開発の裏側: Google Agent Skills の構築、テスト、スケーリング

Remigiusz Samborski
Lead Developer Relations Engineer
※この投稿は米国時間 2026 年 8 月 4 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
AI エージェントの性能は、与えられた指示とコンテキストの質に左右されます。Google Agent Skills を公開した際、Google の目標はシンプルでした。Google Cloud の専門知識を構造化されたオープンソースの指示として組み込むことで、AI コーディング エージェントを大幅にスマートかつ安全にし、精度を高めることでした。
今回は、Google Agent Skills 開発の裏側をご紹介します。これらのスキルの開発に直接携わっているチームメンバーとして、開発のきっかけ、規模を拡大しても品質を維持する方法、公開スキルと社内スキルのガバナンスをどう維持しているかについてお伝えします。
開発のきっかけ: Next '26 に向けた短期集中プロジェクト
Google Agent Skills プロジェクトは、何もないところから生まれたわけではありません。Google Cloud Next 2026 に向けて、短期間で集中的に作業する「総力的な取り組み」として始まりました。
デベロッパー アドボケイトとテクニカル ライターが主導する部門横断的なタスクフォースが、Google Cloud の専門知識を、エージェントが読み取り可能な構造化された指示にパッケージ化するという明確な目標を掲げて集結しました。
この取り組みは、Google Agent Skills 公開に関する公式投稿で発表されました。コミュニティからの最初の反応は私たちの期待を上回り、1 万 5,000 を超える GitHub スターを獲得しました。


スキルが AI エージェントを効果的にガイドできる(ハルシネーションを減らし、ベスト プラクティスを適用する)ことを、Google 内外の開発者やエンジニアリング チームが確認したのを受け、多くの人が参加を希望しました。その後まもなく、Google Cloud 以外のプロダクト チームからも要望が相次ぎ、Google 広告など、自らが担当するサービスのスキルを共有したいという声が上がりました。
課題: 品質を維持したうえでのスケーリング
人気が高まるにつれて、品質管理という大きな課題が生じます。
さまざまなチームがスキルを提供するようになると、一定の基準を維持することが困難になるからです。指示が曖昧、リンクが切れている、エッジケースが欠落しているなど、スキルの記述が不十分だと、エージェント エクスペリエンス全体が低下します。
各チームにスキルを公開してもらいながら、デベロッパー エクスペリエンスを維持するには、非常に高い基準を設定する必要がありました。
このプロセスは、それほど重要だったのです。明確な基準と自動化されたガバナンスがなければ、オープンソースのスキル リポジトリはすぐに収拾がつかなくなってしまいます。
では、品質を維持しながらスケールする方法について詳しく見ていきましょう。
エージェント スキルの構造
すべてのスキルは、多くの Google サービスでスキルの一貫性が保たれるように、標準化されたリポジトリ レイアウトに従います。


