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Google Cloud での SAP

Cementos Pacasmayo、Google Cloud Cortex Framework を活用してイノベーションの堅牢な基盤を構築

2023年8月18日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Cementos Pacasmayo は、ペルー北部にある建設資材の大手メーカーで、「理想の未来をともに創る」を企業理念としています。

同社は、3,500 を超えるホームセンターや独立小売業者の流通ネットワークを通してサービスを提供しています。近年はビジネスモデルをお客様中心のものに変革する取り組みを続けており、高品質のセメントを提供することに加え、より環境に優しい未来をサポートするために、専門性が高く、環境効率の良い建設資材でポートフォリオを拡大しました。

2050 年までにカーボン ニュートラルを達成する取り組みにおいて、Cementos Pacasmayo は Peru Cement Roadmap 2030(2030 年ペルーセメント ロードマップ)の署名企業であるとともに、Inter-American Cement Federation(FICEM、米州セメント生産者協会)および Association of Cement Producers of Peru(ASOCEM、ペルーセメント生産者協会)の会員としても名を連ねています。

同社は 10 年連続でサステナブルな経営が表彰されており、2022 年のダウ ジョーンズ MILA においては唯一のペルーのセメント メーカーです。

また、S&P Global が発行する「The Sustainability Yearbook」に 2 年連続で選出されました。このイヤーブックには、SAM が毎年実施している企業サステナビリティ評価(CSA)で高い評価を受けた企業のみが掲載されます。

セメント業界の透明性を向上

Cementos Pacasmayo は以前より SAP ERP を使用しており、SAP システムと、レガシー データ ウェアハウスを含めたその他のアプリケーションとの間の通信向けに開発したリモート関数呼び出し(RFC)の数は 50 を超えます。これには、SAP の ABAP プログラミング言語のエキスパートを外部から雇用する必要があり、費用がかかるうえ、データ分析の速度を低下させていました。さらに、RFC の構築で情報源として機能するデータベース テーブルを正確に示す透明性が欠如していたため、これらの RFC は「ブラック ボックス」となっていました。

また、簡単に使用できるビジネス分析ツールがなかったため、管理者は頻繁に SAP データをスプレッドシートで確認しなくてはならず、これには多くの時間と労力が必要で、データ セキュリティの問題につながる可能性や数式や計算でエラーが生じる可能性がありました。他にも、重要なデータは 24 時間おきにのみ更新されるため、製品の在庫に関する情報を適時に取得できないことが、建設資材に関連する売上の妨げになることもありました。

このような状況で Cementos Pacasmayo はBigQuery を使用してデータレイクを構築し、SAP やその他のソースからのデータへのアクセスを改善してデータを活用するとともに、すべての事業部門での意思決定を向上させました。また、SAP S/4 HANA プラットフォームを Google Cloud 上の RISE with SAP に移行しました。

さらに、Google Cloud Cortex Framework を導入することで、事前定義済みの BigQuery データ モデリングを使用して SAP からのデータを迅速かつ容易に分析できるようになりました。

コンクリートの凝結より迅速

Cementos Pacasmayo は、ベーステーブルの保存、複製テーブルの作成、新しいテーブルの合成を行うプロセスに複合ソリューションを使用しています。同社のチームは、データ処理パイプラインを Cloud Composer で調整して、データレイクに 5 秒ごとに加えられる更新を未加工レイヤに同期しています。

「主要な統合パートナーとともに Google Cloud Cortex Framework を使用することで、当社のスタッフは特定の日付のデータがどのようなものであったかをその場ですぐに簡単に表示できます。このようなニーズはビジネスではきわめて頻繁に生じます」と、Cementos Pacasmayo のデータ アーキテクト リーダー Abrahan Puelles Taboada 氏は述べています。

Cortex Framework からデータ モデリング担当者に提供されるビューが簡素化されているうえ、同社のスタッフのほとんどがスペイン語を話すため、すべてのフィールドの名前が英語やドイツ語ではなくスペイン語で表示されることは大いに役立っています。データを Looker に接続して分析と可視化を行う際も、テーブルはスペイン語です。

「表示される情報が共同で作業を行う全員が理解できる言語になっているため、データ モデリング担当者は多くの時間を節約できます」と、Cementos Pacasmayo のデータおよび分析担当チームリーダー Miguel Loayza 氏は語ります。「Cortex Framework によりデータアクセスが簡単になり、言語におけるメリットの相乗効果で、モデリング担当者は最大 60% 速く分析結果を解釈できるようになりました。」

また、Cementos Pacasmayo のデータおよび分析担当テクニカル チームリーダー Franz Zárate 氏は、同社の関係者から肯定的なフィードバックを受け取っています。「以前はビジネス分析データを生成するために、3 人が 8 時間作業しなければなりませんでした。今は、ビジネス ユーザーがコンピュータ サイエンティストやデータ アナリストの作業を待つ必要がなくなりました。自動化と、一元管理の充実した情報のおかげで、有益な分析情報を自主的にすぐに取得できます」と、Zárate 氏は述べています。

このソリューションは費用対効果も優れています。Loayza 氏は次のように続けます。「ソリューションの費用と、ABAP 専門の開発者を雇用する必要をなくすことで節約できた金額を考慮して計算したところ、直接費合計において約 66% 削減できており、ビジネス上の大きなメリットを生み出しています。」

進行中のイノベーション

Cementos Pacasmayo は、Google Cloud Cortex Framework を通して、Vertex AI を使用する ML コードサンプルを利用できることから、Vertex AI と Looker を使用する生成 AI ベースの仮想アシスタントのパイロットを実施して、ビジネス ユーザーによる AI 利用の拡大を図っています。

あるパイロット プロジェクトでは、発送された製品の量の分析とトラックの現在地の追跡を行い、配達が時間どおりに行われているかどうかやルートが効率的かどうかを調査します。このイニシアチブによって顧客満足度と配達の確実性が向上することが期待されています。

チームは、SAP データから生成される 110 の指標を次の運用プロジェクトに活用することも計画しています。Cementos Pacasmayo は、本番環境領域から IoT センサーデータを BigQuery に統合しています。このアプローチを通して、製造プロセスを最適化し、製品の水分レベルの変化や、添加剤の性能の変動といった要素をより適切に調整するモデルを開発することができます。

「Google Cloud 上に Cortex Framework、SAP、Vertex AI を使用して構築したエコシステムにより、すべての部門の関係者に、データに対する迅速かつ広範で詳細な可視性を提供できます。これにより、精度が向上したデータに基づいた戦略により、製品の品質、運用効率、顧客満足度を改善できます」と、Puelles Taboada 氏は結論づけています。

Google Cloud Cortex Framework でビジネス価値を高める方法の詳細をご覧ください。


- Google Cloud、カスタマー ソリューション インテリジェンス ソリューション エンジニア Geoffrey Hirschheim
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