Google Cloud のアプリケーション ロードバランサへの移行: 実践ガイド
Gopinath Balakrishnan
Customer Engineer, Google Cloud
Xiaozang Li
Customer Engineer, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
既存のアプリケーション ロードバランサ インフラストラクチャをオンプレミスのハードウェア ソリューションから Cloud Load Balancing に移行すると、スケーラビリティと費用効率が大幅に向上し、Google Cloud エコシステム内での緊密な統合が実現します。しかし、多くの場合、「現在のロードバランサ構成はどうなるのか」という根本的な疑問も生じます。
既存のオンプレミス ロードバランサの構成には、トラフィック操作のためのビジネス クリティカルなロジックが何年分も蓄積されていることがよくあります。こうした既存の機能は完全に移行できます。加えて、この移行は、トラフィック管理をモダナイズして簡素化する絶好の機会にもなります。
このガイドでは、既存のロードバランサを Google Cloud のアプリケーション ロードバランサに移行するための実践的なアプローチを紹介します。このアプローチでは、一般的な機能に対応するために、宣言型構成と革新的なイベント ドリブン型 Service Extensions エッジ コンピューティング機能の両方を活用します。
シンプルで段階的な移行アプローチ
命令型のスクリプトベース システムからクラウドネイティブな宣言型ファースト モデルへの移行には、体系的な計画が必要です。そこで、4 つのフェーズからなるシンプルなアプローチをおすすめします。
フェーズ 1: 調査とマッピング
移行を開始する前に、現状を把握する必要があります。現在のロードバランサの構成を分析して分類しましょう。各ルールの意図は何ですか?単純な HTTP から HTTPS へのリダイレクトを行っていますか?HTTP ヘッダーの操作(追加または削除)に関与していますか?それとも、複雑なカスタム認証ロジックを扱っていますか?
ほとんどの構成は、次の 2 つの主なカテゴリに分類されます。
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一般的なパターン: リダイレクト、URL の書き換え、基本的なヘッダー操作、IP ベースのアクセス制御リスト(ACL)など、ほとんどのウェブ アプリケーションに共通するロジック。
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カスタム ビジネス ロジック: カスタムの独自トークン認証、高度なヘッダーの抽出 / 置換、HTTP 属性に基づく動的なバックエンド選択、HTTP レスポンス本文の操作など、アプリケーションに固有の複雑なロジック。
フェーズ 2: Google Cloud における同等機能の選択
ルールを分類したら、次はそれらを適切な Google Cloud 機能にマッピングします。これは 1 対 1 の置き換えではなく、戦略的な選択となります。
オプション 1: 宣言型の方法(ルールの約 80%)一般的なパターンの大部分については、通常はアプリケーション ロードバランサに組み込まれている宣言型機能を活用することが最適なアプローチです。スクリプトの代わりに、構成ファイルで望ましい状態を定義します。これにより、管理、バージョン管理、スケーリングが容易になります。
宣言型機能マッピングの一般的なパターン:
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リダイレクト / 書き換え -> アプリケーション ロードバランサの URL マップ
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ACL / スロットリング -> Google Cloud Armor のセキュリティ ポリシー
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セッションの永続性 -> バックエンド サービス構成
オプション 2: プログラムによる方法(複雑なカスタムルールの場合)複雑なカスタム ビジネス ロジックを扱う場合、プログラムによる同等の方法として Service Extensions があります。これは、Rust、C++、Go で記述したカスタムコードをロードバランサのデータパスに直接挿入できる強力なエッジ コンピューティング機能です。このアプローチにより、最新のマネージド型高パフォーマンス フレームワークで柔軟性を確保できます。


このフローチャートは、各構成に適した Google Cloud の機能を判断するためにお役立てください。
フェーズ 3: テストと検証
構成に適した方法を選択したら、本番環境のセットアップを反映したステージング環境に新しいアプリケーション ロードバランサ構成をデプロイする準備が整います。移行対象のロジックに特に注意しながら、アプリケーションのすべての機能を徹底的にテストします。自動テストと手動 QA を組み合わせて、リダイレクトやセキュリティ ポリシー、そしてカスタムの Service Extensions ロジックが想定どおりに動作することを検証します。
フェーズ 4: 段階的なカットオーバー(カナリア デプロイ)
すべてのトラフィックについて切り替えを一度に行うのではなく、段階的な移行戦略を実施します。最初は、本番環境トラフィックの少ない割合(5~10% など)を新しい Google Cloud ロードバランサにルーティングします。この初期段階では、レイテンシ、エラー率、アプリケーションのパフォーマンスなどの主要な指標を必ずモニタリングしてください。確信が持てたら、アプリケーション ロードバランサにルーティングするトラフィックの割合を徐々に増やしていきます。重大な問題が発生した場合に備えて、以前のインフラストラクチャに戻すための明確なロールバック計画も常に用意しておきましょう。
スムーズな移行のためのベスト プラクティス
Google の実践経験に基づき、ロードバランサの移行計画を立てる際に役立つ推奨事項を以下にまとめます。
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先に分析してから移行する: 既存の構成を徹底的に分析することが最も重要なステップです。不要になったロジックの「リフト&シフト」を行わないようにします。
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宣言型を優先する: デフォルトとして、Google Cloud のマネージド型、宣言型の機能(URL マップ、Cloud Armor)を常に先に使用します。これらの機能は、よりシンプルでスケーラブルであり、メンテナンスも少なくて済みます。
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Service Extensions は戦略的に使用する: Service Extensions は、宣言型機能では処理できない複雑なカスタム ビジネス ロジックのために取っておきます。
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すべてをモニタリングする: 移行中は、既存のロードバランサと Google Cloud ロードバランサの両方を継続的にモニタリングします。トラフィック量、レイテンシ、エラー率などの主要な指標を注視して、問題が発生した場合は即座に検出して対処します。
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チームのトレーニングを行う: Cloud Load Balancing のコンセプトについて、チームにトレーニングを提供します。これにより、チームは新しいインフラストラクチャを効果的に運用、維持できるようになります。
既存のオンプレミス ロードバランサ インフラストラクチャからの移行は、単なる技術的なタスクではなく、アプリケーション配信をモダナイズする機会です。現在のロード バランシングの構成と機能を、宣言型のアプリケーション ロードバランサ機能またはプログラムによる Service Extensions のいずれかに入念にマッピングすることで、スケーラビリティ、復元力、費用対効果に優れたインフラストラクチャを構築し、将来の需要に対応できます。
移行を始めるには、アプリケーション ロードバランサと Service Extensions の特徴や高度な機能を確認して、アプリケーションに適した設計を考案します。詳細なガイダンスや複雑なユースケースについては、Google Cloud チームにお問い合わせください。
- Google Cloud、カスタマー エンジニア、Gopinath Balakrishnan
- Google Cloud、カスタマー エンジニア、Xiaozang Li



