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ネットワーキング

Google Distributed Cloud Edge でのプライベート ネットワーク ソリューションを発表

2022年6月22日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 6 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

本日は、プライベート モバイル ネットワークの導入をさらに加速する、新たなプライベート ネットワーク ソリューションのポートフォリオについてお知らせします。Google Distributed Cloud Edge を基盤に、ISV エコシステムを活用したこれらのソリューションは、専用のネットワーク機能にエッジ コンピューティングのフル アプリケーション スタックを組み合わせることで、パフォーマンス、サービスレベル、経済における各主要業界固有のニーズへの対応を実現していきます。

企業は今日、Wi-Fi のような既存のソリューションに重くのしかかる、ネットワーク カバレッジやサービスの品質といった課題に直面しています。ユーザーの追加、業界固有のワークロードのデプロイ、モノのインターネット(IoT)やその他のコネクテッド デバイスのサポートなど、どのような用途で使用しているとしても、既存のネットワーク ソリューションでは企業が必要とするだけの接続性、管理、スケーラビリティに対応しきれません。5G のようなモバイル テクノロジーに基づいたプライベート ネットワークは、いくつもの企業のユースケースで Wi-Fi をしのぐ幅広いメリットを提供しています。たとえば、Wi-Fi ではノイズが混ざることや、レイテンシと帯域幅の両面でパフォーマンスが一貫しないといった側面があり、それでは、映像監視やロボットを使用した製造のようなリアルタイムのアプリケーションに必要なサービスの品質(QoS)を提供する能力に影響が出てしまいます。また、エンターテイメント関連の会場のような大規模なエリアでは、Wi-Fi を使用してキャパシティとカバレッジをまかなうのは難しく、大量のセンサーや IoT デバイスの接続にも Wi-Fi は向いていません。さらに、倉庫や配送センターのような移動しながらコネクテッド デバイスを使用するような場所でも、Wi-Fi では従業員や車両が必要とするシームレスな接続性は提供できません。

一方、プライベート ネットワークでは、企業はローカルなプライベート モバイル ネットワークを導入し、既存の Wi-Fi やパブリックなモバイル接続を補完できます。たとえば、メーカーは、堅牢なベースラインの接続性と、予測メンテナンスやコンピュータ ビジョン分析を通した品質検証のような次世代の機能に対するサポートを有するプライベート ネットワークをデプロイし、大規模な工場全体でのオペレーション、自動化、IoT デバイスを橋渡しできます。教育者向けとしては、プライベート ネットワークの接続性が拡大することで、接続環境の良くないコミュニティや生徒に対し教室外で遠隔学習を提供できるようになります。ビルや会場のオーナーは、プライベート ネットワークを使用することで、スマート ビルディング アプリケーションを通じて利用者の安全性の向上、コストの削減、エネルギー使用量の低減を実現でき、入居者や訪問客に新しいエクスペリエンスを届けることができます。そして決定的なのは、モバイル ネットワークの組み込みのセキュリティ機能により、その他のアプローチにはない方法でデータ プライバシーの面で安心感が得られることです。

柔軟で成熟したソリューション

多くの企業がプライベート ネットワークをテストしていますが、運用とスケーリングには多数の課題が存在します。この Google Distributed Cloud(GDC)Edge 上に構築された新たなポートフォリオと新しい主要なパートナーシップにより、お客様は管理機能、コントロール機能、ユーザー プレーン機能をクラウドとエッジの両方でデプロイできる柔軟さを併せ持つ、すぐに使用可能なプライベート ネットワーク ソリューションを迅速に導入できます。GDC Edge は、Google Cloud サービスへのアクセスが可能で、Google のセキュリティ ベスト プラクティスにより保護されています。Anthos を活用した、成熟したクラウドネイティブな管理エクスペリエンスを基盤に構築することで、企業は IT 資産全体にわたる一貫した開発モデルと運用モデルの恩恵を受けることができます。加えて、Distributed Cloud Edge は、重要なアプリケーション向けに低レイテンシやサービスの品質(QoS)が求められる別のユースケースへの柔軟なスケーリングも実現しています。

