政府および行政機関向け Document AI により、ドキュメントの処理を容易にし、より良い有権者サービスを提供
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 11 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
政府および行政機関向け Document AI によって紙のドキュメントの処理が容易に
毎年、政府機関はサービスや給付金を提供するために、何十億ものドキュメント、画像、フォームを処理しています。多くの場合、これらのドキュメントは、申請受付、確認、登録、ベンダー管理、調達などの時間的制約のあるタスクに対応するために、政府職員が手作業で電子システムにエラーなく転記する必要があります。
政府機関は、国民を支援するためにこれらのドキュメントを迅速に処理したいと考えていますが、しばしば次のような問題に直面します。
1. ほとんどの申請では、さまざまなカスタム フォームや確認書類(税務フォームや公共料金の請求書など)が必要であり、受領するタイミングやフォーマット(紙、画像など)も異なるため、1 人の申請者に対するドキュメントを追跡し照合することが困難である。
2. 手書きでの入力や多言語での入力は、データの理解と迅速な入力において問題となる。
3. スキャン、読み取り、データ入力、インデックス付け、照合などをすべて手作業で行うため、ドキュメントの処理に非常に手間がかかる。
Document AI を利用すれば、州や地方、連邦の政府機関は、ドキュメントの処理に必要な手作業を減らして、重要なサービスを迅速に提供できるようになります。
このソリューションを利用すると、政府職員は非構造化ドキュメントや手書きのドキュメントからコンテンツを抽出し、データを既存の記録システムに入力する作業を自動化することができます。Google は長年にわたり、より簡単かつ正確にドキュメントを理解する機能を拡充してきました。その一環として、公共機関やその職員が抱える固有の問題に対処するための新機能をリリースいたします。
政府機関の一般的なユースケースをサポートする事前構築済み Document AI モデルの紹介
政府および行政機関向け Document AI には、請求書、領収書、運転免許証、パスポート、給与明細書、税務フォームなど、政府で広く扱われているさまざまな種類のドキュメントのための事前構築モデルが用意されています。また、独自のドキュメントに合わせて、追加フィールドを抽出したり、精度を向上させたりしたい場合のシナリオに向け、トレーニングした内容の移行や、事前構築モデルのアップトレーニング機能を新たに提供いたします。
事前構築モデルがなく、有権者がカスタム ドキュメントに記入しなければならない場合のシナリオに向け、Document AI Workbench も用意しております。Document AI Workbench のリリースにより、政府機関はあらゆるドキュメント、画像、フォームからフィールドを抽出するカスタム ドキュメント モデルを作成して、手間のかかるドキュメント処理を必要とするワークフローのほぼすべてを、加速化および合理化できるようになります。
最後に、Document AI Accelerator をご紹介します。この軽量なワークフロー ツールを使用することで、政府職員は、ドキュメントの識別と分類、1 人の有権者と複数のドキュメントの照合、不足している情報や不正確な情報がある場合の事前連絡など、受領した申請書の流れを管理できるようになります。また、正確性と検証のため、人間による確認作業を統合する機能も用意されています。
Document AI を利用すると、政府機関のさまざまなユースケースで分析情報を引き出すことができます。カスタム ドキュメントからでも、特定のドキュメント(運転免許証、パスポート、税金、200 を超える言語のテキストなど)からでも、Document AI はフィールドを抽出し、より簡単にドキュメントを処理して自動化する方法を提供します。
ハワイ州は、安全に観光を再開できるよう、訪問者の旅行情報と健康情報を抽出するために Document AI を採用しました。「簡単にスケールアップでき、安定して高速処理が可能なテクノロジーが必要です。現在このシステムでは、1 日あたり 25,000 件以上を日常的に処理しています。」ハワイ州エンタープライズ テクノロジー サービス オフィス、CIO、Doug Murdock 氏
米国政府におけるイノベーションの推進について詳しくは、Google Government Summit と次回のドキュメント処理の自動化に関するコーヒーアワーをご覧ください。