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金融サービス

BBVA の Google Cloud トレーニング プログラムが記録的な参加率を達成した方法

2022年3月10日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 2 月 24 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 金融業界のパイオニアであるビルバオ ビスカヤ アルヘンタリア銀行BBVA)は、「21 世紀のデジタル銀行」になりました。同銀行は、技術的なイノベーションの基盤として Google Cloud を使用しています。何年にもわたって協力してきた BBVA と Google Cloud は、カスタマイズされたトレーニング プログラム「Ninja Cloud Academy」を開発しました。このプログラムを通じて、銀行の従業員はテクノロジーについての理解を深め、自分の仕事に応用する方法を知ることができます。その 1 年後、BBVA は世界でも最高水準の完了率を達成しただけでなく、クラウド テクノロジーに関する専門知識を多くの従業員に身につけさせ、銀行が今後ますます発展するための態勢を整えることができました。


資産額においてスペインで 2 番目、世界でも 42 番目の銀行になったことは、偶然ではありません。そのためには戦略と先駆的な取り組みが必要であり、BBVA ではデジタル化によってそれを行いました。スペインの銀行の中でもいち早く、クラウド テクノロジー、データドリブンの意思決定、次世代のセキュリティを取り入れました。2011 年に BBVA が Google Workspace を導入することで Google とのコラボレーションを開始した際、長期的戦略の第一歩として始めたことがすぐに競争上の優位性となり、コラボレーションと生産性が大きく改善されました。その後何年にもわたり、Google Chronicle から人工知能(AI)と ML に至るまで Google ツールを BBVA のプラットフォームに統合してきました。イノベーションの計画を成功させるためには適切なツールと適切なパートナーが欠かせないとはいえ、従業員の準備ができていることも等しく重要です。そこで 2016 年に、BBVA の社内トレーニングの取り組みとして最大級である「The Ninja Project」を企画し、リリースしました。これは包括的なマルチトラック カリキュラムであり、従業員に社内の最新テクノロジーに関するスキルを向上させる機会を提供します。

意図的なアプローチの策定

当初から、すぐに役立つものであると同時に、従業員が楽しめるプログラムにしたいと思っていました。そのために、いくつかの戦略的な要素を取り入れました。まず、参加を完全に自主的なものにしました。そして、報酬制度を伴うゲーミフィケーションを取り入れ、従業員がトレーニングを完了するにつれてニンジャベルトの色が進展していくようにしました。そうすることで、BBVA の総裁との朝食のような報奨も得られます。次に、従業員が自分の仕事と関連のあるトピックを含むトラックを柔軟に選べるようにしました。たとえば、Google Cloud の基礎や、サイバー セキュリティのような専門的なテーマなどです。最後に、講義、ラボ、ワークショップなど、さまざまな形式を提供することに決めました。講義は事前に録画したものを放送するのではなく、ライブ配信することを選択しました。その方が、スペイン、メキシコ、ペルー、ウルグアイ、コロンビア、アルゼンチンという 6 つの国に住む参加者たちに、一貫したインタラクティブな指導を提供するのが容易だったからです。

トレーニングの内容を詳細に検討する際には、トレーニングをエンジニアだけでなく、もっと多くの従業員に提供したいことが念頭にありました。つまり、テクノロジーの理解の程度がさまざまに異なる人々に合わせてモジュールを作成する必要があったということです。  

最初のロールアウトは 400 人の従業員を対象としたもので、その後すべての従業員に対して公開しました。リリースから 5 年が経過して、BBVA は Google Cloud と協力してトレーニング プログラムの重要な部分となる Ninja Cloud Academy を作成しました。この Google Cloud トレーニング プログラムでは、従業員は BBVA で使用する特定の Google Cloud プロダクトについての教育を受けることができ、BigQueryCloud SQLApp EngineChronicleSecurity Command Center について深く理解できます。  

構想から実現までわずか 4 週間

一連の建設的な対話において、BBVA は Google Cloud のアカウント マネージャー David Doctor 氏と協力して、プログラム ガイドラインのレビュー、目標の特定、オーディエンスの分類を行いました。Doctor 氏のアドバイスに基づき、The Ninja Project の形式に完全に適合する、カスタマイズされたトレーニング モジュールを設計し、2021 年の 5 月に、わずか 4 週間で Ninja Cloud Academy をリリースしました。これほど早く実現することができたのは、BBVA のデジタル トランスフォーメーションを通じて Google Cloud が緊密な協力者であり、BBVA のプロダクト、技術的ニーズ、The Ninja Project の手法を熟知していたからです。  

Ninja Cloud Academy には 2 つの学習プランがあります。1 つ目はすべての人を対象としたもので、Identity and Access Management(IAM)、Google Cloud ネットワーク プロダクトCompute EngineApp EngineGoogle Kubernetes Engine(GKE)、Cloud StorageデータベースCloud Monitoring など、Google Cloud の基本的な概念を学べます。

基本だけではなく、専門分野について深く学びたい従業員は他のコースを並行して選択できます。1 つはデータ、AI、ML についてであり、もう 1 つはセキュリティと Kubernetes に関するものです。それぞれには理論的な学習と実践的応用が含まれており、さらに  Google Cloud Skills Boost プラットフォームを使用して提供される、ラボの膨大なライブラリも含まれます。これらは 30 分から 2 時間の範囲の実践的な演習で、従業員は学んだことを実践してみることができます。

