスベガス開催の Google Cloud Next 2025 でぜひお確かめください。

-Google Public Sector、市場開拓担当バイス プレジデント、Brent Mitchell