Google Cloud Storage MCP サーバーを活用した AI エージェントと非構造化データの連携

Himanshu Kohli
Product Manager, Google Cloud
Manjul Sahay
Product Manager, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2026 年 6 月 3 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Google Cloud Storage(GCS)は、最新のエージェント技術スタックの基盤コンポーネントであり、大規模な非構造化データの保存先に適しています。企業がエージェントを本番環境にデプロイしていくのにともない、重要な関心事項は、データをコンテキストに変換し、そのコンテキストにアクセスするための安全かつ標準化されたインテグレーションの構築へと移っています。これがスマート ストレージの中核です。受動的なオブジェクトを推論のための豊富なコンテキストに変え、非構造化データを本質的にエージェント対応にします。複雑な財務ワークフローの自動化であれ、数秒で行うシステム障害の診断であれ、AI が成功するかどうかは、エージェントがこのインテリジェンスをどれだけシームレスに活用し、スマートで重要度の高い意思決定を行えるかにかかっています。
このブログ投稿では、お客様が GCS を使用して構築したエージェントの例を 3 つご紹介した後、Model Context Protocol(MCP)を使用してエージェントを GCS に安全かつ確実に接続する方法について解説します。自動アノテーションやオブジェクト コンテキストといったスマート ストレージ機能と組み合わせることで、GCS MCP サーバーはエージェントのデプロイ プロセス全体を簡単かつシンプルなものにします。
Google Cloud Storage でのエージェントの実際の成功事例
MCP と Google のエージェント技術スタックを活用してビジネス上の複雑な問題を解決しているお客様から、驚くべきイノベーションが次々と生まれています。
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Palo Alto Networks は、画面を認識する AI アシスタントの Strata Co-Pilot エージェントを構築しました。このエージェントは、手順をハイライト表示したり直接実行したりして、ネットワーク セキュリティ管理者が複雑な構成フローを進められるよう支援します。また、Gemini Live API を利用しており、GCS MCP サーバー経由で GCS に接続し、「履歴メモリ」として活用しています。
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Airwallex は、ユーザー コンテキストを理解し、質問に答え、ユーザーに代わってワークフローを実行する AI アシスタントを開発しました。たとえば、経費ポリシーのドキュメントをスマートに分析し、詳細な承認ワークフローを生成できます。これは、通常なら手作業で何時間もかかるタスクです。エージェントは、ドキュメントと抽出された情報を、それぞれ GCS と GCS メタデータを使用して保存します。

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Snap のジョブ最適化エージェントは、何千ものジョブの、GCS に保存された Flink と Spark のジョブ仕様、メタデータ、過去の指標を分析し、最適化の機会を特定して費用の見積もりを生成し、構成を調整します。このエージェントを使用することにより、Snap はすでに調査時間を 30 分から 30 秒に短縮しています。
上述 3 つのエージェントのすべてにおいて、GCS MCP サーバーはデータ操作を処理するだけでなく、標準の RBAC とアクセス ポリシーを適用しています。
MCP を使用してエージェントを GCS に接続
MCP は、エージェントをデータソースに接続するための標準規格として急速に普及してきましたが、多くの場合、カスタム サーバーをゼロから構築することは、業務の妨げとなる、時間のかかるプロセスとなり、イノベーションに集中できなくなります。この方法では、認証やエラー処理から GCS の進化する機能への対応まで、あらゆることを管理しなければならないため、開発のオーバーヘッドとリスクが大幅に増大します。この問題を解決するため、GCS は 2 つの強力な MCP サーバー オプション(リモートとローカル)を提供し、お客様が基盤部分をオフロードして価値の創出に集中できるようにします。
1. リモート MCP サーバー: フルマネージド エージェントを Cloud Storage MCP サーバーに接続するのに、インフラストラクチャをデプロイする必要は一切ありません。エージェント構成でマネージド エンドポイントを指定するだけで、GCS 上の非構造化データに即座にアクセスできるようになり、運用上のオーバーヘッドの負担なくエージェント ワークロードを簡単にスケールできます。
Cloud Storage MCP サーバーはオープンな MCP 標準に準拠しているため、ADK などの主要なエージェント フレームワークとシームレスに連携し、MCP クライアントとも適合します。設定でカスタム コネクタを追加することにより、Google Antigravity や Anthropic の Claude などのクライアントを簡単に接続できます。Cloud Storage MCP エンドポイントを指定するだけで、すぐに構築を開始できます。複雑な構成ファイルはいりません。


