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ネットワーキング

信頼性の高いピアリングで Google Cloud にアクセス

2022年11月9日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 10 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

ピアリングは、特に一部の Google Cloud ユーザーには、複雑で繊細なトピックであると考えられているようです。本日は、ピアリングの内部構造をわかりやすく説明し、ローカルの冗長性を要求するピアリング ポリシーの改定により、ユーザーやお客様からの信頼性が向上する仕組みを共有したいと思います。冗長性は十分に理解され、文書化されている概念で、信頼性を向上させます。インフラストラクチャとピアリングに対する多大な投資により、インターネット コンテンツがユーザーに届けられるようになったこと、ピアリングがより安全になったことはすでにご説明したとおりです。

インターネット上の Google Cloud

Google Cloud のお客様は、毎日 Workspace を使用して同僚と共同作業を行ったり、Google Cloud CDN を利用して世界中のユーザーにコンテンツを提供したり、Global Cloud ロードバランサ をデプロイしてエニーキャスト IP を利用したりしています。それぞれのユースケースには共通点があります。上記のサービスや他の多くの Google サービスは、ピアリングを利用して Google のグローバル ネットワークを世界中のインターネット サービス プロバイダ(ISP)に接続し、目的地である皆さんや私のようなユーザーに提供されています。

インターネット トラフィックを配信するピアリング

ピアリングとは、Google などのネットワークと ISP 間、または Google とクラウド ユーザー間の物理的なファイバー相互接続であり、世界中のさまざまな施設で利用されています。その目的は、ネットワーク間でパブリック インターネット トラフィックを送受信して、コストとパフォーマンスを最適化することです。Google は、世界中の 100 を超える施設にネットワークを構築し、大小さまざまなネットワークとピアリングしています。これにより、Google はすべてのユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するとともに、ISP のコストを削減しています。ピアリングは、Google Cloud のお客様が Google ネットワークに接続できるいくつかの方法の一つです。組織が Google Cloud に接続する他の一般的な方法で、ピアリングと混同されることが多いものの一つに、Dedicated Interconnect があります。これは、オンプレミス環境と Google Cloud 間のプライベート接続を提供するものです。

ピアリングを都市の水道システムになぞらえて考えてみましょう。光ファイバー ケーブルが配管で、スマートフォン、コンピュータ、データセンターに送られるデータが水です。都市の水道システムを家庭の配管と相互接続する必要があるのと同様に、Google のグローバル ネットワークも、あらゆる種類の Google トラフィックを配信するために、近隣の ISP と相互接続する必要があります。シンクの蛇口から水が出てくることは、自宅の Wi-Fi で Google サービスを利用できることに類似します。

ピアリング インフラストラクチャ

Google を含む何千ものネットワークが、毎日世界中で相互にピアリングしています。ピアリングするネットワークは、トラフィックの需要、コスト、パフォーマンスに対応するための場所と容量について相互に合意します。世界には非常に多くのネットワークがあるため、すべてのネットワークが相互にピアリングすることは現実的ではありません。そのため、ほとんどのネットワークは、ユーザーをインターネット全体にアクセスできるようにするなんらかの種類の IP トランジットを保持しています。基本的に IP トランジットとは、ネットワークに提供される有料サービスのことで、適切に接続された別のネットワークを「トランジット(中継)」してインターネット全体にアクセスできるようにするものです。このトランジットは、ピアリング接続が利用できない場合のフェイルオーバー パスとしても機能し、インターネット上のすべてのエンドポイントにおける普遍的なネットワーク到達性を確保するうえで重要な役割を果たします。トランジットの潜在的な欠点の一つは、トラフィックがエンドユーザーに到達するまでにコストのかかる間接的なパスを通過する可能性があることです。そのため、ピアリングと比較してパフォーマンスが低下するおそれがあります。Google の設定なら、すべてのトラフィックを最適なピアリング パスに配信し、パフォーマンスを最大化することができます。

