AI 時代に向けた次世代の FinOps

Sarah McMullin
Head of Cloud FinOps Product
Pravir Gupta
VP & GM, Google Cloud Business Platform
※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、次世代版 FinOps プロダクト スイートを発表いたしました。これにより、Google はお客様が運用効率を向上させ、費用をより詳しく把握し、Spend Caps で制御できるよう支援します。
新機能: 新しい FinOps Explainability エージェントを導入します。これは自律的に動作して、AI 関連のクラウド費用の要因を調査するように設計されたもので、商業的な監査可能性を提供する新しい FinOps ツールに追加されます。
また、Google Cloud で Spend Caps の限定公開プレビュー版の提供を開始しました。これにより、FinOps や DevOps の管理者は、予算を設定し、Google AI Studio(AIS)、Gemini Enterprise Agent Platform(Vertex AI の進化版)、Cloud Run、Cloud Run Functions、マップに対して、プロジェクト レベルで費用の上限を適用できます。この上限に達するとアラートが送信され、設定した予算に達すると最終的に API トラフィックは一時停止されます。
ビジネスにとってこれが重要である理由: これらの新しい FinOps ツールを使用することで、AI の費用を明確に把握し、Spend Caps で制御を強化して費用超過を防止し、AI イノベーションを効率的に拡大するために必要な商業的柔軟性を実現できます。Google の既存の FinOps ツールを使用しているお客様は、大きな成果を達成しています。昨年、Gemini Cloud Assist(GCA)for FinOps をリリースして以来、費用レポートの導入が 75% 急増し、それと同時にお客様が FinOps 費用分析に費やす時間は 18% 削減されています。
ご利用方法: FinOps ツールと同様に、FinOps Explainability Agent にはコンソールでこちらからアクセスできます。Spend Caps の限定公開プレビュー版にはこちらからお申し込みいただけます。
静的なレポートを不要に
大企業では一般的に多数の変数やサービスが実行されているため、クラウド費用のレポートは複雑になりがちです。理論上、AI の費用は数量(q)と価格(p)を乗算した結果にすぎません。数量には、API リクエスト トラフィック、エラーログ、変動するトークン数、クラウド ストレージなど、さまざまな変数が混ざり合っています。また、AI モデルタイプの違いやプロバイダによる頻繁な価格変更によって、価格はしばしば変動します。このため、FinOps や DevOps の管理者は、このデータを合成して効率化の機会を特定したり、タイムリーに措置を講じたりする必要が生じます。
Google Cloud Billing では、Gemini を使用して、ユーザーが AI 費用の要因を把握できるように自律的に支援する新しい FinOps Explainability エージェントを開発しました。AI プロジェクトの費用対効果を特定するには、その費用を明確に把握する必要がありますが、AI は既存のインフラストラクチャを利用することが多く、その費用は業務の一般費用に紛れ込んで曖昧になることがよくあります。
FinOps Explainability エージェントを使用することで、AI の費用要因を自動的に特定できるようになりました。これを利用して、「Gemini 1.5 Pro と Gemini 1.5 Flash にそれぞれどれだけ費用がかかっているか?」、「総費用を API キー別に分類して、どのインテグレーションに費用がかかっているか確認できるようにして」、「Gemini 3.0 Pro の費用を入力トークンと出力トークンに分けて表示して」といった質問にも回答できます。このようにして、ユーザーは、AI 費用増加の要因となっているサービスやプロジェクトをすばやく突き止めることができます。


FinOps Explainability エージェントで AI の費用、要因、傾向を分析
Spend Caps による自動化の利用
AI の導入と利用が急速に進むにつれ、従来のクラウド支出とは動作の異なるクラウド支出が増えてきました。AI は専用ハードウェア(TPU / GPU)を使用しており、そのハードウェア上で実行されている単一の制御不能になったトレーニング ジョブや最適化されていないモデルが、非常に短時間に予算を使い果たしてしまう可能性があります。また、ユーザーは絶えず試験を繰り返しています。従来の費用管理ツールは通常、管理者にアラートを送信するものの、予算の上限は適用しません。結果として、多くの企業では、複雑なカスタムの費用ガードレールを独自に構築せざるを得なくなっています。これは、お支払い方法の関連付け解除など、調整に時間がかかる可能性のある悪影響を及ぼす操作を通じて適用されます。
Google Cloud ではまもなく、Spend Caps をご利用いただけるようになります。これは Google Cloud の予算と連携するように設計されており、FinOps と DevOps では、AIS、Agent Platform、Cloud Run、Cloud Run Functions、マップに対して、プロジェクト レベルで費用の境界(上限)を自動的に適用する予算を設定できます。この上限に達するとアラートが送信され、設定した予算に達すると、最終的には API トラフィックが一時停止されますが、リソースはそのまま残ります。トラフィックを再開する必要がある場合は、Spend Caps を停止するだけです。
この新機能は、AI 研究開発の費用を抑えたいお客様に大きく貢献すると期待しています。限定公開プレビュー版に今すぐお申し込みください。


Spend Caps で費用超過を防止
実際の商用インセンティブの監査可能性。
Google Cloud は、成長のあらゆる段階でお客様を支援しており、費用を効率的にスケールするために必要な商業的柔軟性、スタートアップ プログラム、企業向けインセンティブを提供しています。ユーザーが商用契約と請求対象のサービスとの関連性をより明確に理解できるよう、Google の FinOps ツールは、商用上の義務のエンドツーエンドの監査可能性を提供するように設計されています。請求先アカウント階層を強化した限定公開プレビュー版のリリースにより、お客様はその他の対象サービス(OES)の費用を含む、複数の請求先アカウントにわたる集計費用を確認できるようになります。これに加えて、エンタープライズ契約内での Google Cloud コミットメント契約の相殺を可視化する、Google Cloud 契約コミットメント レポートの限定公開プレビュー版の提供も開始します。
FinOps の未来がここに。AI のために AI で構築。
FinOps Explainability エージェントで可視性を深め、Spend Caps で制御を強化し、契約コミットメント レポートで請求先アカウント階層を強化して究極の商業的柔軟性を実現することで、Google Cloud はお客様が自信を持って適格に AI イノベーションを拡大できるよう支援していきます。
- Cloud FinOps、プロダクト担当責任者、Sarah McMullin
- Google Cloud、ビジネス プラットフォーム担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー、Pravir Gupta

