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Public Sector

データのカオスからデータドリブンへ: データをエデュケーション インテリジェンスに変える

2021年12月14日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2020 年には 10 億人の学習者が突如としてオンライン学習にシフトしました。この変化は、教育機関と職場の両方に影響を与え、今後もこの傾向は続くと思われます。HolonIQ は、教育工学(EdTech)市場が 2025 年までに 3 倍に拡大し、全世界での支出は 4,040 億ドルに達すると予測しています。さらに 20 億人の学習者がデジタル学習サービスを 2050 年までに利用するようになると考えられています。その結果、あらゆる教育レベルにおいて、授業をサポートするために必要なサービスを提供する EdTech が必要になります。

また、短期的なオンライン学習の急増により、長期的な戦略の必要性が明らかになりました。「より多くのデータが利用できるようになった今、組織はデータからどのような知見を引き出すことができるのか?それらの知見をどのように組み合わせて、戦略的ビジョンを形成できるのか?」と、最新のビジネス インテリジェンスとアナリティクスを専門としている Google Cloud プロフェッショナル サービスのエンゲージメント マネージャー、Sunny Shah は言及しています。また、次のようにも述べています。「EdTech は、教育機関が直面していたデータの可用性に関する問題を解決しようとしています。」

教育データを活用する

データは教室のパフォーマンスに直接的に影響を与えます。Google Cloud で教育と研究を担当する戦略的ビジネス エグゼクティブである Jesus Trujillo Gomez は次のように述べています。「学習者の好みや期待の大きな変化に教育機関が適応するために、EdTech は大きな役割を担っています。」「教育者はデータを集め、分析し、さまざまな戦略的意思決定に役立てることができます。」

多くの学校では、データに含まれるインテリジェンスを活用するためのリソースが不足しています。Gomez は次のようにも述べています。「学校やその他の組織では、レガシー システムを使用していることが多く、自分たちでデータ分析プラットフォームを構築するための予算や IT リソースがありません。」

また、お客様からは、データ インテリジェンスを抽出する際の課題として、以下のような声が聞かれました。

  • 多くの教育データソースに共通のデータ形式がない

  • 重複や不正確な情報、破損のない「クリーンなデータ」の不足

  • 以前の実装やカスタマイズによるシステムの競合

  • デジタル セキュリティとプライバシーに関するコンプライアンス要件が複雑

学校はデータを利用して、生徒の出席率、成績、エンゲージメントなどを把握できます。また、データをカテゴリ別に分類し、パフォーマンスのギャップを発見することもできます。カリキュラム、コース、テストの効果をより簡単に測定することができ、運用上の課題を問題になる前に発見できます。

EdTech 企業は、組織のデータビジョン(どこへ行くのか)とデータ戦略(どうやってそこへ行くのか)の策定を支援することで、これらの問題を解決します。では、Google Cloud と連携して、お客様がデータを活用して学習を改善できるようにした EdTech 企業の 2 つの例を見てみましょう。

Invoke Learning: AI による知見を活用して生徒の成功率を高める

Invoke Learning は、高等教育機関の管理者や教育者に、生徒の成功を阻む要因をより詳細に把握するための高度な分析を提供します。

生徒の成功を予測するために必要な大量のデータを処理するために、Invoke Learning は強力でスケーラブルな、アジャイルかつ高度な IT インフラストラクチャを必要としており、さらに高度な人工知能(AI)と分析機能へのアクセスも必要でした。そこで、データインフラストラクチャの構築に Google Cloud を選択しました。また、Google for Education パートナーとなり、Google Classroomなどの Google の教育プロダクト スイートを統合しました。

Invoke Learning が利用する Google Cloud ツールには、Compute Engine 仮想マシン(VM)、Cloud StorageCloud FunctionsCloud SQLApp Engine などがあります。これらのツールにより、Invoke Learning はインフラストラクチャを拡張し、機械学習(ML)のワークフローやニューラル ネットワークを迅速に構築、デプロイできます。また、Pub/SubTensorFlow を使用して、機械学習(ML)や AI を強化しています。Cloud Identity and Access Management は、データの安全性を確保するためのコンプライアンスに役立ちます。

「Google Cloud サービスを利用し、Google for Education とのパートナーシップを活用することで、より多くの学校が入学者数を増やし、さらに多くの生徒の成功を後押しできると確信しています。」とInvoke Learning の共同設立者であり、最高経営責任者である Lige Hensley 氏は述べています。

iSchoolConnect: 高等教育の入試を AI で近代化する

生徒は膨大な時間をかけて高等教育機関に出願します。生徒は出願に平均 200 時間を要しており、作業負荷が増加しています。iSchoolConnect のミッションは、生徒と入学事務局の橋渡しをし、AI によって出願プロセスを効率化することです。同社のチームは、出願に費やす平均時間を 200 時間から 15 時間に短縮することを目指しました。

チームは、ビジョンを実現するためには、高度な AI と強力なインフラストラクチャ ソリューションを組み合わせる必要があることを認識していました。そこで、Google Cloud を使用して技術的な基盤を構築し、Google for Education のパートナーとなりました。iSchoolConnect の本番環境全体は、Google Cloud のCompute Engine でホストされており、データベースは Cloud SQL を使用しています。Google Cloud Armor は、生徒の情報に関するコンプライアンスを遵守するための重要なセキュリティ管理を提供し、フロントエンドのデプロイは Firebase で処理されます。また、システムの稼働時間とスケーラビリティを最大化するために Cloud Functions やその他の Google Cloud のネイティブ ソリューションを使用しています。

すべてを Google Cloud 上でホスティングすることで、18 か月でプロトタイプを構築できました。プラットフォームを稼働させたことにより、iSchoolConnect のユーザーは、2018 年から 2020 年の間に、1 万人から数百万人に増加しました。生徒の出願に費やす時間を短縮することで、学生と学校双方の負担を大幅に軽減しました。

よりスマートでデータドリブンな意思決定

EdTech は、お客様がよりスマートでデータドリブンなビジネス上の意思決定を行うために重要な役割を果たしています。そして、Google Cloud がその手助けをします。EdTech は、Google Cloud を活用してデータと分析の専門知識を提供します。つまり、コンテンツ作成やエンドユーザーのアプリケーション開発により多くの時間を割くことができます。Google Cloud の Gomez は、次のように述べます。「Google Cloud は、EdTech 企業が次世代のデータ ソリューションを構築して、お客様やユーザーにより良いサービスを提供できるように支援しています。」

次の内容: データチームが成熟したデータ ウェアハウスを設計する方法

Google Cloud のソリューションを活用してみませんか。EdTech の課題にともに対応しましょう。詳しくは、教育工学のための Google Cloud をご覧ください。


- Google Cloud、EdTech マーケティング担当責任者 Fernando Cruz
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