どの企業も、自社のアプリケーションに対して独自のリソース、レイテンシ、QoS 要件を持っています。Google Distributed Cloud Edge は、1 か所から数千か所のロケーションにスケールアップできる、安全なネットワークのための一元的な管理と管理プレーンを提供しています。GDC Edge であれば、お客様は接続性やエッジ アプリケーションを活用する目的で、単一のソリューション内で仮想化 RAN などのプライベート ネットワークを運用できます。Google と通信サービス プロバイダ(CSP)とのパートナーシップにより、企業のプライベート環境でのコントロールを維持しながら、ローミングの接続性をより充実させていきます。

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パートナーの幅広いエコシステム

さまざまな業界の多様なニーズを踏まえ、Google は主要な ISV エコシステム パートナーと連携することで、GDC Edge ポートフォリオ上で構築した、パートナー独自のソリューションと組み合わせた統合ソリューションを提供していきます。ローンチ パートナーは以下のとおりです。

  • Betacom は、フルマネージドのプライベート ワイヤレス サービスである、5G-as-a-Service(5GaaS)を GDC Edge 上でデプロイします。これにより企業は、新しいインテリジェントな製造アプリケーションをサポートするために設計、デプロイ、管理された、費用対効果に優れたハイパフォーマンスな 5G ネットワークにアクセスすることができます。

  • Boingo Wireless は、主要な空港、スタジアム、病院、製造施設、米軍基地で、GDC Edge を使用する企業のお客様向けにフルマネージドでエンドツーエンドなプライベート モバイル ネットワークをデプロイします。

  • Celona の 5G LAN ソリューションでは、既存のセキュリティおよびアプリの QoS ポリシーと緊密に統合された、プライベート モバイル ネットワークのロールアウトを自動化します。Celona の 5G LAN ネットワークのオペレーティング システムは、GDC Edge 内のリソースとしてのデプロイも可能であるため、プライベート モバイルの導入をさらに加速します。

  • Crown Castle は、ワイヤレス インフラストラクチャやファイバー ネットワークなどの通信インフラストラクチャを所有および運営しており、通信ネットワーク事業者、企業、公共部門の需要に応えながら、プライベート ネットワークのデプロイのために GDC Edge を活用するパートナーとともに次なるデプロイの波を支援しています。

  • Kajeet は、安心、シンプル、安全なハイスピードのワイヤレス インターネットで生徒やコミュニティをつなぎ情報格差を徹底的に取り除くというミッションのもと、GDC Edge 上で 5G ソリューションをデプロイします。

米国、英国、ドイツ、日本、韓国など多くの国で、プライベート ネットワーキングに周波数を割り当てており、さらに、CSP もプライベート用として拡大できる周波数を保有しています。また米国では、プライベート ネットワーク ソリューションのパートナーは、Google の周波数アクセス システム(SAS)を活用することで、市民ブロードバンド無線サービス(CBRS)が利用できます。Google Cloud はこの分野をリードしており、業界規模の CBRS の導入を促進し、市場をリードする SAS を運用することで、負担の少ないプライベート ネットワークのデプロイの基盤を構築しています。

使ってみる

ネットワークは、あらゆるビジネスの支柱です。Google Distributed Cloud Edge 上でプライベート ネットワーク ソリューションを実行することで、高速、柔軟、安全な接続性を前提とした新たなユースケースの扉を開くことができます。Google Distributed Cloud Edge の詳細については、こちらからご確認ください。また、パートナーである BetacomCelonaKajeet からの最新情報も併せてご覧ください。プライベート 5G ソリューションの先行ユーザーになることを希望する場合は、private-networks@google.com までご連絡ください。



- Google Cloud、グローバル通信業界担当マネージング ディレクター兼ゼネラル マネージャー Amol Phadke
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