Alrik: Google Maps Platform で建設ロジスティクスに透明性をもたらす

Jan Tägtström
CTO, Alrik
Axel Enblad
Founder and CPO, Alrik
編集者注: 今回の記事は、Alrik の創業者 / CPO の Axel Enblad 氏と CTO の Jan Tägtström 氏によるものです。Google Maps Platform を活用して、正確で信頼性の高いデータで建設業界に輸送インテリジェンスをもたらしている Alrik の取り組みについて紹介します。
建設業界におけるロジスティクス管理は、無数の要素が絡み合う複雑な業務です。サプライヤーは、資材の重量や種類から、建設現場に特有の搬入要件に至るまで、毎日何百もの配送上の制約に対処する必要があります。従来、これらは断片的な手作業によるワークフローで管理されていたため、その結果、手書きのメモやサイロ化されたスプレッドシートが山積みになり、配送にかかる実際の費用やルートの効率性を正確に把握するのは不可能でした。
こうした透明性の欠如を解決するために、私たちは Alrik を設立しました。当社の自動化された輸送インテリジェンス プラットフォームを使用することで、サプライヤー、レンタル会社、販売業者、請負業者は、社内外の車両やサプライ チェーンを完全に制御できます。また、お客様に単一の記録システムを提供することで、輸送費用や車両の稼働状況に関する推測を明確かつ実用的な分析情報へと置き換え、正確に業務を管理できるようにします。
このプラットフォームの開発を開始したとき、外部運送業者の輸送費用を絶対的な精度で計算できる必要がありました。そのためには、距離と所要時間に関する信頼性の高いリアルタイム データが必要でした。地図プロバイダを検討した結果、当社の価格設定エンジンを自信を持って構築できる高水準の精度と信頼性を備えていたのは、Google Maps Platform だけでした。当社のインフラストラクチャはすでに Google Cloud で実行されており、サービスには Cloud Run を、データ管理には Cloud SQL for MySQL データベースを使用していました。そのため、Google Maps Platform API を当社の技術スタックに簡単に統合できることがわかりました。現在、すべてのサービスを一元化できたことで、複雑な位置情報を競争力の向上に転換できたほか、ユーザーへの迅速な対応も可能になりました。


Alrik の自動化された輸送インテリジェンス プラットフォームを使用することで、サプライヤー、レンタル会社、販売業者、請負業者は、社内外の車両やサプライ チェーンを完全に制御できます。
価格設定の透明性、リアルタイムの調整
当社の最初の製品は、業界の価格設定の問題を解決するために設計された Fleet on Demand(FOD)でした。建設業界では、多くの場合、配送先の住所は単なる出発点にすぎません。実際の荷下ろし場所は、広大な建設現場内の特定のゲートや仮設のアクセス道路である可能性があります。FOD では、Address Validation と Geocoding API を使用することで、曖昧な現場の説明を、検証済みかつジオコーディングされた位置情報に変換できます。これにより、価格設定アルゴリズムが Routes API を呼び出す際に、運送業者の費用見積もりが推測ではなく現実に基づいたものとなります。即座に料金の透明性のメリットを得られるため、自社の車両がフル稼働している際に、外部の運送業者から迅速に追加の輸送能力を確保できるようになります。


FOD を使用することで、曖昧な現場の説明を、検証済みかつジオコーディングされた位置情報に変換できます。
FOD 製品の成功を受けて、より広範な日常の調整業務の課題を解決することを目的とした Cockpit 製品をリリースしました。Cockpit は、サプライヤーの業務全体をリアルタイムで俯瞰し、すべての注文、トラック、ドライバーを単一の地図上で可視化するものです。この製品では、Google Maps Platform のモビリティ サービスを統合することで、新たなレベルの俊敏性をお客様に提供できるようになりました。また、コーディネーターは、車両間で注文をドラッグ&ドロップして、車両の稼働率を高めることでき、総運転時間を短縮できるようになりました。配達員が配達を開始すると、ルート上のすべての停車地点の到着予定時刻が自動的に再計算され、Routes API によってリアルタイムの交通状況や道路網が分析されて可能な限り正確な時刻が提供されます。
この可視性により、追跡機能を利用できるようになり、建築資材の正確な位置を示すリアルタイムのリンクをエンドユーザーに提供できるようになりました。また、透明性が向上したことで、資材の配達予定時間を確認しようとするコーディネーター、ドライバー、現場間の電話のやり取りが大幅に減少しました。


Alrik の追跡機能は、建築資材の正確な位置を示すリアルタイムのリンクをエンドユーザーに提供します。
また、Route Optimization API を統合することで、保留中の数十件もの注文を最も効率的な複数車両の配送ルートに自動的に整理できるようにしました。これにより、経験豊富なロジスティクス プランナーが 1 時間かかっていた作業を、今ではわずか数秒で完了できるようになりました。あるお客様は、これらのツールを使用して車両をより効果的に管理することで、配送費用を 28% 削減することに成功しました。


Alrik のプラットフォームからリアルタイムでアラートが送信されるため、資材の配達予定時間を確認しようとするコーディネーター、ドライバー、現場間の電話のやり取りが大幅に減少します。
ロジスティクスの未来に向けた基準を確立
当社は、Google Maps Platform を活用することで、お客様がより効率的かつ持続可能な事業運営を行えるよう支援しています。たとえば、正確な距離データを提供することで、販売者やレンタル会社が排出量レポートを自動化することを可能にしています。これにより、大手建設デベロッパーなどの顧客に対して、プロジェクトごとの正確な CO2 排出量データを提示できるようになるため、お客様にとっても大きなメリットとなります。環境コンプライアンスの重要性が高まっている市場において、この機能は、お客様がより多くのビジネスを獲得するのに役立つ重要な営業ツールとなっています。
当社は今後も、ロジスティクス業界に特有のニーズに対応できるよう、プラットフォームの開発を続けていきます。現在も、Google Maps Platform チームと協力して、欧州における大型貨物車両(HGV)のルート案内についての新たなサポート機能をテストしています。これは、橋の高さや重量制限といった車両固有の制約を考慮して、より正確なルートを提供できるようにするものです。また、当社の最適化アルゴリズムを貨物の複雑さを考慮するよう強化しており、たとえば、鋼材と石膏ボードの積載要件の違いを自動的に理解して、各トラックの積載量を最大限に活用できるよう取り組んでいます。
Google Maps Platform は、当社の成長を支える重要な基盤となっています。単なる地図の利用に留まらず、優れたスピードと信頼性を得ることができたため、極めて複雑なロジスティクス業界を簡素化する世界クラスのインターフェースを構築できるようになりました。欧州以外の地域にも事業を拡大し続ける中で、当社には、建設ロジスティクスを変革し続け、お客様が日々直面している現実世界の課題を解決できる確固たる基盤が整っていると確信しています。
- Alrik、創業者兼 CPO、Axel Enblad 氏
- Alrik、CTO、Jan Tägtström 氏



