Public Sector

アリゾナ州が VAST で数千人の再就職を実現した方法

※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

世界がオンライン中心になることを余儀なくされたとき、米国各州の行政機関も、対面で会うことによる健康上のリスクを避けつつコミュニティ サービスを提供する切実な必要に直面しました。対人のやり取りに依存した旧来のシステムでは対応できず、前例がない規模の失業者がありとあらゆる失業保険システムに殺到しました。対応力の課題は州の労働局に限った話ではありませんでした。出生証明書や結婚証明書から、公印確認や裁判手続きまで、通常であれば簡単に予約なしで対応できていたものもすべて事前に予定を組まなければならなくなり、機関内外のコミュニケーションに支障が出ました。

これらの課題に対処するため、多くの組織が新しいテクノロジー ソリューションや革新的なアプローチに目を向けました。

VAST によるアリゾナ州内の再就職支援

アリゾナ州にはパンデミック失業保険に頼る住民が数万人おり、再就職を支援するためのツールも必要でした。アリゾナ州経済安全保障局労働力開発事務局で副局長を務める Tim Tucker 氏は、2020 年後半から準備に取りかかりました。Google Cloud および SADA との連携の下、アリゾナ州職員向けに VAST(バーチャル予約設定ツール)を導入し、アリゾナ州の再就職支援で過剰な負荷がかかっていた労働力開発事務局の作業量が軽減されるようにしました。住民は VAST を使って予約やドキュメントとフォームのアップロードを行えるほか、キャリア カウンセリングをバーチャルで受けることも可能になります。こうすることで州のシステムが効率よく機能するようになり、再就職支援はより迅速で実効性のあるものとなりました。

こうした準備が実を結びます。2021 年 9 月現在、アリゾナ州はパンデミックの影響で失われた雇用の大半を回復しました。雇用率も、パンデミック後としては最も高い水準にあります。さらに印象的なのは、失業保険の申請件数がパンデミック以前よりも低くなったことです。このような州は、アリゾナ州を含めて 5 つしかありません。再就職のプロセスを円滑にする VAST は、今ではパンデミックの影響にかかわらず失業対策に欠かせないプログラムの一部となっています。

合理的なサービスをコミュニティに提供する

Google は、公共機関のお客様が直面する課題に完璧に適合したソリューションを実現するべく、3 つの主要分野で VAST には特に優れた機能を実装しなければならないと判断しました。焦点を当てた分野は次の 3 つです。

  • 効率的なスタッフの割り振り

  • 無駄のない円滑な内部ミーティング

  • 住民による操作の信頼性

また、お客様にとって VAST の一刻も早い稼働が不可欠なことや、インフラストラクチャを全面的に見直すのではなく、既存のものを活用して VAST と連携させる必要があることも認識していました。こうした重要な分野の分析が VAST の機能の設計に反映され、Google はアリゾナ州経済安全保障局などの機関が直面する課題に対処できました。

仮想エージェントのサポートとインテグレーション

VAST には仮想エージェントが搭載されており、住民は Google Cloud の Contact Center AI 仮想エージェントによるサポートを 24 時間 365 日受けることができます。仮想エージェントは、各機関とサービスを受けるコミュニティのニーズに合わせてカスタムでプログラムされ、内容の更新が必要なときにはいつでも簡単に新しいオプションや情報を追加できます。ユーザーの意図を理解して関連するコンテンツを提供するように設計することが可能なので、システムを利用する住民にとっても管理する州職員にとってもスムーズなユーザー エクスペリエンスが実現します。コミュニティのあらゆる人にサービスを提供できるよう、仮想エージェントは大規模に実行され、多言語に対応しています。こうした特長を VAST と組み合わせることで、シームレスなセルフサービスを住民に提供できるようになります。

6 週間のデプロイ期間

公共部門のクライアントの多くがソリューションを喫緊に必要としていました。VAST はスタッフのトレーニング時間も含め、開始から終了まで約 6 週間という短期間でデプロイできます。

Google Workspace および Chrome とのインテグレーション

VAST は、Google Workspace や Chromebook など他の Google のソリューションと安全に統合でき、既存のシステム内で VAST が完全に機能するよう Google がサポートします。

コラボレーションとサポート

SADA がお客様の組織と連携し、VAST の設計、開発、機能がその組織のニーズに適したものになるよう支援します。SADA は、公共機関のお客様を対象とした、Google Cloud への移行のサポートを専門としています。

分析

アプリケーション管理者は、VAST によって収集された分析データへのアクセス権を持ち、カスタマイズやデータセットの追加を行うことができます。分析データは、組織がシステム上の盲点を見つけ、サービスのボトルネックを修正し、内部リソースを適切に整理することなどに活かせます。分析データを活用することで、組織には変化を加える力が生まれ、よりスムーズなユーザー エクスペリエンスの構築から費用の節約まで、あらゆる目標に向けて取り組めるようになります。

パンデミック中に Google Cloud がアリゾナ州をどのようにサポートしたかについて詳しくは、こちらのブログをご覧ください。多くの人がワクチンを接種できるように、ワクチン配布システムで Google Cloud を活用した方法を紹介しています。また、どのように VAST でユーザー エクスペリエンスを合理化できるのかについても、ぜひ詳細をご確認ください。

- SADA 公共部門担当ディレクター Heather Sheston 氏

- Google Cloud 戦略ビジネス エグゼクティブ Jeff Brown