Ninja Cloud Academy は 2021 年 5 月に開始しました。最初の講義には、1,140 人がオンラインで参加しました。最初の 6 か月に、受講生は 1,000 回のラボを完了しました。それぞれの「ニンジャ」はプログラムを完了するのにおおよそ 6 か月かかり、その時点で、今後も学び続けるか、とりあえずはすでに学んだことを活用していくかを決めることができました。  

管理面については、Google Cloud チームが運営のための試験的な機能を提供してくれたため、データ ダッシュボードを介して学習者の進捗状況を評価し、観察することができました。BBVA ではその機能を社内の学習プラットフォームと統合することにより、プログラムの初期段階で興味や維持率を判断することができ、BBVA が重点を置くデータドリブンの改善と足並みをそろえることができました。

Ninja Cloud Academy が成功した理由の 1 つは、この機会についての従業員への伝え方にありました。上層部が後援者となり、経営陣が、メールのメッセージ、タウンホール ミーティング、インタビュー、その他の手段で The Ninja Project を宣伝しました。Google Cloud は、BBVA が従業員とのコミュニケーションにおいて Google Cloud のロゴを使用することを認めてくれたため、従業員はこのロゴによって、プログラムの質が高いものであることを知ることができました。こうしたコミュニケーションが効率的だったため、プログラムを発表してからの数分間で非常に多くの従業員が登録を行いました。  

クライアント ソリューションから企業文化に至るまで、違いを生み出す

「素晴らしい学習体験でした。内容がどれもとてもわかりやすく、リアルタイムで実践する方法もありました。」

「私は Google Cloud 認定資格を持つエンジニアですが、自分の知識を固め、さらに多くの新しい知識を学ぶことができました。」

「ハンズオンラボによって知識を強化できました。知識を応用し、学んだことをチームと共有することもできます。」

これらの回答は、トレーニング後のアンケートでニンジャたちから得られた熱いフィードバックのほんの一部にすぎません。さらに、BBVA のプロダクトと、職場のカルチャーにも効果が現れています。  

たとえば、エンジニアリング チームとクライアント ソリューション チームのコラボレーションがさらに容易になりました。これらのチームは、データ分析を使用してお客様にカスタマイズされたソリューションを提供するという BBVA のミッションの中心的な存在です。The Ninja Project に参加したクライアント ソリューション チームのメンバーは、プロジェクトの背後にあるテクノロジーについてより深く把握したことで、技術的な観点でできること、できないことを理解できるようになりました。こうした共通の基盤により、より効率的なコラボレーションが促進され、結果として BBVA のデジタル売り上げが飛躍的に増加しました。

加えて、このプログラムにより、従業員の積極性が高まっています。参加者はオフィスでニンジャ T シャツを着ているため、コミュニティの意識が生まれ、認知度が高まっています。メールの署名にニンジャの認定を含める人までいて、このようなチーム スピリットから他の人も刺激を受けて、トレーニングに申し込むようになっています。多くの人にとって、The Ninja Project は BBVA での昇進に役立ってきました。一部の人にとっては、プログラムが BBVA 内の他の職務に異動するきっかけとなり、さらにやりがいを感じています。

現時点までに、世界中で 9,000 人の BBVA 従業員がトレーニングを受けました。BBVA では少なくとも毎日 1 つの講義をストリーミングしており、昨年は合計で 400 回以上のストリーミングを行いました。今日の学習はすべて、明日のイノベーションに取り組むための助けになります。新しいプロダクト開発から反復的な改善に至るまで、プログラムは競争上の優位性を与えてくれています。  

継続的な学習により BBVA は競合相手の先を歩み続ける  

BBVA にとっての次の課題は、提供するデジタル プロダクトとサービスの安全性と信頼性を常に保証しつつ、テクノロジーとデータによって裏打ちされた、プロアクティブでパーソナライズされたアドバイスをお客様に提供することです。The Ninja Project のおかげで、従業員の準備は整っています。

BBVA が Ninja Cloud Academy のスキルを見直し、改善していく過程で、Google Cloud は引き続き BBVA と協力しています。これには、新しい種類の活動によってトレーニングを拡張していくことが含まれます。すでに従業員の大部分がトレーニングを受けたために登録のペースは落ちています。そこで、受け入れ可能な参加者の数を 2 倍にするとともに、新しい学習トラックを追加することを検討しています。BBVA が重点を置くのは、現在使用しているものと今後導入する予定の Google テクノロジーについての最新情報にニンジャたちが精通できるようにすることです。

意外なことに、先生も生徒になりました。BBVA でのラボの完了率は世界的に高水準であるため、Google Cloud は従業員の高い参加率を促進する方法についての知識を深めています。BBVA は、このような状況での成功に不可欠ないくつかのアプローチを証明してきました。学習を自主的なものにすること、ゲーミフィケーションを取り入れること、会社の経営陣からの後援を効果的に伝えることなどです。

多くの企業は、このレベルでの成功は無理だと考えています。BBVA もそうでした。しかし、今は可能であることを知っています。


- BBVA's Ninja Program 担当グローバル デベロップメント マネージャー Julio Pimentel del Olmo 氏
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