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Google Cloud での SAP

Rossi Residencial、業務への影響ゼロで SAP をクラウドに移行

2021年8月31日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 8 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Rossi Residencial は、ブラジル最大級の建設会社かつ不動産デベロッパーであり、住宅と商業施設の顧客数は 115,000 件を超えています。Rossi Residencial は 1999 年以来、財務業務のために SAP のマネージド デプロイをうまく活用してきました。最初はオンプレミスで、その後はプライベート クラウドのプロバイダを利用していました。しかし、2017 年、Rossi は営業効率の向上に焦点を当てた戦略的な財務再建を開始しました。ビジネスのビジョンを実現するために、Rossi は、成長だけでなく、年々大きく変化する需要に応じて SAP リソースを柔軟に増減させる必要がありました。そのためには、SAP 環境をパブリック クラウドに移行するのがベストだと判断しました。

Rossi が最初に選んだクラウド プロバイダは、米ドルがブラジルレアルに対して上昇したため、非常にコストが高くなってしまいました。さらに、Rossi のチームは、このプロバイダのサービスに満足していませんでした。そこで、高可用性とスケーラビリティを備えたクラウド・プロバイダと、以前利用していたクラウド プロバイダに精通した導入パートナーを探すことにしました。

検討の結果、Rossi はプロバイダとして Google Cloud、実装パートナーとして Sky.One を選択しました。Rossi Residencial の IT マネージャーである Eduardo Araújo 氏は次のように述べています。「調査したクラウドの選択肢のうち、最高の価格条件と、本当に当社に合ったソリューションを提示していたのが Google Cloud でした。また、打診した多くのパートナーのうち、最も優れた作業計画とサービスを提示してくれたのが Sky.One でした。」

Google Cloud への移行に成功

元々のクラウド プロバイダとの契約が終了に近づいていたため、移行の期間が短くなってしまいました。時間の制約がある中で、Sky.One と Rossi は、すべてのアプリを Google Cloud に一から移行するのではなく、4 台のSAP 環境サーバーから直接 Google Cloud へ仮想マシンを移行することで、アーキテクチャを完全にミラーリングすることが最善の方法であると判断しました。オペレーションを完了するために、Sky.One は Google Migrate for Compute Engine を使用しました。このツールは、リスクを軽減しながらこのタイプの移行を促進、合理化するために設計されたツールです。

Sky.One は Rossi のチームと緊密に連携しながら、ソース構造を詳細にマッピングし、SAP 環境をサポートするために必要な統合とアクセスを目的地に用意しました。目的地には ECC と DEV、QAS、PRD、Legacy 用の 4 つの VM インスタンスが含まれます。このプロセスはわずか 1 か月で完了し、オペレーションへの影響はありませんでした。これは Rossi が過去に 3 回行ったクラウド移行では達成できなかったことでした。その経験があったため、Google Cloud と SAP の連携のしやすさは嬉しい驚きでした。Araújo 氏はこう言っています。「互換性がない可能性を懸念していましたし、これまでどおり仕事ができるのかもわかりませんでした。Sky.One は、クラウドの移行を安全に、かつ業務に影響を与えずに行うための努力を惜しみませんでした。そして現在、当社は以前よりもさらに良い仕事ができるようになっています。」これに付け加えて、Sky.One のソリューション エキスパートである Ricardo Nunes 氏は次のように述べています。「Google Cloud のソリューションはすべての SAP 移行ステップをサポートしていますが、移行後は日常業務がさらに緊密に統合されていることに気づきました。」              

現在、Rossi の SAP 環境は、Google Cloud の VM を作成、実行するためのサービスである Compute Engine で稼働しています。Rossi の SAP データは、Google Cloud Storage に保存されています。その結果、同社の柔軟性は格段に向上し、VM のサイズを変更しても可用性とパフォーマンスを維持できるようになっています。Araújo 氏は「新しい支店の開設やプロジェクトの立ち上げが必要になっても、システムのコア部分はすべてクラウド上にあるので、ローカルのインフラストラクチャを気にする必要はありません」とも述べています。「Google Cloud を利用することで、必要に応じてリソースを増減できる柔軟性が生まれました。また、現地のデータセンターやその更新を気にする必要がないので、中長期的に非常に重要な節約になります。」

また、別の面でもさらに劇的な節約効果が生じました。Google Cloud はドルの固定為替レートで現地通貨で請求されるため、以前のプロバイダと比較して 50% のコスト削減が実現しました。

さらなるオペレーション向上のための新たな計画

Google Cloud への移行が完了したことで、Rossi の IT チームは運用上の問題ではなく、ビジネスニーズに集中する時間が増えました。Araújo 氏は、同社の膨大なデータを最大限に活用し、オペレーションやカスタマー サービスをさらに向上させるために、データ分析や AI を含む追加の Google Cloud ツールの活用を検討することができるようになったと述べています。SAP 環境を Google Cloud に移行したことで、Rossi はコストを削減しつつサービスも向上できましたが、それだけではありません。将来の効率性とカスタマー エクスペリエンスを構築するための、柔軟でスケーラブルなプラットフォームも手に入れました。

詳しくは、Rossi Residencial の SAP の Google Cloud への移行をご覧ください。また、他の SAP のお客様の体験談もご確認ください。

-Google Cloud SAP 担当マネージング ディレクター Snehanshu Shah

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