ピアリングがダウンする場合

どのような種類の物理インフラストラクチャでも、コンポーネントの誤動作が発生したり、メンテナンスのためにサービスを停止しなければならない場合があったりします。ピアリングをサポートするインフラストラクチャについても同じことが言えます。ダウンタイムは、原因と復旧時間に応じて、数日または数週間続くことがあります。ダウンタイム中、Google とのインターネット トラフィックはフェイルオーバー パスに再ルーティングされます。このパスは、同じ都市の別のピアリング ロケーションである場合もあれば、数百マイルまたは数千マイル離れた別の都市や国のピアリングに再ルーティングされる場合もあり、他のピアリング接続が利用できない場合は IP トランジット接続に再ルーティングされる場合もあります。その多くは、ネットワークを Google とピアリングする方法と場所によって違いが生じます。想定していたピアリング接続から離れた場所にトラフィックが物理的に再ルーティングされる場合、あるいは IP トランジット接続がトラフィック パスになる場合、レイテンシ、パケットロス、またはジッターが増加する可能性が高くなり、そのどれもがユーザーの不満やユーザー エクスペリエンスの低下につながるおそれがあります。

深く多様なピアリング フットプリント

Google は長年にわたり、すべての Google サービスで最適なユーザー エクスペリエンスを確保するために、ISP およびクラウドのお客様とのピアリングを構築して、物理的な冗長性と場所の分散の両方を実現してきました。これは、世界中のネットワークとお客様との深く多様なピアリング相互接続フットプリントにつながります。Premium Network TierCloud VPNWorkspace などの Google Cloud サービスではエンドユーザーにサービスを提供するためにピアリングが使用されるため、こうした種類のプランニングによって、上記のユーザー エクスペリエンスの問題を回避することができます。

より安定した予測可能なピアリング相互接続

すべての Google ユーザーに信頼性の高いエクスペリエンスを提供するという目標を達成するために、最近ピアリング ポリシーを改定し、同じ大都市圏のすべての Google プライベート ピアリング接続に物理的な冗長性を要求しました。この改定により、Google と ISP はほとんどの状況で、ピアリング インフラストラクチャの停止中やメンテナンス中にローカルでトラフィックを送受信し続けることができます。これにより、より予測可能なトラフィック フロー、一貫性のある安定したレイテンシ、より効果的なピアリングの可用性がユーザーに提供され、ISP のコストを削減しながら、Google サービス全体でより予測可能なエクスペリエンスを実現できるようになります。インターネット上のアプリケーションのパフォーマンスに影響を与える可能性のある要因はさまざまですが、今回の改定は、ピアリング インフラストラクチャの停止とメンテナンスを目立たないようにして、エクスペリエンスに影響を与えないことを目的としています。改定の詳細については、ピアリングのページをご覧ください。
https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/redundant-links.max-2200x2200.jpg

図 A - 大都市圏におけるピアリング冗長性の 2 つの例。同じ大都市圏の冗長性ピアリング リンク(緑色)により、ピアリング インフラストラクチャのメンテナンス中または停止中にトラフィックをローカルに維持できます。

ピアリング パートナーやユーザーとの連携

Google は、Google Cloud の既存 / 新規ユーザー、ISP パートナーと密に連携して、冗長性のあるピアリング相互接続をローカルに構築しています。また、多くのネットワークがこの構成を構築するうえで課題を抱えていることもわかっているため、そうしたネットワークと連携する方法を見極めようとしています。Google との冗長性トポロジの見直しに関心のある Google Cloud ユーザーや ISP は、Google までお問い合わせください。また、ピアリングのベスト プラクティスを確認することもおすすめします。ピアリングの詳細や Google とのピアリングのリクエストについては、ピアリングのウェブサイトにアクセスしてください。

- Google Global Networking、ピアリング プロダクト マネージャー Dave Schwartz

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