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顧客事例

BrabantZorg、Google Workspace と Adapta を活用して患者ケアを数か月で変革

2022年5月23日
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Google Cloud Japan Team

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※この投稿は米国時間 2022 年 5 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

オランダ南東部の医療機関 BrabantZorg は、高齢者や術後患者に医療サービスを提供しています。6 千人の従業員と 3,500 人のボランティアを擁し、高齢者向け住居や短期ケア施設で約 1 万人のクライアントと患者に対応しています。2020 年末、同組織がミッションの遂行を促進するためにインフラストラクチャとコラボレーション ツールを再評価したところ、今の Microsoft 365 環境では世界水準の高齢者ケアの提供が難しいことが明らかになりました。

たとえば、患者の電子医療記録(EHR)を開くプロセスに時間がかかりすぎる、Identity and Access Management(IAM)が単一認証に依存し、重要なデータが脆弱であるなどの問題がありました。また、適切なコラボレーション プロセスが欠如していたため、治療にあたっての重要な意思決定が各科レベルで滞っていました。BrabantZorg は、テクノロジーに対するアプローチの変革が必要であると確信しました。

Google Workspace をテストする

患者に最善の医療を提供するために、BrabantZorg はチームが患者の記録により迅速かつ安全にアクセスできるようにして、さらに、チームが自律的に操作できるようにテクニカル サポートを強化する必要がありました。つまり、Microsoft 365 に置き換わるクラウドネイティブの統合ソリューションを見つけることが必要ということです。要件としては、より迅速でアクセスしやすいウェブベースのコラボレーション、多要素認証(MFA)、さまざまな異種プロセスの効率化などがありました。

BrabantZorg は、Google パートナーの Adapta、およびコラボレーション ソリューションとして Google Workspace の採用を検討することなりました。Adapta は、BrabantZorg の従業員の 10% が参加する 6 か月の概念実証を行うことを提案しました。これには、医療従事者から事務アシスタントや経営幹部に至るまで、幅広いさまざまなチームを代表する参加者が含まれました。

試験運用の期間中、これまで使用していた ID アクセス管理ソリューションは Google の多要素認証に置き換えられ、Adapta のサポートにより、請求書発行、HR、電子医療記録のための新しいシステムに統合されました。試験運用の参加者には、Chrome Enterprise と Google Workspace を搭載した Chromebook が支給されました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)によって従業員の働き方が変わった際は、Adapta と BrabantZorg は e ラーニングや患者と医療従事者との対話に使用できるよう Google Meet を即座に統合して、試験運用を継続しました。

試験運用の成功を完全な移行につなげる

試験運用の終了までに、参加者は Google Workspace を利用して、効率化された統合プロセスを通じて、より多くの情報に基づく意思決定を行えるようになりました。医療記録にすばやくアクセスでき、Google Chat や Meet を介してリアルタイムで共同作業を行えるため、患者の治療結果の改善につながる重要な意思決定を調整しやすくなりました。

「90% 近くの従業員が、前のシステムに戻ることに反対しました。それを受けて、Google 環境を組織全体に実装することをとてもスムーズに決断することができました」と、BrabantZorg のサポートおよびアドバイス(ICT、ケータリング、施設)担当マネージャーである Arno Boudewijns 氏は言います。

この機を逃さず、BrabantZorg は次の主な目標を立てました。残りのチームを新しい環境に移行するという目標です。Adapta の CEO である Matthias van Alphen 氏は「試用期間中に、徹底したトレーニング、周到な統合、従業員の賛同、Google サービスが整えられたので、移行はわずか 5 か月で完了しました」と話します。

コストを削減しながらコラボレーションを促進する

移行後、BrabantZorg のスタッフからは、時間とコストの両方が削減されたことが報告されています。導入はスムーズでした。Chat や Meet といったほとんどトレーニングがいらないツールにより、コストのかかる遅延なしに、強化されたコラボレーションを活用でき、チームの生産性が向上しています。

このような生産性の向上は治療結果の向上にもつながっています。タブレットに代えて常時接続の Chromebook を使用することで、新しい治療プランの伝達にかかる時間が 9 分短縮され、スタッフが医療記録にアクセスするのにかかる時間が 28 秒から 11 秒に、60% も短縮されました。

新しい環境は、全体としてさらに多くのコスト削減を実現しています。Boudewijns 氏は次のように指摘します。「私たちにとっては、Google は、総じて Microsoft 環境より費用対効果に優れています。前の環境と比較して大幅なコスト削減を実現できました。全体でほぼ 50% のコストを削減できたのです」。

安全性を重視した設計アプローチを採用する

移行の一環として、Adapta は、BrabantZorg への強化されたセキュリティ プランの実装をサポートしました。これには、1 つのメールアドレス、1 つのパスワード、物理セキュリティ キーである Yubikey で構成される 2 段階認証プロセスが含まれます。シンプルなパスワードに代えて、「デジタル ID」、および SCIM(System for Cross-domain Identity Management)プロトコルと組み合わせたシングル サインオンが導入されました。

また、Google Workspace の安全性を重視した設計アプローチを採用して、更新を自動化し、従業員がブラウザからツールにアクセスできるようにしました。これにより、データにアクセスできるすべてのデバイスを、確実に IT のセキュリティ標準に準拠させることができます。

コラボレーションを変革して、患者の治療結果を向上する

BrabantZorg の移行プロジェクトは、医療機関が、割高な長期のオンサイト トレーニングやワークショップを行わずに、業務の中断を最小限に抑えながら、6 か月未満でクラウドに移行できたことを示しています。Chromebook や Google Workspace といった簡単に使用できるツールを導入し、Adapta のようなパートナーからのサポートを得て、BrabantZorg はコラボレーションを変革して、患者の治療結果と従業員の成果の向上につなげました。BrabantZorg は今後の需要を満たせるよう、新たなサービスレベルの実現に向けて chatbot や医療デバイスへの接続などの Google Cloud ソリューションを積極的に検討しています。


- Google Cloud、北ヨーロッパ フィールド マーケティング担当リーダー Bas Baars
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