クイック アクセス: Google Cloud の新しいホームページを支えるインテリジェンス
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 7 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
数週間前、Google は、シンプルさ、パフォーマンス、ナビゲーションを重視して再設計した Google Cloud の新しいホームページを発表しました。本日は、この新しく合理化されたホームページ エクスペリエンスを支える Active Assist の新機能、クイック アクセスについて、詳しくご紹介します。
クイック アクセスで導入されたインテリジェントなショートカットは、ホームページから目的のリンク先やタスクへの移動に要する平均時間を最大 43% 短縮します。これにより、Google Cloud 内で目的のページを検索したり、ブラウジングしたりする必要がなくなります。クイック アクセスは機械学習を使用して、Google Cloud コンソールのアクティビティと一般的なクラウド ワークフローを把握し、ユーザーが最も移動しそうなリンク先を予測します。リンク先は、パーソナライズを有効にしている Google Cloud ユーザー向けにパーソナライズされます。


機能の複雑さをひとつずつ減らす: Active Assist をコンソールに拡張
Active Assist は、データ、インテリジェンス、機械学習を使用してクラウド環境の管理オーバーヘッドの複雑さを軽減、最適化、自動化する、Google Cloud の AIOps ソリューションの一部です。この数年間、Google は、クラウドの複雑性のさまざまな側面に対するユーザーの取り組みを支援してきました。クラウド リソースの保護、ファイアウォールの構成、アイドル状態のリソースの管理、Cloud SQL の最適化、コストとパフォーマンスに対する BigQuery の最適化など、少し例を挙げただけでも、その取り組みは多岐にわたります。本日は、Active Assist を活用した Google Cloud 初のパーソナライズ機能である、クイック アクセスをご紹介します。


Google Cloud に関しては、複雑さを増し続ける要因となる傾向が 2 つ見られます。一般的な企業環境では開発の速度と複雑さが著しく増大しており、エンジニアリング組織は、相互接続している多数のプロジェクトやサブシステムで定期的に作業する必要があります。Google Cloud にも、多様な顧客ベースで必要とされる幅広いワークロードとユースケースを実現、サポートできるよう、多くの新しいプロダクトと機能が追加されました。Google Cloud の成長に伴い、Google Cloud コンソールには 100 種類近くのプロダクト ページと対応する数千のサブページから成るプラットフォームが構築されています。
その結果、Cloud ユーザーは Google Cloud コンソールでのページ移動に苦労しています。Google の調査によると、ユーザーの大半は目的のリンク先を探すのにかなりの時間を費やしながら、1 日に数ページしかアクセスしていません。クイック アクセスの目的は、最も関連性の高いリンク先をホームページに表示して、この課題を解決することです。
舞台裏: クイック アクセスの仕組み
大まかに言うと、クイック アクセスは、Google Cloud の使用状況に基づき、ユーザーが特定のページに移動する確率を計算する機械学習モデルを利用します。その目的は、ユーザーが次に移動したいと考えるページを予測することです。
インテリジェントな移動ショートカットという考え方は新しいものではありません。たとえば、Google ドライブチームは、2017 年に同様のコンセプトを導入しています。Google は現在、別のドメインである Cloud コンソールにこのコンセプトを適用しようとしています。Cloud コンソールには、「リンク先」に対する独自の定義(Google ドライブのファイルか Google Cloud プロダクト ページかなど)、制約、その他の課題(クイック アクセスの提案に一般的なクラウドの使用 / ワークフローのパターンを認識させるなど)があります。


全ユーザーのアクティビティの分析情報に基づいたクラウド ワークフローの例
ユーザーがパーソナライズを有効にしている場合、クイック アクセスは以下の Cloud コンソール使用データに基づき、インテリジェントな移動を推測して提案します。
最近アクセスした Google Cloud のページ
パーソナライズを有効にしている全ユーザーを対象とする、匿名化したワークフロー パターン
プライバシーとセキュリティを考慮して構築
他の Google プロダクトと同様に、プライバシーとセキュリティはクイック アクセス機能の設計に組み込まれています。基盤となる機械学習モデルのトレーニングに使われるデータには、個人を特定できる情報(PII)は一切含まれません。匿名化された Cloud コンソールの使用 / ワークフロー パターンのみに基づいたデータが使用されます。たとえば、ユーザーが Compute Engine の VM 作成ページにアクセスした後、ファイアウォール管理ページにアクセスしたという事実を登録する場合、VM 名やファイアウォール構成を削除してから登録します。
ユーザーは、Google と共有する内容を常に管理できます。Google Cloud のパーソナライズ、およびウェブとアプリのアクティビティの設定で組織に適した設定をオフに切り替えると、パーソナライズをいつでもオプトアウトできます。
パーソナライズをオプトアウトした場合でも、ホームページの一部としてクイック アクセスは表示されます。ただし、ML でパーソナライズされた提案ではなく、一連の単純なルールに基づいて表示されるため、ユーザー環境との関連性は低くなります。
今すぐ試して、ご意見をお聞かせください
Google では、小さなことの積み重ねが大切だと確信しています。クイックアクセスによって、Google Cloud での目的のリンク先へのアクセスにかかる時間がほぼ半分に短縮されることで、皆様の毎日の帰宅時間をほんの少しでも早めることができれば光栄です😊。この機能についてのご感想や、お探しの情報をお届けするためのその他の方法についてアイデアやご意見等ございましたら、active-assist-feedback@google.com までお気軽にご連絡ください。
- Active Assist プロダクト マネージャー Dima Melnyk
- Cloud コンソール プロダクト マネージャー Lillian Kravitz