エージェントをストレージに接続するには、堅牢なセキュリティとガバナンスが必要です。GCS MCP サーバーは、Google Cloud の標準的な ID、オブザーバビリティ、セキュリティのフレームワークに基づいて構築されています。
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ID ファーストのセキュリティ: 認証はすべて、共有キーではなく、Identity and Access Management(IAM)を通じて処理されます。これにより、エージェントはユーザーが明示的に承認したデータ(バケットとオブジェクト)にのみアクセスできるようになります。
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完全なオブザーバビリティ: エージェントのアクティビティを追跡できるよう、これらの MCP サーバーを介して行われたリクエストとアクションはすべて Cloud Audit Logs に記録されます。これにより、セキュリティ チームはすべてのやり取りの記録を取得し、可視性を維持しながら簡単にアクセスできます。
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MCP セキュリティ - コンテンツ スキャン: 必要に応じて、Google のコンテンツ セキュリティ サービスである Google Cloud Model Armor を使用して MCP エンドポイントを構成できます。これにより、直接的および間接的なプロンプト インジェクション攻撃、MCP ツール ポイズニング攻撃、悪意のある URL / SQL インジェクションなど、一般的な MCP 攻撃ベクトルに対するセキュリティ対策を講じることができるほか、機密データの漏洩を防ぐことができます。
Cloud Storage MCP サーバーは、ほとんどの本番環境のユースケースに適しています。ただし、他のすべてのリモート サーバーと同様に、MCP ツールを完全にカスタマイズする機能は使用できません。
2. ローカル MCP サーバー: カスタマイズを管理できるセルフ マネージド リモート サーバーが標準的なデータアクセスを処理する一方、ローカル MCP はビジネス ロジックに固有のカスタムツールを構築する必要がある場合に適しています。たとえば、エージェントで特殊なデータ変換を実行する必要がある場合(GCS からファイルを読み取るたびに 個人情報(PII)を削除したり、別の内部システムからコンテキストを追加したりする場合など)、ローカル MCP サーバーを使用すると、そうした独自の機能を定義できます。
GCS ローカル MCP サーバーは、Google が管理するツールのオープンソース GitHub リポジトリであり、データへの信頼性の高いブリッジを提供します。以下に、カスタムツールを設計する際に留意すべきポイントをいくつかご紹介します。
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モデルによる誤った呼び出しを最小限に抑えるため、正確かつ明確な説明を提供する
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モデルが自身の間違いを理解して自己修正できるよう、モデルに適したエラー処理を実装する
GCS ローカル MCP は、データベース向け MCP ツールボックスの一部にもなっています。これは、GCS、BigQuery、AlloyDB、Spanner、Cloud SQL などの主要なデータサービス向けのコネクタなどを単一のオープンソース リポジトリにまとめたもので、データ エコシステムのモニタリングや管理を容易にします。このツールボックスは、ボイラープレート コードを削減して開発を簡素化し、OAuth2 と OIDC によってセキュリティを強化し、OpenTelemetry を統合してエンドツーエンドのオブザーバビリティを実現します。
使ってみる
Snap のような既存プロセスを最適化する場合でも、Airwallex のようなワークフローの作成を自動化する場合でも、非構造化データはエージェントにとって最大の資産の一つです。
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一般提供されている GCS リモート MCP サーバーについてご確認ください。
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カスタムツールの構築を今すぐ始めるには、GCS ローカル MCP の GitHub リポジトリをご確認ください。データベース向け MCP ツールボックスの一部として使用することも可能です。
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GCS データを活用したエージェントのユースケースについては、Google までお問い合わせください。
- Google Cloud、プロダクト マネージャー、Himanshu Kohli
- Google Cloud、プロダクト マネージャー、Manjul Sahay


