より多くのサイエンスをクラウドに集約する新しい Google リサーチ イノベーターを発表

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

クラウドにおいて、より多くのデータ、計算能力、ストレージ機能を利用できるようになったため、世界中の科学研究に革命が起きています。データや処理をクラウドに移行することで、研究者はブレークスルーを加速し、実世界の問題をより早く解決できます。2 年目となる Google Cloud リサーチ イノベーター プログラムは、世界中の科学者のコホートによるコラボレーションを促進し、専門職としての就業機会や、研究でクラウドを最大限に活用するための技術的な専門知識を提供します。新しいコホートでは、リサーチ イノベーターの数が 31 名から 62 名に倍増しました。7 つの分野、10 か国、45 の機関からなる参加者グループで構成されています。

本年度の参加者は、健康科学、生命科学、物理科学、社会科学、コンピュータ サイエンスの 5 つのコースに拡大し、再編成されました。生命科学コースには、9 人の地球の資源に関する緊急の問題に取り組む気候科学者が含まれています。

たとえば、カナダ天然資源省（NRCan）の研究員である Richard Fernandes 氏は、LEAF ツールボックスを開発し、Google Earth Engine の衛星データを使って植生のマッピングと評価を行っています。コンピュータ サイエンス助教授の Tian Guo 氏は、ウースター工科大学のチームと協力して、Google のプリエンプティブル仮想マシン インスタンス（VM）を使って 分散型ディープ ラーニングをより効率的かつレスポンシブに行うことを目指しています。イスラエルのバル＝イラン大学生命科学部上級講師の Amiyaal Ilany 氏は、野生の動物の行動研究に新しい手法や技術を導入しています。イリノイ大学シカゴ校化学工学科の博士研究員である Vijay Ramdin Singh 氏は、機械学習を用いた高スループットのマテリアル デザインについて研究しています。ヴェネツィア・カフォスカリ大学のマリア・スクウォドフスカ＝キュリー賞を受賞した人文科学博士研究員である Thea Sommerschield 氏は、DeepMind と Google Cloud の自然言語処理機能を使用して、古代ギリシャ文字の復元と属性付与が可能なオープンソースのディープ ニューラル ネットワークである Ithaca を設計しました。これらはそれぞれ、Google リサーチ イノベーターの新コホートによって現在進行中の革新的なプロジェクトのほんの一例です。

ブレークスルーのためにクラウドを活用することは、スピードやパワーのためだけでなく、また、科学技術の研究のみを対象とするものでもありません。Sommerschield 氏は、機械学習（ML）と人工知能（AI）が、分野を超えた研究手法に革命をもたらすことを説明しています。「Google のおかげで、ML を単に補助ツールとしてではなく、テキストデータに隠されたパターンや知見を解き明かす技術として使用し、古代世界の情報を整理することができます。質的飛躍は、これまでやっていたことをより速く、より適切に行うことを求めるのではなく、これまでできなかったことを行うために新しい技術を開発し使うことにあります。」

昨年のリサーチ イノベーター コホートは、すでにこれらのツールや手法を進化させています。Tapio Schneider 氏、Theodore Y. Wu 氏というカリフォルニア工科大学の環境科学工学部教授と JPL の上級研究員は、将来の環境条件のシミュレーションを改善するために　Climate Machine　を開発しました。シカゴ大学 MiiE（Messages, Identity, and Inclusion in Education）ラボのシニア コンピュータ サイエンティストで、別のリサーチ イノベーターである Teodora Szasz 氏は、機械学習を用いてイラストを視覚的に分類し、児童文学における表現力をより適切に評価しました。

クラウドの利点をプロジェクトで活用したいとお考えの研究者の方は、こちらから申請していただくと、対象 60 か国で Google Cloud リサーチ クレジット プログラムにアクセスできます。