Uber がクラウド移行を妨げることなくネットワークの信頼性を向上させた方法

Jean He
Distinguished Engineer, Uber
Gopinath Balakrishnan
Principal Architect, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2026 年 8 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Uber には、サービスを展開している都市との共通点が数多くあります。どちらも常に変化と成長を続けており、混雑や無秩序な拡大を防ぐために、それに伴うトラフィックを慎重に管理する必要があります。
Uber は、拡大するネットワークを管理するために技術戦略を絶えず進化させてきました。こうした綿密な計画と継続的な進化が、プラットフォーム全体のアプリケーション トラフィックの円滑な運用を支えています。最終的には、いつでもシームレスに動作する信頼性の高い大規模なプラットフォームを維持することが、ユーザーの信頼を維持する鍵となります。
この取り組みにおける重要なソリューションの一つが、Cloud Interconnect 上の Application Awareness です。ハイブリッド ネットワーク全体でアプリケーションの優先順位付けを行う業界初のツールである Cloud Interconnect 上の Application Awareness は、Uber が重要なトラフィックを優先し、ネットワークの輻輳が発生した場合でもビジネスの継続性を確保するのに役立っています。
Uber は、Cloud Interconnect 上の Application Awareness の初期設計パートナーとして、この機能が Uber のグローバル規模の運用ニーズを満たすものとなるよう貢献しました。これにより、Uber の日々の業務が改善されただけでなく、切り替え時のサービス中断のリスクを抑えられるという確信を得たことで、Google Cloud への移行を自信を持って進められるようになりました。
この投稿では、Uber が最も求めていた機能とその理由、Cloud Interconnect 上の Application Awareness の内部の仕組み、そしてそれが他の組織にもどのように役立つかについて説明します。
重要なトラフィックの優先順位付け
分散型、ハイブリッド、またはマルチクラウドのアプリケーションをグローバル規模で移行する場合、ネットワークの信頼性が最大の懸念事項となります。どんなに意義のある移行であっても、稼働中のサービスを中断させてしまうようでは、その価値は損なわれてしまいます。Uber のような組織にとって、台頭する AI ユースケースを含む大規模なデータ分析ワークロードを支えるための膨大なデータ転送は、ネットワーク リンクを飽和状態にし、重要なアプリケーション トラフィックの信頼性を損なうリスクを招きかねません。
標準的なクラウド接続手法では、企業は通常、膨大なインフラストラクチャのニーズを満たすために、単純に帯域幅をオーバープロビジョニングするという方法をとります。しかし、昨今のハイブリッド クラウドの需要と、Uber のような組織の規模を考えると、ピーク時の使用量に合わせてネットワーク容量をオーバープロビジョニングすることは、費用がかかりすぎるうえ、信頼性も低い場合があります。
最先端の AI イノベーションを統合すると、オーバープロビジョニングの欠点がさらに拡大します。Uber は、ネットワークを混雑させることなく、ビジネス クリティカルなアプリケーションのパフォーマンスを保護しながら、大量のデータ転送に対応できるシステムを必要としています。
Cloud Interconnect の Application Awareness が備える 4 つの主要機能(トラフィック処理、輻輳対応、レイテンシ管理、コスト効率)を活用することで、Uber は最新の技術スタックに不可欠なネットワークの最適化を実現しました。


Uber は限定公開プレビューの段階からこの機能の導入を開始しました。まずはアリゾナ州フェニックスとバージニア州アッシュバーンの Google Cloud Interconnect から着手し、その後インフラ全体へと展開を広げました。Cloud Interconnect 上の Application Awareness により、Uber は DSCP マーキングや構成済みのキューイング プロファイルを活用して、エンドユーザーのアプリケーション トラフィックを分類し、緊急性の低いデータよりも優先的に処理できるようになります。
次の表では、Cloud Interconnect 上の Application Awareness の 4 つの主な機能、従来の方式との違い、そして Uber のような組織の運用継続性の向上にどのように役立つかについて説明しています。
Uber の事例の要点
Uber にとって、Cloud Interconnect 上の Application Awareness を導入し、ネットワーク上のビジネス クリティカルなトラフィックに優先順位を付けられることの価値は、すぐに目に見える形で現れました。この取り組みを通じて、Uber は、同様のハイブリッド クラウドの課題を抱える他の企業が再現できるブループリントも作成しました。このブループリントの主要な要素は次のとおりです。
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ビジネス継続性の確保: Uber は、トラフィック量の多い大規模なイベントが発生した際に、優先すべきアプリケーション トラフィックをリアルタイムに決定できます。これにより、計画的か不測の事態かを問わず、極端な負荷が発生するような状況下でも、ミッション クリティカルなアプリケーションの稼働を維持できます。Uber の経営陣は、Cloud Interconnect 上の Application Awareness はグローバルな事業運営に重要であると述べています。
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帯域幅の効率的な利用: 輻輳を防ぐために帯域幅を盲目的にオーバープロビジョニングするのではなく、Application Awareness により、Uber は予想されるネットワーク帯域幅のニーズに合わせて、既存の Cloud Interconnect 容量をより有効に活用できるようになりました。その結果、ネットワーク インフラストラクチャの総所有コストが削減されています。
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ワークロード移行の障害を排除: 重要なアプリケーションをネットワークの輻輳から保護することで、Uber は重要なワークロードを Google Cloud に移行し、その過程で運用上のオーバーヘッドを大幅に削減できました。
「Cloud Interconnect 上の Application Awareness は、より戦略的なワークロードの Google Cloud 移行を実現する鍵となりました。世界規模で需要が急増する際にも、サービスの信頼性を維持するうえで不可欠な役割を果たしています。トラフィックにインテリジェントに優先順位を付けることで、優先度の高いサービスを保護し、インフラストラクチャの効率を高め、総所有コストを削減できます。これは単なる機能の導入にとどまりません。当社のビジネスに不可欠なソリューションを共に創り上げた、両社の深いエンジニアリング パートナーシップの賜物です。」– Uber、エンジニアリング ディレクター、Harry Liu 氏
AI とそれ以外のネットワークの信頼性を確保
クラウドベースの AI モデル、分散アプリケーション、データ分析を統合する企業が増えるにつれ、それに伴う大量のデータ転送に対応する準備を整えることが、ビジネス上の必須事項となっています。しかし、その一方で、重要なアプリケーションの信頼性を決して損なわないようにする必要もあります。
Uber は、Cloud Interconnect 上の Application Awareness を使用することで、ビジネス クリティカルなトラフィックを保護するために単に帯域幅をオーバープロビジョニングするのではなく、最新のハイブリッド クラウド戦略やマルチクラウド戦略を採用するために必要な安定性を構築することが不可欠なステップであることを実証しました。
Cloud Interconnect が組織にもたらすメリットについて詳しくは、さまざまな業界における Cloud Interconnect の可能性に関するブログをご覧ください。さらに詳しく知りたい場合は、Google のネットワーキングと業界のエキスパートがサポートいたします。
- Uber、上級エンジニア、Jean He 氏
- Google Cloud、プリンシパル アーキテクト、Gopinath Balakrishnan



