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Google Cloud での SAP

Google Cloud 上の SAP BTP が発表する 5 つの新機能

2022年5月16日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

SAP と Google Cloud のパートナーシップの意義は、できることを増やし、イノベーションを実現することにあります。2021 年に SAP® Business Technology Platform(SAP BTP)が Google Cloud 上で利用可能になって以来、SAP のお客様はより多くのことが実現できるようになっています。SAP BTP では、インテリジェントなエンタープライズ アプリケーションのデータベースでの、データ管理、分析、インテグレーション、拡張を可能にし、SAP やサードパーティ アプリケーション用に事前構築された数百の統合を含む、クラウド環境およびハイブリッド環境の両方を 1 つのプラットフォームで処理しています。これにより、スマートなインテグレーションと優れたコラボレーションに役立つ新たな方法でのアプリケーションへの接続とデータの結合が可能となり、迅速に答えを見つけ、素早くビジネスの問題を解決できるようになります。

ここで、より優れたビジネスの管理を目指して Google Cloud 上で SAP BTP を活用中のお客様による 5 つのユースケースを紹介します。

1. SAP と SAP 以外のソリューションのデータの組み合わせからタイムリーな分析情報を提供ある北米の小売店は、統合 SAP ソフトウェアと Google Cloud アーキテクチャをデプロイし、お客様のフィードバックに基づいた優れた分析情報をセールスチームに提供しています。また、この会社では、在庫状況に応じた売り出し商品の配置により、需要と供給に沿った細かな調整を実現しました。

このような統合アーキテクチャは、SAP Analytics Cloud や SAP Data Warehouse Cloud のソリューションといったクラウドネイティブのソリューションを含む一方で、ネイティブの AI / ML 機能やペタバイト規模の BigQuery も活用しています。

2. SAP ERP の相関性でより優れた費用対効果のマーケティングを実現多くの小売業や日用品取り扱い企業は、広告の配置や管理に際して、Google マーケティング プラットフォームを熱心に活用しています。そうしたお客様は今では SAP BTP を活用し、ERP サプライ チェーンと財務データ、そして Google マーケティング プラットフォームで実行したマーケティング投資との間の直接的な相関関係を導き出しています。たとえば、以下のような費用に関する質問に、豊富な文脈の回答を迅速に提供することで、より費用対効果に優れた運用が可能となります。マーケティング費用はどこで管理すべきか?広告枠とマージンに応じたキャンペーンのターゲティングをどのように行うべきか?キャンペーン、場所、Google マーケティング プラットフォームからのユーザー属性のデータに基づいてサプライ チェーンへの投資を集中させるには、どうするべきか?

3. コンテナ化されたアプリでコアシステムのイノベーションを加速SAP BTP の拡張性と API サービスにより、お客様は Google Kubernetes Engine(GKE)の使用が可能となり、カスタム アプリケーションをより迅速かつ効率的に開発し、管理できます。SAP BTP により、SAP ERP の中核で直接的に読み取り / 書き込みを行う機能が利用可能となりました。また、GKE では従来型の環境に代わってコンテナが使用できる環境とツールをデベロッパーに提供しています。これにより、容量の使用率の改善、エンタープライズ クラスのスケーラビリティ、コアシステム内での新機能の迅速なデプロイ、高速で中断少なめなアプリケーションのメンテナンス、アプリ開発サイクルの開始後ではなく開始前にセキュリティ保護を「組み込む」機能が実現しています。

4. Google 検索と SAP Work Zone でオペレーションを簡略化SAP BTP により実現した Google 検索が組み込まれた SAP Work Zone では、日常業務の簡略化が可能です。  SAP Work Zone では、中核となるビジネス システムへの一元化されたアクセスによって、パーソナライズされ、統合された従業員のエクスペリエンスを提供します。毎日使用する重要なビジネスデータがこのシステム内にあることで、必要な資料をピンポイントで素早く簡単に見つけられるようになり、処理手順の途中で待たされることも、不正確または未完成なデータを使用することも、冗長な作業を行うこともなくなります。

5. Google サービスと API で SAP のプロセス自動化を促進このソリューションは、忙しい IT チームのサポートを最小限に抑えながら、ビジネス プロセスの導入、改善、変革を支援します。

SAP のプロセス自動化ソリューションでは、コード不要のインターフェースの取り組みとして、ワークフローの管理、ロボティック プロセス オートメーション、AI サービスの機能が備えられています。それにより、主要なプロセス所有者全体、さらには SAP と SAP 以外のアプリケーション間で、誰でも自動化されたワークフローを構築できます。SAP BTP の一環として、SAP のプロセス自動化は多様な SAP ソフトウェア システムを Google ソリューションと統合し、ビジネス プロセスを簡略化します。たとえば、SAP Fiori アプリでは SAP のプロセス自動化のタスク自動化サービスを使用して、Google Document AI の活用、デジタル ドキュメントからの重要な情報の収集、SAP への結果の自動投稿を実現しています。これにより、手作業による繰り返しのタスクが縮小され、エラーの減少やデータ整合性の向上にもつながっています。

ここで紹介したのは、SAP と Google Cloud のパートナーシップによって SAP BTP のお客様が得られるメリットのうちのほんの 5 つです。Google Cloud 上での SAP とのパートナーシップについて、詳細をご確認ください。また、フロリダ州オーランドで開催される SAP Sapphire へのご参加もお待ちしています。

- Google Cloud、SAP 戦略およびアーキテクチャ担当パートナー マネージャー Michael Harding
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