commercetools、Google Cloud 上で MongoDB Atlas を運用してスケーラブルなモダン デジタル コマース ソリューションをパワーアップ

※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

現代の店舗運営を強化することは容易ではありません。消費者の好みやビジネスの風向きは常に変化し、破壊的なイノベーションも絶えず発生します。需要も毎日、ときには毎時間という頻度で大きく変動します。裏を返せば、変わり続ける消費者の要求に先手を打って効率よく応じることができるアジャイルな IT 環境を備えた小売業者には、この環境が無限のチャンスを与えてくれるでしょう。

commercetools は、デジタル時代にビジネスで成功するために必要なものを提供できることを誇りに思います。私たちはクラウドネイティブ企業として、常に将来を見据えてプラットフォームを刷新し、お客様により良いサービスを提供できるよう、取り組んでいます。この目標を達成し、可能な限りアジャイルでアクセスしやすい状態を維持するために、マイクロサービスを基盤としたプラットフォームを提供しています。

長年にわたり完全なクラウド ネイティブであることのメリットを活かして、マイクロサービスのインフラストラクチャを最適化し、API ファースト アプローチを取り入れています。また、クラウド コンピューティングの絶え間ないイノベーションに伴い、お客様に提供するサービスをさらに強化するために最新かつ最良のツールを探しています。

この数年、私たちが特に重視していた分野のひとつは、リソースの自動スケーリングと管理の効率化でした。つまり、当社のプラットフォームからもっとパフォーマンスを引き出すということで、私たちが Google Cloud と MongoDB を選択したのもそのためでした。

長年の成功の上に積み上げる

Google Cloud は、commercetools が長年信頼するクラウド サービス プロバイダであり、MongoDB は 2014 年から使用しています。2 つのプロダクトの関係と、採用されている技術を拡張すれば、当社が提供するビジネス全体の日々のオペレーションを改善できる機会があると考えたのです。それには、MongoDB Atlas を実装して、データベースのスケーラビリティと効率性を最適化するプランも含まれていました。

Google Cloud で MongoDB Atlas を実行することの大きなメリットは、データベースと、Google Kubernetes Engine（GKE）、BigQuery、Cloud AI Platform などの Google Cloud サービスをインテグレーションできることです。これらのソリューションは非常によく連携しているため、実行しなければならないタスクが何であれ、素晴らしいパフォーマンスが得られるものと commercetools のチームは確信しています。

季節変化や消費者の好みの絶え間ない変化といった、小売特有の要因を考えると、どのような状況であれ、当社のプラットフォームは常に適切に機能するという信頼を小売業者様に持っていただけることが必要です。フルマネージド データベースである MongoDB Atlas を Google Cloud ソリューションと組み合わせると、私たちの目標を達成し、お客様に卓越したサービスを提供できます。

スケーラビリティの面では、1 分あたり数万件のトランザクションを処理するお客様もおられて、そのような場合にも注文がすべて問題なく確実に履行され、付随するデータがすべて取り込まれ、管理されなければなりません。これを達成するには、すべてのステップが commercetools の技術スタックの適切な領域に完全統合されている必要があり、Google Cloud と MongoDB があればそれをはるかに容易に実現できます。

MongoDB のアプリケーション データ プラットフォームも、MongoDB チャート、バックアップ、強固なセキュリティ機能など、役に立つツールが揃っています。いずれも commercetools の成功に不可欠であり、私たちのお客様にとっても重要です。MongoDB では、水平方向または垂直方向のスケーリングも可能で、スパイク時も自動スケーリングで処理できます。データ セキュリティや保持について不安を感じることもありません。Google Cloud 上の MongoDB Atlas なしでは、これは達成できません。

この支えがあるからこそ、私たちはお客様の要求に合わせて、新しい機能、サイト、タッチポイント、チャネルを迅速かつ確実にロールアウトすることができます。Google Cloud と MongoDB Atlas がサポートするアジリティによって、commercetools は競合他社との差別化を図ることができます。

