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金融サービス

Resistant AI、Document AI を使用して不正行為へのレジリエンスを確保したドキュメント処理の自動化を実現

2023年9月29日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 9 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ドキュメント処理を手動から自動に移行することは、AI 活用の優れた成果の一つとして挙げられます。自動化することで、繰り返しが多くエラーが発生しやすい手作業の時間を大幅に削減して、真の価値の提供に集中できるようになります。Google Cloud の Document AI は、この成果の重要な部分を担ってきました。

しかし、ドキュメントの新しい取り込み方法は、特に金融サービスのようなリスクの高い業界において、組織をさまざまなレベルのリスクにさらし、新たな不正行為の機会を生み出す危険性があります。顧客理解(KYC)やマネー ロンダリング防止(AML)に関する規制により、これらの業界の組織は、顧客をより詳細に理解するためにドキュメントを収集して処理することが求められています。適切な管理を行わずにこれらのプロセスを自動化することは、かえってリスクを増大させる可能性があります。

自動化のような業務効率化を組織に導入することは、通常は重要な組織目標であるため、フィンテック企業にとってのリスクはとりわけ極めて高くなります。しかも、それは、さまざまな種類の不正行為の機会を生み出すことにもなります。その好例が、不正行為やマネー ロンダリングにつながる可能性のある偽のアカウントを作成する組織犯罪です。このため、不正行為へのレジリエンスは、フィンテックのプロダクト チームや運用チームにとって、最大の課題の一つとなっており、特に、顧客のオンボーディングの自動化においては重要です。

デジタル ドキュメントには目に見える痕跡がほとんど残らないため、手作業による検証で偽造を特定することはほぼ不可能です。Resistant AI は、世界中の数千万のドキュメントを処理した結果、ローンの申し込みや口座開設などに使用される銀行のデジタル明細書の最大 17% が改ざんされており、会社の銀行口座開設時に提出される登記証明書の 15% が偽物であることを突き止めました。また、簡単に入手できるドキュメント テンプレートを利用した連続的な不正攻撃は、人為的な制御が不能なほど攻撃を拡大できる安価な方法であり、人為的なマネーミュールとして利用できる使い捨て口座を大量に作り出します。

このような状況を背景に、Resistant AI は Document Forensics を開発しました。デプロイが容易な API でドキュメントの不正チェックを自動化して、Google Cloud の Document AI で構築されたあらゆるワークフローを保護できるソリューションです。

ドキュメント不正チェックの自動化

Resistant AI の Document Forensics の第一の目標は、デジタル ドキュメントを受理する、拒否する、追加審査のためにエスカレーションする、といった決定を迅速に行えるようにすることです。提出されたドキュメントは数秒以内に検証、分類、認定され、審査のプロセスが迅速化されます。PDF でも画像でも形式を問わず、シームレスかつ簡単なエクスペリエンスを確保します。

  • 品質: ドキュメントが読めるかどうかをチェックします。このステップでは、ドキュメントが光学式文字認識(OCR)で処理するのに十分な品質であること、カメラのフラッシュ、低い解像度、画像のぼかしなどによって不正行為が隠蔽されていないことを確認します。不承認となった原因を顧客にフィードバックすることで、新しいバージョンを提出するうえでの参考にできます。
  • 分類: ドキュメントの種類が正しいかどうかをチェックします。このステップにより、承認基準を満たしたドキュメントだけを受理することができます。たとえば、公共料金の請求書だけを探しているのであれば、身分証明書を取り込んで処理するべきではありません。
  • 検証: ドキュメントが信用できるかどうかをチェックします。このステップでは、ドキュメントに改ざんの兆候がないか 500 以上の方法でチェックします。個々の分析の後、メタデータ、色温度、シーンの構成などについて、提出されたすべてのドキュメントを比較し、ドキュメントの再利用、テンプレート ファーム、アカウント間での大規模な不正行為のパターンを見つけます。

これら 3 つのステップを組み合わせることで、拒否されるべき明らかな不正行為や、改ざんの兆候がなく Google Cloud の Document AI 抽出によって自動的に処理されるべきドキュメントに対して、人間の介入が無駄になることを防ぎます。審査のためにエスカレーションされたドキュメントは、ユーザー インターフェース(UI)に表示され、審査担当者は検証に関するすべての所見を確認できるため、意思決定に費やす時間を短縮できます。

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大手国際商業サービス プロバイダである Payoneer は、手作業によるドキュメントの不正審査を受け入れ件数のわずか 18% に減らし、顧客承認の担当者がそれらの審査に同意する確率が 99.2% に達しました。さらに、現在では、オンボーディング時に 1 日あたり数百件の連続的な不正攻撃を阻止しています。

英国の大手デジタル住宅ローン仲介業者である Habito は、既存の不正防止ソリューションと比較して 32% 多く不正行為を検出し、不正行為の調査にかかる時間を 1 件あたり 52 分短縮しました。

Resistant AI の Document Forensics と Google Cloud Document AI との連携

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Resistant AI の Document Forensics と Document AI を同じクラウド内で運用することで、Google Cloud のセキュリティとプライバシーの基準を最大限に活用して Resistant AI に適用でき、調達プロセスのスピードアップを図れます。

また、Document AI は、単にドキュメントからデータを抽出するだけでなく、Google ナレッジグラフで結果を拡充し、会社名、住所、電話番号、その他の詳細をインターネット上のエンティティと照合できます。

Google Cloud での Resistant AI の利用について詳しくは、こちらをご覧ください。また、Google Cloud Marketplace の掲載情報もご確認ください。

-ISV パートナー エンジニアリング マネージャー Alfredo Dos Santos

-Resistant AI、プロダクト マーケティング Joe Lemonnier 氏

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