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Google Maps Platform

Google Maps Platform により迅速で信頼できる配送サービスを提供

2023年8月18日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: 今回の記事は、Skroutz Last Mile のプロダクト責任者 Alex Papaspiridis 氏と戦略担当ディレクター Agamemnon Papazoglou 氏によるものです。Skroutz が Google Maps Platform を活用して、配送ルートの計画作成を自動化し、配送サービスをより堅牢かつアジャイルな方法で提供できるようにすることで、効率性と配送のフルフィルメント率を向上させた方法を両氏が紹介します。


Skroutz は、ギリシャ最大のオンライン マーケットプレイスです。配送においてスピードよりも大切なことが一つあり、それは信頼であることを私たちは理解しています。特定の時間に配達することを約束した場合、その約束の時間に配達しようとします。しかしギリシャの信頼性の低い宅配サービスでは、「言うは易し行うは難し」です。このため、2020 年 1 月に独自の配送サービス Skroutz Last Mile をリリースしました。これは、当社のショッピング サービスの他の部分で確立できている利便性に合う配送エクスペリエンスをお客様に提供することを目的としていました。

現在は、Google Maps Platform で実行される効率的で柔軟性の高いラスト ワンマイルの配送サービスを提供しています。このサービスは、オンライン小売店に典型的な需要の変動に対処し、ドライバーが毎日のように遭遇する事故、交通渋滞、間際の変更すべてに対応できるように構築されました。

ただし、簡単にうまくいったわけではありません。最初に Skroutz Last Mile をリリースしたとき、サードパーティのプラットフォームを利用しました。このプラットフォームは、多くの必要項目を満たしていましたが、事業を拡大し、ギリシャ全土で扱う配送件数を増やし始めたときに、問題があることがわかりました。注文のバッチが大きい場合にルートを計画することができず、小さなバッチにして 1 つずつ順に処理することを余儀なくされました。これには長い時間がかかり、午前の配送の前に徹夜で注文を処理することが何度もありました。

注文処理を自動化して最適な配送ルートを計画

今では、Google Maps Platform を使用することで、徹夜業務は過去のこととなりました。Cloud Fleet Routing の高度にカスタマイズ可能なパラメータにより、注文のバッチごとに必要なすべての変数を調整できるため、配送ルートを可能な限り効率的なものにできます。また、システム全体が完全に自動化されているので、以前のシステムの 7、8 倍の規模の注文バッチを処理でき、処理時間を大幅に短縮できています。そのうえ、並行して複数のバッチを処理することもできるので、運用が大きく合理化されます。

毎晩、翌日のドライバーの稼働状況、車両の積載量、運転速度といった利用可能なリソースを確認します。これらの詳細とともに、荷物の個数、サイズ、重量、配送先、優先度、配達希望日時などのワークロードの詳細をシステムに入力します。そうすれば、Cloud Fleet Routing がルートを計画してくれるので、私たちは十分な睡眠を取ることができます。

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Skroutz ドライバー チーム

完全統合されたワークフローでドライバーの効率を向上

Google Maps Platform は配送ドライバーの働き方も変革しました。以前は会社のルーティング アプリと Skroutz ドライバーのアプリとを統合できなかったため、ドライバーは配達中にアプリを切り替える必要がありました。このことは、自宅外受け取りのためのスマート ロッカーへの配達の場合に特に厄介でした。ドライバーは配達先まではルーティング アプリを使用し、配達先に着いたら Skroutz アプリに切り替えてロッカーを開けて配達を完了し、再びルーティング アプリに切り替えて業務を続ける必要がありました。

このすべてを Google Maps Platform が変えました。ラスト ワンマイル フリート ソリューションを活用することで、ドライバーのルートを当社独自のアプリに組み込むことができるようになりました。また現在は、Navigation SDK の統合がベータフェーズに入っており、ターンバイターン方式の経路案内をドライバーのワークフローに組み込んでいます。これにより、ドライバーは業務全体を 1 つのアプリで遂行できるようになります。当社ではすでにドライバーの効率性に大きな改善が確認されており、倉庫でのシフトあたりの平均作業時間が 41 分から 35 分に短縮されました。

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Skroutz チームは、ドライバー、交通状況、配達の進行状況を可視化できます

お客様が必要なものを必要なタイミングでお届けする

ラスト ワンマイル フリート ソリューションは、同時に運用チームの作業も効率化しました。リアルタイムのドライバーの位置、トラフィック データ、配達荷物ごとの到着予測時刻など、配達車両に関する情報フローがさらに充実したものとなっています。こういったデータを活用することで、ドライバーがスケジュールどおりか、いつ倉庫に戻ってくるかといった情報を確認するための発送チーム向けの内部ツールと、お客様が配達予定時刻を正確に確認できるようにするお客様向けのツールの両方を構築できています。現在お客様の荷物を 94% の確率で時間どおりに配達できており、Google Maps Platform を導入する前の 85% から大きく改善されています。

総じて、ほんの数か月前とはまったく異なる状況になっています。以前は、不安要素が尽きず、プラットフォームのスケーラビリティと信頼性に懸念がありました。現在は、Google Maps Platform によってそのような制約から解放され、業務を拡大して、より優れたプロダクトの開発を続ける自信を得ることができています。

Skroutz Last Mile チームにとって、当社の配送サービスを最高のものにするために労力を集中できるようになったことは、大変喜ばしいことです。そして、最も重要なのは、お客様に喜んでいただけることです。お客様は、当社が荷物の時間どおりの配達を約束したら、それが実行されることを信じてくださっています。  

Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。


- Skroutz Last Mile、戦略担当ディレクター Agamemnon Papazoglou 氏
Skroutz Last Mile、プロダクト責任者 Alex Papaspiridis 氏

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