新たな次元の理解を可能にする: Google の画像を使用した高度な地理空間 AI

Andre Kelly
Senior Product Manager, Google Maps Platform
Dan Meyer
Product Marketing Manager, Google Maps Platform
※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 24 日に、Google Maps Platform blog に投稿されたものの抄訳です。
Cloud Next では、Google Earth AI のイノベーションを活用した Imagery Insights ポートフォリオの大幅な拡張を発表しました。地形に対する理解と意思決定方法の変革を支援するよう設計されています。また、Earth AI の一部として、太陽光発電の利用可能性や既存の太陽光発電設備に関して、高解像度の建物レベルのデータの提供も発表しました。これにより、電力会社やサービス プロバイダが再生可能エネルギーの導入を推進し、ネットワーク計画を最適化できるようになります。
Aerial and Satellite Insights で視野を広げる
今後数週間以内に、Aerial and Satellite Insights(試験運用版)をリリースして、Imagery Insights ポートフォリオを拡充する予定です。Street View Insights を補完する Aerial and Satellite Insights では、高解像度のグローバル画像を手軽に利用できるようになり、分析対象を都市の街路の細部から地球の鳥瞰図まで広げることができます。高い解像度と多様な角度からのビューを備えた 3D 航空写真や、柔軟性の高い更新設定による高解像度衛星画像により、幅広いタスクをカバーするあらゆる規模のデータドリブンな意思決定が可能になります。Aerial and Satellite Insights は Gemini Enterprise Agent Platform と統合されているため、現場の人員、リスク、費用を削減しながら、運用をスケールできます。また、BigQuery と Earth Engine を利用して、独自のデータと高解像度の画像コンテキストを組み合わせ、詳細な空間分析を行うこともできます。これにより、電波の障害物を特定してワイヤレス ネットワーク計画を最適化する、重要インフラ付近の植生の侵入をモニタリングする、未開拓の再生可能エネルギー市場機会を認識するといった課題を解決できます。
Aerial and Satellite Insights により、組織は敷地の選定とアセットの管理を革新できます。過去のデータを使用して、経時的な変化を検出してパターンを予測することで、より包括的な敷地分析と在庫監査の自動化が可能になります。たとえば、デジタルの地形モデルと組み合わせることで、通信事業者はワイヤレス ネットワークの計画を最適化し、電波障害を最小限に抑えることができます。


Aerial and Satellite Insights を活用することで、電気通信の専門家はワイヤレス ネットワークの計画を最適化し、電波障害を最小限に抑えることができます。
最新の包括的な航空写真と衛星画像
Aerial and Satellite Insights を大規模に組織に提供するために、Google は Airbus および Vexcel と提携し、航空写真と衛星画像の Google マップカタログを拡充しました。
Google とのパートナーシップの拡大は、パートナー様に最高品質の最新データを提供するという Airbus のコミットメントを強化するものです。Airbus の業界をリードする衛星画像を Google の Aerial and Satellite Insights に追加することで、企業のお客様は可視化の域を超え、世界に関するより深いデータドリブンな分析情報を準リアルタイムで取得し、真の意思決定を行うことができるようになります。
Eric Even 氏, Airbus Defense and Space、Space Digital 責任者
Vexcel は、45 か国以上にわたる広範な航空写真と地理空間データのライブラリを構築しており、これは実世界の AI の基盤レイヤとして機能します。Google Maps Platform と緊密に連携することで、物理世界で目に見えるすべてのものを意味的に理解し、分析し、大規模な知識を生成する新しい方法を発見しています。これまでアクセスが困難だったり、費用がかかったり、不可能だったりした画像に基づく分析情報も、新たに活用できるようになりました。Google は、地理空間テクノロジーと AI に関する世界クラスの専門知識を有しており、非技術系や非地理空間系のユーザーにも提供していることから、今後、さらに多くの可能性が広がると考えています。
Erik Jorgensen 氏, Vexcel 会長兼 CEO
Aerial and Satellite Models で分析を強化
また、Google Cloud の Model Garden 内に Aerial and Satellite Models(試験運用版)を導入します。Google Research のリモート センシング基盤の取り組みの一環として開発されたこれらのモデルは、複雑なモデルを自分でトレーニングまたは維持する必要なく、地球規模の分析情報を抽出できるようにすることで、地理空間ワークフローを変革するように設計されています。さらに、このモデルは Google のカタログに限定されません。独自の航空写真や衛星画像を取り込み、Google の高度な AI を適用して、すでに所有しているデータから分析情報を引き出すことができます。
高度なゼロショット分析とオープン ボキャブラリ分析機能により、オブジェクトを説明するだけで識別できます(「風力タービン」をすべて検索するなど)。また、自然言語を使用してセマンティック検索を実行し、複雑なシーン(「都市の中心部を流れる川」など)を見つけることができます。また、このモデルには強力なセマンティック チェンジ検出が備わっていて、変化の意味と方向を理解するのに役立ちます。たとえば、長期間稼働している「産業用工場」と新しい「産業用工場」を区別したり、「建設前」や「建設中」などのプロジェクトの進行状況を特定したりできます。このマルチモーダル機能により、地球の個々の要素だけでなく、より広範な意味的および時間的コンテキストを理解できるようになり、幅広い重要なユースケースにおいて、よりプロアクティブでデータドリブンな意思決定が可能になります。