私たちが成功を収めるうえで同様に重要なことは、Google Cloud、MongoDB Atlas、commercetools の社内エンジニアによって、commercetools の環境に組み込まれる自動化のレベルです。パフォーマンス テストにモダンなアプローチを取り入れ、すべてをリアルタイムにモニタリングして修正することができます。小売業者とってこれは重要なことです。ブラック フライデーなどの大規模なイベントの当日になってから環境の処理能力や信頼性のテストを行っていては、遅すぎることが多いからです。

クラスタ管理、デプロイ、テストの自動化は、お客様が必要とするときに必要な分だけスケーリングするために不可欠です。私たちは、Google Cloud と MongoDB Atlas で提供される自動化に支えられ、お客様が必要とするものに対して常に万全の態勢で臨むことができます。

こうした積み重ねが比類なき実力となって、300 に近い API を提供するに至っています。お客様や当社のパートナーは、これらの API を自由に組み合わせて、お客様が思い描く優れたコマース エクスペリエンスを実現することができます。これが、commercetools が競合他社と異なる点です。私たちは、単なる汎用的なテクノロジー スタックではなく、小売業者がまさしく必要としているものと、業者の顧客が提示する機会の双方に適合するソリューションを、小売業者が独自に構築するためのオプションを提供しています。

さまざまな業界の課題に対応

commercetools はたしかに小売業者に根差しているものの、デジタル トランスフォーメーションの必要性はどの業界でも明らかで、当社のプラットフォームは多くのニーズに適応できる十分な柔軟性を備えています。

たとえば、IT 部門が比較的小規模な企業は、commercetools のパートナーと連携して、新しいデジタル サービスと強化されたカスタマー エクスペリエンスの展開を加速することができます。私たちのパートナーは、必要に応じてプロジェクト管理を行い、commercetools の API を使用して各企業固有のニーズに合わせたソリューションを提供できます。一方、IT 運用を大規模に行っている企業では、自社チームが commercetools の API を使用することで、目標をより迅速に達成できます。

コマース プラットフォームを構築、管理する私たちのアプローチの成功が注目を集めたのは、COVID-19（新型コロナウイルス感染症）パンデミックの渦中に、多くの企業がロックダウンと急激な経済変動の中でデジタル フットプリントの強化に奔走したときがきっかけでした。

店頭受け取りに対応する、追加のチャネルの構築を希望している企業を例にとって考えてみましょう。モノリシック システムでは、IT チームはサービスの稼働まで 6 か月以上要することになるでしょう。多くの企業にとって、リソースを考慮するとこれは受け入れがたい事態です。それではマーケット シェアを失ってしまいます。

commercetools が優れている点は、企業の規模や業種を問わず、新しい市場機会に対応するために必要なサービスを迅速にデプロイできる柔軟性とアクセス性を備えていることです。commercetools のオープン アーキテクチャとクラウドネイティブ インフラストラクチャがそれを可能にします。そこでは Google Cloud と MongoDB が大きな役割を果たしています。

commercetools の成功によって、GKE、BigQuery、MongoDB Atlas など、高度に統合されたソリューションによってサポートされるマイクロサービスの力が知られることとなりました。commercetools のお客様に、当社のウェブサイトであらゆるサービス、環境のスピンアップ、ツールのデプロイなどを体験できるトライアルを提供できるのも、こうしたパートナーシップによるものです。

これは私たちにとって大きな差別化要因です。私たちが自社のクラウド インフラストラクチャやデータベース プロバイダに縛られていたら、このように簡単にアクセスできる高性能のセルフサービス機能を提供することは不可能でした。

私たちはこれまでに、Google Cloud と MongoDB の連携によって、数多くの成果をあげてきました。今後も小売、ヘルスケア、他の多くの業種でコマース アプローチの変革に引き続き取り組んでまいります。

- commercetools プロダクト マーケティング担当ディレクター Michael Scholz 氏