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Anthos

オンプレミスのエッジ VM 管理を目的とした Anthos の拡張: 一般提供開始

2022年9月26日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 9 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

このたび、Anthos での仮想マシン(VM)サポートの一般提供を開始したことをお知らせいたします。VM サポートは、ベアメタル版 Anthos(現在の名称はGoogle Distributed Cloud Virtual)でご利用いただけます。データセンターまたはエッジで、Google Cloud に接続された単一の統合プラットフォーム上のコンテナと一緒に VM を実行していただけるようになりました。

Anthos での VM サポートによって、開発者と運用チームはクラウドネイティブな共有インフラストラクチャ上で VM をコンテナとともに実行できます。Anthos での VM サポートにより、Kubernetes スタイルの宣言型構成とポリシー適用、セルフサービスでのデプロイ、オブザーバビリティ、モニタリングを使用して、一貫したコンテナと VM のオペレーションを実現できます。これらはすべて、使い慣れた Google Cloud コンソール、API、コマンドライン インターフェースから操作できます。Anthos VM のランタイムは、あらゆる Anthos on bare metal クラスタ(v1.12 以降)で追加料金なしで有効にできます。

プレビュー期間中、小売業のエッジ環境に向けた Anthos での VM サポートに大きな関心が寄せられました。小売業のエッジ環境では、インフラストラクチャのフットプリントが小規模で、少数のホストで新しいコンテナアプリと従来の VM アプリを実行する必要があります。実際に、世界的なクイック サービス レストラン(QSR)では、既存の POS ソリューションにおける単一の VM を使用し、注文のシミュレーションを 1 時間あたり 1,700 件を超えるスループットで 10 時間行い、合計で 17,000 以上を処理しました。この VM は、店舗にあるものと同じハードウェア上で実行しています。

VM 管理のために Anthos を拡張する理由

多くのお客様は、コンテナや Kubernetes を使用して既存の(従来の)アプリケーションをモダナイズしています。しかし、現在のところ、エンタープライズ ワークロードはほとんどコンテナ化されておらず、何百万ものビジネス クリティカルなワークロードがいまだに VM で実行されています。多くの VM は Google Cloud の VM への移行や、GKE または Anthos 上のコンテナへの移行によってモダナイズできますが、すぐにできないものも含めて、モダナイズできない VM が数多く存在します。

ベンダー提供のアプリに依存しており、コンテナで実行するためのアップデートがまだ行われていないケース、他のローカルアプリまたはインフラストラクチャへの接続時のレイテンシを低く抑える必要があり VM をデータセンターやエッジ ロケーションに保持する必要があるケース、現時点でカスタムビルドのアプリをコンテナ化するための予算がないケースなどが考えられます。こうした VM をコンテナやクラウドアプリのモダナイゼーション戦略に組み込むには、どうすればよいでしょうか。

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Anthos で、VM とコンテナを対象とした一貫した可視性、構成、セキュリティが実現

VM とコンテナを同時に実行、管理する

Anthos での VM サポートの中心にあるのは、オープンソースの KubeVirt テクノロジーを拡張および強化する Anthos VM ランタイムです。インストールとアップデートを簡素化するために、Kubevirt と Anthos on bare metal を統合しています。コマンドライン、API、Google Cloud コンソールを使用して VM を管理するためのツールも提供しています。また、すぐに使用できるダッシュボードやアラートなど、VM のオブザーバビリティ ログと指標を Google Cloud のオペレーション スイートに統合しました。

Kubernetes Pod との互換性も備えた VM モビリティを実現するために、VM 用の複数ネットワーク インターフェースや IP / MAC セッション維持のサポートなど、ネットワークの大幅な機能強化も行っています(マルチ NIC)。また、VLAN 統合を追加するとともに、お客様が L4 Kubernetes ネットワーク ポリシーを適用して、オンプレミスでの VPC のようなマイクロ セグメンテーションを利用できるようにもしました。

VM の管理者としての経験があれば、これまでと同様の操作で、VM の高可用性と簡素化された Kubernetes のストレージ管理を活用して、新たな管理体験を得ることができます。VM のライフサイクル管理は Google Cloud コンソールに組み込まれており、既存の Anthos と Google Cloud の認証および認可フレームワークと統合された、よりシンプルなユーザー エクスペリエンスが用意されています。

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Anthos で稼働している VM を Google Cloud コンソールで表示および管理

新しい VM 評価ツールと移行ツールを使ってすぐに開始する

Anthos が VM ワークロードに適したものかどうどうかを判別するには、どうすればよいでしょうか。Google Cloud では、VM のモダナイゼーションにおけるあらゆる段階で役立つ評価ツールと移行ツールを用意しています。アップデートされた適合性評価ツールでは、既存の VMware VM に関するデータを収集して詳細なレポートが作成できます。このレポートの所有権はお客様にあり、費用もかかりません。Google Cloud コンソールにアップロードして、詳細に可視化されたビューと履歴ビューを利用できます。

このレポートによってすべての VM の適合性スコアがわかります。適合性スコアにより、VM をコンテナ化して Anthos または GKE にコンテナとして移行する場合、または VM として Anthos に移行する場合に必要となる作業量を見積もることができます。移行に最適な VM を特定したら、追加の費用負担なしでアップデートされた Migrate to Containers ツールを使用し、コマンドラインまたはコンソールから VM を Anthos に移行できます。

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VM として Anthos にシフト(移行)できる VM を示す適合性評価レポートのサンプル

ビジネス クリティカルな VM ワークロードや仮想化管理に投資することで、クラウドやコンテナアプリのモダナイゼーションの目標達成が遠ざかるような事態は避けるべきです。これからは、オンプレミスで管理するコンテナのプラットフォーム戦略に従来の VM を含めることができます。ぜひご連絡いただき、費用負担のない適合性評価についてご確認ください。お客さまの重要な VM を新たに活用するための支援をいたします。

Google Cloud によって Anthos にもたらされる優れたイノベーションの詳細については、Google Cloud Next ‘22 でご確認いただけます。日程をご確認いただき、ぜひご参加ください。

- Anthos プロダクト マネージャー Amr Abdelrazik
- アウトバウンド プロダクト マネージャー Dave Bartoletti

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