Aerial and Satellite Models を使用すると、エネルギー アナリストは「大型の HVAC 冷却塔を探して」といったプロンプトを入力するだけで、関連する冷却塔オブジェクトを広範囲にわたって特定できます。
太陽光発電データで再生可能エネルギーの導入を加速し、ネットワーク計画を最適化
Google の包括的な航空写真と衛星画像に基づき、太陽光発電データを使用して、建物がクリーン エネルギーを生成するポテンシャルを把握することもできます。Solar Insights(試験運用版)は、市場機会を特定して太陽光発電の導入を加速するために設計された高解像度データセットです。このツールは、米国とヨーロッパの 90% を超える建物を対象に、建物ごとの太陽光発電のポテンシャル、屋根の統計情報、既存の太陽光パネルに関する分析可能なデータを提供します。電力会社やサービス プロバイダは、このツールを使って価値の高い顧客を特定してネットワーク計画を最適化できます。これらの建物レベルの詳細情報を Google の気象モデルと統合することで、組織は屋上太陽光発電パネルによる発電量を正確に予測できるようになり、エネルギーの信頼性を高め、再生可能インフラストラクチャへのより収益性の高い投資を促進できます。
Milken Institute による Solar Insights の活用事例
Milken Institute の Community Infrastructure Center は、Solar Insights を使用して、図書館、学校、診療所、その他の重要なアンカー機関などのコミュニティ レジリエンス センターの太陽光発電のポテンシャルを評価し、それを気候リスクや人口統計データと組み合わせて、十分なサービスを受けていないコミュニティでレジリエンス ハブへの投資が最も大きな効果を発揮する場所を特定しています。
Solar Insights は、これまで得られなかった建物レベルやコミュニティ レベルでの明瞭な情報を提供してくれます。Google のプラットフォーム パートナーは、数分でコミュニティの主要施設における太陽光発電のポテンシャルを評価し、気候データや社会経済データと重ね合わせて、レジリエンスへの投資が最も重要な場所を特定できます。Milken Institute では、コミュニティ組織と連携してクリーン エネルギー プロジェクトの範囲を定める方法をすでに変革しています。
Rachel Halfaker 氏, Milken Institute ディレクター


LiDAR を使用した Street View Insights で、より正確な 3D 測定とインフラストラクチャに関する分析情報を取得できます。
Street View Insights で地上レベルの精度を向上
今後数週間以内に、有用な LiDAR データを使った試験運用版をリリースして、Street View Insights を強化する予定です。Google ストリートビューの膨大なリポジトリには、インフラストラクチャを網羅する 2,800 億枚以上の 360° 画像と 3D 画像が含まれています。このリポジトリにアクセスして、より精度の高い計測が可能になることを想像してみてください。このイノベーションにより、現場やアセットへの費用と時間がかかる訪問の必要性が最小限に抑えられ、電柱の高さ、架空送電線のクリアランス、道路標識の寸法をデスクにいながら正確に判断できるようになります。さらに、Gemini Enterprise Agent Platform を活用した自然言語クエリを使用すれば、分析情報をはるかに迅速に抽出できるため、アセット管理と状態評価の効率が向上し、メンテナンスを事後対応型から事前対応型に移行できます。


LiDAR を使用した Street View Insights で、より正確な 3D 測定とインフラストラクチャに関する分析情報を取得できます。



