Google Cloud での SAP

A2A が、Google Cloud 上で SAP を実行することで、お客様と地球環境を最優先に

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※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2,500 万人以上の顧客を抱えるイタリアの公益企業である A2A は、電気、ガス、浄水、ゴミ回収サービスを供給することに尽力しています。さらに最近、同社はもうひとつの重要なコミットメントを行いました。国連の 2030 アジェンダの持続可能な開発目標の一部である「循環型経済」の原則を事業に取り入れること、そして 2030 年までに顧客数を倍増させることです。急速かつ持続的な成長のためには、スマート メーターの活用から正確な需要予測まで、組織のあらゆるレベルでできる限り効率的に運用する必要があります。A2A が、SAP S/4HANA ERP と SAP BW/4HANA データ ウェアハウスを Google Cloud 上でデプロイすることを選択した理由はここにあります。

イノベーションへの足かせ

循環型経済とは、原材料から製造し、使用し、廃棄するという直線的な消費モデルではなく、安易に廃棄せず、修理し、リサイクルし、そこからまた素材を生み出すということに重点を置いた反復サイクルと言えます。A2A の成功事例をご紹介します。A2A は、回収した廃棄物のうち、99.7% を埋立以外の方法で処理しています。1 国連の掲げるサステナビリティの目標のうち、A2A は自身の業界に関連する主要な次の 3 つを達成するべく努力しています。

  • すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

  • 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

  • 陸上生態系を保護、回復し、その持続可能な利用を促進する

A2A のサステナビリティとお客様最優先の戦略の実現には、高いスケーラビリティ、迅速なデータ取り込み、そして豊富で正確な分析が不可欠です。これらはどれも、会社のオンプレミスのレガシー SAP やデータ ウェアハウスでは、確実に対応することはできませんでした。特に、A2A の成長予測やデータ環境の複雑化(IoT のデプロイやエネルギー市場の自由化など)を考慮すると尚更難しいものでした。

データ インフラストラクチャのプロビジョニングもまた、時間がかかり複雑です。新しい指標を追加するだけで、桁違いの容量アップが必要になることもあります。また、分析データと取引データが分断されていたため、営業チームとカスタマー サポート チームには、それぞれのお客様について断片的で古い情報が表示されていました。A2A の断片的なデータでは、優先順位やプロセスを変更してデータソース間で焦点を移す場合に、プロアクティブな行動を取ることも困難でした。

データ ウェアハウスは 24 時間に 1 度しか更新されないので、お客様が請求書の支払いを忘れていて停電したというような連絡への対応などの、単純な作業が煩雑になっていました。

スケーラビリティも悩みの種です。オンプレミスのソリューションでは、A2A は 2 年分のデータ ウェアハウスの予算を決める必要がありました。しかし、イタリア全土で新しい電力メーター(10 分ごとにデータが送信される)が展開されたため、こうしたデータ要件を予測することは困難でした。

クラウドへの移行: モノリスからマイクロサービスへ

この移行は、A2A がデータドリブンでお客様中心の戦略を実現するための、大きな一歩と言えます。社の SAP システムを Google Cloud にデプロイすることで、A2A は非常に柔軟性のあるハイブリッド環境とパワフルなデータ管理および分析を活用することができるようになりました。Salesforce、SAP、その他のシステムからのデータを BigQuery に複製し、Google Cloud SQL でデータレイクとして運用します。これにより、Google AnalyticsGoogle Ads に直接接続して、データドリブンなカスタマー サービス、意思決定、マーケティングを実現できます。

「BigQuery から、関連する情報を必要な人に直接提供することができます。当社のカスタマー オペレーターは Salesforce を利用しているので、同プラットフォームで OData プロトコルを使用して、リアルタイムのデータを埋め込むことができます。他でも、ダッシュボードや、1 ページのレポートを提供する BI コンポーネントで情報を提供しています。」— A2A B2C B2B マーケティングおよびセールス CRM 責任者、Vito Martino 氏

また、Google Cloud で SAP を実行することで、A2A が提供するインフラストラクチャ プラットフォームも利用できます。

  • スケーラビリティ。Google Cloud 上の堅牢なデータ アーキテクチャは、速度や可用性を犠牲にすることなく、需要の変化や増加に適応します。スマート メーターの展開が進んでも、A2A はプロビジョニングの過不足を心配しなくてもよいのです。

  • 速度。新しい A2A データ ソリューションは、24 時間ではなく 5 分ごとに更新されるため、お客様をお待たせすることなくニーズに対応できます。Salesforce で作業するカスタマー オペレーターは、Google BigQuery からのリアルタイム データを受け取るので、お客様から電話がかかってきた場合でも、瞬時に正確な情報を確認することができるようになりました。エネルギー消費量からどの通信手段がよいかまで、お客様のニーズに合わせた付加価値サービスや持続可能なオプションを提供できます。

  • 可用性。Google Kubernetes Engine でオーケストレートされたマイクロサービスにより、チームは継続的インテグレーションとデリバリー(CI / CD)を通じてソリューションを更新できます。これにより、変更が必要な場合のダウンタイムが不要になります.

  • セキュリティと管理。A2A の IT チームは、Google Kubernetes Engine を使用して、Google Cloud Load Balancing と Google Cloud Persistent Disk 上のバックアップにより、Google Compute Engine 上のインスタンスのクラスタをオーケストレートしています。Google Cloud Anthos は、オンプレミスとクラウド プラットフォーム間のオペレーションの整合性を確保します。

持続可能な成長に向けて

A2A は、業界で最もクリーンなクラウドである Google Cloud に移行することで、サステナビリティの野心的な目標を達成するために必要な効率性を確保しつつ、急速に発展する準備ができています。「持続可能なユーティリティを市場に投入するためには、お客様への対応、および社内ニーズへの対応の両方が必要です」と、A2A の IT ガバナンスおよび戦略責任者の Davide Rizzo 氏は説明します。「お客様が具体的に何を必要としているかを理解することは、サービスの向上だけでなく、環境への影響を減らしていくことにもつながるのです。」

Google Cloud がスケーラビリティ、速度、高度な分析機能によって組織の SAP ソリューションを変革する方法について詳しくは、こちらをご覧ください


1.  循環型経済: A2A の 2030 年サステナビリティ方針における 4 つの基柱の 1 つ | Drupal


- Google Cloud SAP 担当マネージング ディレクター Snehanshu Shah