アーキテクチャ上のベスト プラクティス: リモート MCP ツールを優先する
スキルを設計する際の基本原則は、可能な限りリモートの Model Context Protocol(MCP)ツールを利用し、必要な場合にのみ CLI または API 呼び出しにフォールバックすることです。リモート MCP サーバーは、ツールだけでなく、組み込みの認証と IAM ガバナンスも提供するため、エージェント ワークロードに最適です。
一般公開に向けたエクスポート
Google は、まず社内でスキルを構築して評価し、スキルが適切に機能するかを検証します。一般公開の準備が整ったら、自動エクスポート ルールを使用してスキルを GitHub に公開します。これにより、内部アセット、所有権情報、評価用テスト スイートが削除されるため、公開リポジトリがクリーンに保たれます。
チェックイン時の自動チェック
スキルは、リポジトリに追加される前に、自動化された CI / CD パイプラインを通過する必要があります。
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linter: フロントマターのメタデータ、行数、ディレクトリ レイアウト、厳格な命名規則を検証します。
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リンク チェッカー: リンク チェッカー ツールを使用してすべての URL をテストし、統合前に 404 エラーやハルシネーション リンクを排除します。
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AI を活用したチェックリスト: 自動検証チェックを使用して、指示が規定の構造パターンとガードレールに従っていることを確認します。
継続的な評価(送信時および毎週)
ドキュメントや API が進化するように、LLM モデルやエージェント ハーネスも進化します。そのため、今日機能しているスキルであっても、基盤となる API、モデル、エージェント ハーネスが変更された場合、明日には正常に動作しなくなる可能性があります。
Google は、初期の品質基準を設定し、品質の低下を防ぐために継続的な評価を実施しています。
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提出時の評価: スキル作成者は、明示的な評価用プロンプト スイートとスコアリング ルーブリックを提供する必要があります。Google が公開する新しいスキルはすべて、まず社内で評価され、精度と効率性が確認されます。
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週次品質チェック: スキル ライブラリ全体に対して、スケジュール設定された評価ジョブを継続的に実行し、回帰を早期に検出します。
スキル作成者は、プロンプトと一連の期待値を含む評価テストケースを複数提供する必要があります。Google は、各評価スイートで、スキルを適用したエージェントと適用していないエージェントのパフォーマンスを比較します。
そして、次の 2 つの主な観点から評価します。
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精度 - 回答の品質とタスク完了率
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効率性 - 消費されたトークンの数と完了までの時間
さらに、統計的に有意な結果を得るために、さまざまなエージェント フレームワークに対して評価を複数回実行します。
最後に、2x2のマトリックスで、スキルによって精度と効率が測定可能なレベルで向上するかどうかを証明します。


スキルはスニペットではなくプロダクト
この取り組みから得られた重要な教訓は、スキルは一度作成すれば終わりのドキュメントではなく、常に進化し続ける、生きたプロダクトであるということです。
長期的な信頼性を確保するために、Google は厳格な所有権ルールを確立しました。
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リポジトリ メンテナーは、リポジトリの健全性、CI パイプライン、アーキテクチャ標準を管理します。
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スキルオーナーは、スキルを長期的に保守する責任を負います。たとえば、プロダクト API が変更された場合、スキルオーナーがスキルを更新します。評価の実施時に品質低下が見つかった場合も、同様に対応します。
作成者のサポート: ツールとエージェント ワークフロー
効果的な指示と評価スイートを作成するには練習が不可欠ですが、スキル作成者がすべてをゼロから作成する必要はありません。
作成者の皆様をサポートするために、Google がいくつかのツールとエージェント ワークフローを用意しているからです。
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社内スキル: 新しいスキルの構築や、堅牢な評価の作成を支援するために特別に設計されています。
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エージェント ツール: ADK で構築されたこのツールは、作成と自己批判を行うマルチエージェント ループを実行し、メイン リポジトリへの簡単なエクスポート パスを備えています。
これらのオーサリング ツールとエージェント ワークフローについては、今後の記事で詳しく説明します。
「DevRel Skills」による社内効率
Google Agent Skills は外部の開発者向けに公開スキルをホストしていますが、Google はこれと並行して、DevRel Skills という社内向けの取り組みも開始しました。
DevRel Skills は、社内チーム ワークフロー専用のエージェント スキルの構築に重点を置いています。コンテンツ変換、SEO 最適化、社内レポートなどの社内プロセスを専用スキルとして組み込むことで、チームが日々、より効果的かつ安定した品質で業務に取り組めるようサポートしています。
リンクとその他の資料
Google Agent Skills の利用を開始するには、以下をご覧ください。
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Google Agent Skills リポジトリ: github.com/google/skills
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パート 1: Introduction: What Are Google Cloud Agent Skills?(概要: Google Cloud Agent Skills とは)
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パート 2: Practical Guide: Intermediate Agent Skills in Action(実践的ガイド: 中級 Agent Skills の活用例)
次のステップ
この投稿が役に立った場合:
最後までお読みいただきありがとうございました。
- リード デベロッパーリレーションズ エンジニア、Remigiusz Samborski



