共有ストレージの未来を切り拓く: Filestore の基盤に Colossus を導入
Jerome McFarland
Senior Product Manager
Itai Steiner
Engineering Manager
※この投稿は米国時間 2026 年 8 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
現代のエンタープライズ ストレージには、サポートするワークロードと同様の俊敏性、弾力性、そして高い応答性が求められています。Google Cloud のファーストパーティ サービスであり、安全でスケーラブルな NFS ファイル サービスである Filestore は、幅広いエンタープライズ ユースケースに加え、最先端の AI やエージェント ワークフローにも対応可能です。本日、その機能の大幅な強化として、Filestore に、Google の基盤となる分散ストレージ システムである Colossus 上に直接構築された、クラウドネイティブなバックエンド ストレージ レイヤが組み込まれたことをお知らせします。Colossus を活用することで、Filestore は柔軟性と拡張性をさらに高め、極めて要求の厳しい最新のワークロードにも対応できるようになります。
Colossus: グローバルなスケーラビリティを支える基盤
Filestore は Google 自社提供のファーストパーティ サービスとして、Google が誇るインフラレベルの革新的な技術を最大限に活用できる強みを持っています。Colossus を活用することで、Filestore は YouTube、Gmail、Gemini といった Google の主要なグローバル サービスを支えるインフラストラクチャの DNA を継承することになります。このプラットフォーム レベルのアップグレードにより、従来の VM ベースのアーキテクチャを上回る優れたスケーラビリティと運用効率が実現し、データの堅牢な基盤が構築されます。
これにより、Filestore はストレージ容量とパフォーマンスを分離できます。IOPS を個別にプロビジョニングできるため、容量を過剰に確保することなく、ワークロードの需要を正確に満たすことができます。小規模な開発環境から大規模なデータセットまで、幅広いワークロードをサポートします。
この分離されたスケーリングは、コンテナ化された環境に適用すると特に効果的です。Filestore CSI ドライバを介して、Filestore はエンタープライズ グレードの信頼性と可用性を備えた、GKE ワークロード向けの永続的な高性能ストレージを提供します。大規模な環境でのリソース使用率をさらに最適化するために、GKE 向け Filestore マルチシェアを使用すると、単一の Filestore インスタンスを 最小でわずか 10 GiB の小さな共有に分割できます。つまり、AI チームは GKE クラスタを効率的にスケールアウトし、大規模な高性能インスタンスをプロジェクト固有の小さな共有に分割して、パフォーマンスを犠牲にしたり TCO を増加させたりすることなく、数千の同時コンテナをサポートできます。
エージェント スウォームの共有ストレージ
パフォーマンスの分離と GKE との緊密な統合により、重要な新しいユースケースが実現します。それは、複数の専門的な自律型 AI エージェントが並行して連携し、複雑な目標を達成する「AI エージェント スウォーム」向けの高同時実行ワークスペースです。エージェント ワークフローでは、多くの場合、複数のエージェントが状態を維持しコンテキストを共有するために、共通のデータセットに対して同時に読み取りと書き込みを行う必要があります。Filestore のファイル共有は、NFS プロトコルを利用してスウォーム全体で一貫したファイル システム アクセスを提供することで、共通のワークスペースとして機能します。
Colossus を基盤とする Filestore は、数百万のエージェントをサポートし、独立した作業や共有データを使用した安全な共同作業を可能にします。Filestore は NFS ファイルロックを利用して、厳格なデータ整合性を確保し、スウォームのサイズと複雑さが増しても競合を防ぎます。これにより、AI エージェントは環境の全体像を維持できるため、より複雑な推論とコラボレーションが可能になります。
運用のアジリティとエンタープライズ グレードの制御
この機能強化により、パフォーマンスだけでなく、運用のアジリティも向上します。カスタム パフォーマンス設定を使用して IOPS を個別にスケーリングできるようになったため、クラスタを再構築することなく、リアルタイムで費用を最適化できます。さらに、分散ストレージ レイヤにより、従来のモノリシックなストレージ アーキテクチャと比較して、障害復旧が高速化され、ダウンタイムなしで容量を変更できます。また、Filestore は、Google Cloud IAM、NFS ユーザー ID とグループ ID(UID / GID)、IP アクセス制御リスト(ACL)との緊密な統合により、大規模なセキュリティも提供します。
次世代を見据えたデータ基盤
この Filestore のアップデートは、AI 時代のワークフローの進化するニーズに応えるという Google のコミットメントを反映しており、今後の機能強化の基盤となります。Google は、お客様のニーズに合わせて進化する、緊密に統合されたファーストパーティ サービスを提供することで、お客様がビジネスの可能性を柔軟かつ費用対効果の高い方法で最大限に引き出せるよう支援していきます。Filestore ページにアクセスして、今すぐご利用ください。
- シニア プロダクト マネージャー、Jerome McFarland
- エンジニアリング マネージャー、Itai Steiner


