Google Maps Platform で食料品のピックアップ エクスペリエンスを向上

Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 1 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: 今回のゲスト投稿は、Kroger のデジタル プロダクト マネージャーである Craig Hutler 氏によるものです。顧客により良いサービスを提供するために、Kroger は Google Maps Platform との連携を開始して On My Way イニシアチブを立ち上げました。これは、店舗受け取りを効率化し、顧客の手に食料品をより迅速に届けるためのプロセスです。
お客様からの店舗受け取り需要の増加に伴い、私たちは常にキャパシティを増やし、お客様の待ち時間を短縮するよう努めています。Google Maps Platform を利用して On My Way イニシアチブを強化することで、プロセスを効率化し、サービス提供費用を削減することができました。
カスタマー エクスペリエンスの向上
On My Way イニシアチブを開始すると、お客様の待ち時間が短縮され、サービス提供費用が改善されました。サービス提供費用は、より効率的にお客様にサービスを提供する能力を測定する重要な指標です。このイニシアチブは Kroger アプリのシンプルなボタンから始まりました。食料品を受け取る準備ができたら、お客様はボタンをタップして、到着予定時刻(ETA)を最寄りの店舗に知らせることができます。
当初は到着の 15 分前にボタンを押して通知するようお客様にお願いしていました。通知により、お客様の ETA が店内のダッシュボードに表示されます。そこから、お客様の注文の商品を係員が準備していましたが、ETA の正確さにおいては、お客様に依存していることに気付きました。係員が通知を受けたとき、それが実際にはお願いしている 15 分前ではなく、5 分前であることもあり得るということです。これでは、お客様が到着するまでに食料品の準備を終えられません。
この点を解決するために、買い物客に馴染みのあるマップを利用することを考えました。手初めに、買い物客に Google マップアプリからピックアップ注文をしていただく試験運用を実施しました。一部の買い物客には好評でしたが、大多数の顧客にリーチするのは困難でした。
より迅速な注文のフルフィルメント
お客様に最も簡単で迅速な店舗受け取り体験を提供するには、注文から受取りまでのショッピング プロセスをシームレスなものにする統合型マップが Kroger アプリに必要であることに私たちは気付きました。Google Maps Platform は、それを実現してくれました。


現在は、Geo On My Way と呼ばれるピックアップ エクスペリエンスの拡張版を提供しています。これには、Maps SDK for Android や Directions API が使用されています。お客様は Kroger アプリ内でボタンを押すだけで、任意でデバイスの位置情報を最寄りの店舗に直接送信して、ルートと交通状況に基づいて正確な ETA を係員に知らせることができます。最終的に、これは店内業務の最適化、お客様の待ち時間の短縮、顧客満足度の向上、サービス提供費用指標に基づく目標の達成につながります。


Directions API を使ってアプリを実装して以来、位置情報の利用を許可し、Geo On My Way の使用を選択したユーザーについては、ETA エラーの中央値をほぼ半分に減らすことができました。また、食料品が車に積み込まれるまでのお客様の待ち時間も 1 分間短縮されました。この機能は現在、すべての受け取り場所にデプロイされており、この機能のおかげで、私たちはあらゆる地域のお客様のニーズを満たすことができています。


将来を見据えた店舗受け取り体験
Geo On My Way は初期のものと比べて大幅に改善されていますが、ETA エラーを継続的に低減していくために反復と最適化を現在も続けています。将来的には、ジオフェンスを利用して、位置情報の共有を選択したお客様がいつ駐車場に入ったかを測定できるようにする予定です。これにより、係員にさらに有意義な分析情報が提供され、カスタマー エクスペリエンスが向上するはずです。
Kroger は常に、ポジティブで高揚感が得られるようなサービスの提供に取り組んできました。Geo On My Way のおかげで、お客様に商品をお届けする最終時点に注力することができています。このイニシアチブは、データと指標を扱うだけのものではありません。毎日何百万人ものお客様に、食料品を簡単にお買い求めいただけるようにするとともに、私たちの店舗とお客様の食卓との間の距離を縮めるものです。
Google Maps Platform の詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
- Kroger、デジタル プロダクト マネージャー Craig Hutler 氏