IKEA: クラウドを活用し、より手頃な価格でアクセスしやすく持続可能な未来を築く
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2020 年 10 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です
編集者注: 今回は、IKEA Retail(Ingka Group)の最高デジタル責任者である Barbara Martin Coppola 氏にお話を伺いました。同氏はクラウド技術が IKEA の COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対応にどのように役立ったか、また新しいコネクテッドなカスタマー エクスペリエンスの先に何があるかについて語ってくれました。
より良い住まいに、より快適な生活が生まれる
IKEA の役目は、大きな夢や大きなニーズをお持ちで予算が限られている多くの方々に、より快適な毎日を送っていただくことです。現在、自宅での生活は人の基本的なニーズを満たすためだけでなく、自宅オフィス、遠隔教育、多目的の娯楽や運動環境のためのスペースを作るうえで今まで以上に重要になっています。
人々は、金額に見合う価値を提供し、便利で簡単に利用できる製品やサービスを探しています。また、良い影響を与え、環境保護に貢献しているブランドや企業とのつながりを求める消費者が増えてきています。自宅での生活が今日ほど重要になったことはありません。IKEA は、すべての方にとってより手頃な価格でアクセスしやすく持続可能な未来を築いていく所存です。
今回のパンデミックが社会やコミュニティ全体に影響を及ぼしていることは言うまでもありません。こうした時期に、人々は買い物をして商品を届けてもらうさまざまな方法を探しています。オンライン ショッピングは新たな段階に達し、経験の豊富なオンライン買い物客による購入がこれまで以上に増え、新しい買い物客が初めてオンライン スペースにアクセスしています。ロックダウン中、IKEA の多くの店舗はお客様への対応をオンラインに限定し、e コマースの成長レベルを高め、デジタル変革を加速させました。通常なら数年、数か月かかることを数週間から数日で達成しました。
このような変動期にあって、適応戦略は私たちのビジネスにとって重要でした。現在の技術インフラストラクチャを変革し、閉鎖した店舗を納品センターに変え、非接触型の店舗受け取りサービスを利用可能にすると同時に、大量のウェブ トラフィックとオンライン注文を管理する能力を強化しました。Google Cloud と他の主要なサーバーレス技術を組み合わせることで、すばやく世界中のウェブや店舗でビジネスを拡大することができました。
IKEA では、テクノロジーを活用して従業員を支援することを最優先事項として重視しました。仕事のやり方を変え、IKEA のスタッフがオンラインで機器を借りて自宅オフィス環境を用意できるようにするためのソリューションを設計しました。データとデジタルツールを従業員に提供し、定型業務の自動化、複雑な問題を解決する高度なアルゴリズムの構築、店舗への最新テクノロジーの導入、追加のセルフサービス ツールの設計を実施しました。クラウド技術を通じて、従業員を支援するためにデータモデルをトレーニングし、より効率的なピッキング ルートを作成しました。これにより、カスタマー エクスペリエンスが向上しました。
この期間に、持続可能なビジネスに向けて投資を加速することにも取り組んでいます。6 億ユーロを企業、ソリューション、自社の事業に投資し、正味ゼロ炭素経済への移行を目指します。IKEA の目標は、その移行の一環としてデジタルツールを使用し、バリュー チェーン全体の循環を実現することです。優れたビジネスを営むことは、当社にとっても地球にとっても優れたビジネスであると確信しています。
将来に向けたお客様のニーズへの対応
私たちは成長を念頭に置き、お客様がいる場所でお客様とつながることができるよう、ビジネスに耳を傾け、学び、適応し続けます。IKEA の独自性を中心に据え、他では得られない経験を生み出したいと考えています。現在は、AI によるおすすめ表示、よりシンプルで優れたカスタマー サービスのためのチャットボット、写真のようにリアルな部屋で家具を描画する 3D 視覚化設計ツールを利用して、お客様のニーズをより適切に満たせるよう取り組んでいます。IKEA は家具製品で世界中のあらゆるお客様と誠実につながり、日々の家庭生活の思い出をお届けできることを示したいと考えています。
イノベーション、オムニチャネル機能の加速、ダイバーシティとインクルージョンなどについて詳しくは、Google Cloud の北欧担当マネージング ディレクターである Eva Fors 氏と私の気軽なディスカッションをご覧ください。
Ingka Group は最近、空間コンピューティング企業である Geomagical Labs を買収し、消費者のニーズをサポートする複合現実(現実 + 仮想)体験を開発しました。消費者は通常のスマートフォンを使用して、自分のスペースをすばやくキャプチャし、部屋に IKEA 製品を仮想的に設置してみてから購入できます。詳しくはこちら
IKEA ロゴおよび IKEA 文字商標は Inter IKEA Systems B.V. の登録商標です。
-IKEA Retail(Ingka Group)最高デジタル責任者 Barbara Martin Coppola