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顧客事例

loveholidays、会話型 AI でコンタクト センター エクスペリエンスを改善

2024年2月29日
Google Cloud Japan Team

Google Cloud Next '24

Watch the best of Google Cloud Next ’24.

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※この投稿は米国時間 2024 年 2 月 21 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

英国で急成長中のオンライン旅行代理店である当社、loveholidays は、旅行を販売するテクノロジー企業を自負しています。あらゆる業務が技術スタックによって支えられていますが、以前はテクノロジーの制限により、達成できることに限界がありました。毎年大きな販売ピークが 2 回(年末と夏季に)ありますが、この時期は以前のオンプレミス インフラストラクチャでは対応しきれず、予約を効率的に処理するのが困難でした。テクノロジーを最優先にして、Google Cloud に移行した結果、このようなピークにも効果的に対応できるスケーラビリティと弾力性を備えたサイトに生まれ変わり、閑散期から繁盛期までの 100 倍の需要増加にも、お客様に影響を及ぼすことなく対応できるようになりました。テクノロジーによって、制限なく目標を達成できるようになりました。

当社のコンタクト センターはまさにその好例です。loveholidays は急速に成長し続けており、昨年は 1 日あたり 1,000 件の問い合わせに対応していましたが、現在は最大 3,000 件に対応しています。このペースでのスケーリングは、カスタマー サービス エージェントの費用がかさむだけでなく、運用が複雑になって非常に困難になり、その量の問い合わせに対応できない場合のリスクが高まります。当社のお客様が購入するのは保証を含むパッケージ ツアーです。つまり、当社にはお客様をお世話する義務があります。フライトの欠航から自然災害まで、さまざまな懸念事項について問い合わせることができないと、当然ながらお客様は不安を感じるでしょう。

お客様からの問い合わせに仮想エージェントで対応

小さな投資で大きな成長が得られるように、能力を強化する適切なテクノロジーを選定することを重視して、当社は Google Cloud の AI プロダクト スイートに含まれる Contact Center AI(CCAI)を採用しました。CCAI で Dialogflow を使用して仮想アシスタント(VA)を作成し、人間のエージェントとの対話を必要とせずに問い合わせの一部を処理できるようにしました。これにより、費用削減だけでなく、カスタマー エクスペリエンスの向上も実現できました。当社が最初に VA を試したのはパンデミックの最中で、当時の主な問い合わせ理由は、キャンセルされた予約の払い戻しを受けることでした。VA によって問い合わせを処理しやすくなり、お客様への対応が迅速化されました。パンデミックが緩和され、旅行が再開されるにつれて、お客様からさまざまなお問い合わせが入るようになったため、より幅広い問い合わせに対応できるよう VA のインテントを拡張しました。

伝える内容だけでなく、どのように伝えるかが重要

導入から 1 年足らずで、カスタマー サービス トラフィック全体の 10% がこのソリューションで処理されるようになっていました。お客様は瞬時に VA に接続され、問い合わせは通常、会話フローの分岐 6 つ以内で処理され、チャットは 50 秒未満で終了します。この成功に力を得て、当社は仮想コンタクト センターへの投資を継続し、より高度な Dialogflow CX への移行を進めました。これにより、さまざまな分野にわたるお客様の問い合わせのコンテキストを VA で維持する一種の短期記憶など、会話型 AI にさらに複雑な機能を組み込むことができました。また、システムの監視と管理に役立つ、構築したすべてを表す視覚的なマップも利用できるようになりました。

同時に、VA が情報だけでなく安心感も提供できるよう、VA の言葉遣いや口調にも気を配っています。そのために、VA がお客様にお伝えする内容をすべて繰り返しテストしています。特定の問い合わせ内容に対する新しい回答を作成するたびに、その回答でお客様にうまく対応できているかどうかを確認します。最初のバージョンで満足するお客様は 5% 程度と想定しており、その後、コンバージョン率を高められるようこれらの回答に手を加えて、受け取る回答に満足するお客様の割合が 75% に達するまで言葉遣いや口調を絶えず調整していきます。完了したら次の一連の回答に移り、同様に磨きをかけていきます。こうした開発のおかげで、現在では VA が全トラフィックの 50% を処理しており、現在までに 300 万ポンドの費用削減を達成しています。

それぞれの問い合わせに適切なエージェントでお客様を安心させる

多くの問い合わせが VA で処理されるようになったおかげで、人間のエージェントは繊細さが求められる複雑なケースの解決により多くの時間をかけられるようになりました。ただし、その他すべての問い合わせに対しては、当社の VA が優れたサポートを提供していると確信しています。どのような問い合わせにもすばやく信頼のおける回答が返せるように、VA は膨大な量の情報でトレーニングされ、情報を保存できるだけでなく、常に高い精度を達成しています。このことは当社のデータで裏付けられており、顧客満足度スコアにおいて VA は一貫して高いパフォーマンスを示しています。

当社の音声 AI、Sandy の紹介

チャット VA の成功を受けて、当社は最近、電話で行われる問い合わせのごく一部を処理するために、Sandy という音声エージェントを開発しました。すべての通話に最初に Sandy が応答し、お客様の意図に従って通話をフィルタして適切にルーティングします。大半は人間のエージェントに渡されますが、登録時に間違ったメールアドレスを入力して予約にアクセスできないために電話してきたお客様への対応など、特定の通話フローはすでに完全に自動化されています。Sandy は、そうしたお客様に問題の解決に必要な情報を提供すると同時に、信頼できる会社の声となって不安を和らげる存在にもなっています。

深い顧客インサイトをもとにビジネス戦略を策定

一方で、Contact Center AI の導入で最も影響の大きかった成果はおそらく、CCAI Insights を使用して構築したデータ プロダクトでしょう。これにより、お客様が望んでいることや必要なことのすべてを詳細に把握できるようになりました。お客様の真意を理解するためのフォーカス グループ調査は、もう実施していません。代わりに、日々発生するお客様とのやり取り、チャット、音声すべてに関するデータを取得して分類しています。そしてこれらの分析情報を利用してビジネス戦略を策定し、リソースを投入する場所を決定しています。たとえば、特定の航空会社に関する情報が不足しているなど、多くのお客様が同じ問題に直面していることが判明した場合は、VA にコンテンツを追加して、関連するフライト情報をウェブサイトにより多く掲載するための API を構築することで問題を解決しています。現在では、何百万ポンドもの投資が、会話型 AI によるお客様とのやり取りから得られる分析情報に基づいて行われています。

音声とチャットの両方で VA の開発を続けて、ほぼすべての問い合わせに対応できるようになった時点で、コンタクト センターについての考え方が変化していることに気づきました。毎年のクリスマス時期の需要急増に対応できるかどうかを心配する必要はもうありません。代わりに考えているのは、個々のお客様の問い合わせにいかに迅速かつ効果的に対応できるかです。こうしてインフラストラクチャに関する懸念は一掃され、お客様やサービスのカスタマー エクスペリエンス改善に専念できるようになりました。当社のように急成長している会社にとって、それは大変喜ばしい変化です。

-loveholidays、ビジネス IT および会話型 AI 担当ディレクター Eugene Neale 氏

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