コンテンツに移動
管理ツール

アイドル状態のリソース管理を自動化する Active Assist の 4 つの新機能

2022年12月9日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

放置プロジェクト Recommender を使うと、アイドル状態のクラウド プロジェクトを簡単に特定し、それらのプロジェクトに伴うセキュリティ上の問題や、不要な費用、環境への影響を軽減できます。リソースのライフサイクルを管理するにあたって、スケーラビリティや再利用を重視したアプローチを取り入れていくためには、適切なツールを使用することが重要です。Google Cloud はこのたび、企業において日常的な運用や手順の一部としてアイドル状態のプロジェクトに対処できるようにするため、以下のような新機能を発表しました。

  1. 推奨事項を組織ごとにまとめて表示し、放置プロジェクトの全体像を把握できるようにする

  2. モニタリング期間(使用状況の調査対象期間)を制御する

  3. 推奨事項に従うことで、費用にどのような影響が出るかを確認する

  4. 特定の推奨事項をリンク形式で他者に共有する

これらの新機能のポイントをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 推奨事項を組織レベルで把握する

費用の削減、組織の二酸化炭素に対する影響の低減、長期的なセキュリティ リスクの解消を求めるクラウド管理者が、Google Cloud の Resource Manager を使って放置プロジェクトを特定し、対処できるようになりました。ページの上部に概要がバナー形式で表示されるほか、各組織の放置プロジェクト数を示す列と、二酸化炭素排出量の列が新しく追加されています。放置プロジェクトは電球マークで示され、その推奨事項に従うことで、目標達成に近付くことができます。

また、コマンドラインおよび API で、組織レベルまたは請求先アカウント レベルのエンドポイントを利用できるようになりました。これにより、list コマンドを 1 回実行するだけで、対象の組織内または請求先アカウント内の放置プロジェクト一覧を確認できます(参考ドキュメント)。セキュリティ対策を徹底したい場合は、コマンドラインまたは API から priority フィールドの値に基づいて推奨事項を並べ替え、セキュリティに関して喫緊の推奨事項を含む放置プロジェクトから順番に対処する、といったことができます(参考ドキュメント)。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1-UPR_Flow_GIF.gif

2. モニタリング期間を設定する

放置プロジェクト Recommender ではこれまで、30 日分の継続的使用(または不使用)を確認したうえで、推奨事項を作成していました。このたび、Recommender API を使って、minimum_observation_period を既定値の 30 日から 365 日の間で組織単位でまとめて変更できるようになりました(手順を説明するドキュメント)。放置プロジェクトの推奨事項を適用するにあたって、できるだけ慎重を期したい場合や、使用頻度が極めて低いためにアイドル状態とみなされてしまうプロジェクトがある場合は、この値を変更することをおすすめします。

3. 費用への影響

Active Assist では、未対処の推奨事項がある放置プロジェクトについて、カーボン フットプリントやセキュリティ リスクに基づいて優先度を判断できるようになっています。このたび、放置プロジェクトを削除した場合の費用の節約額も API 経由で確認できるようになりました(参考ドキュメント)。これにより、費用の観点から最も効果が高い放置プロジェクトを特定し、優先的かつ集中的に対処することが簡単にできるようになります。

以下は、費用への影響を示すレスポンス例です。このプロジェクトを削除することによって 120 米ドルを節約できる可能性があることがわかります。

読み込んでいます...

4. 推奨事項を共有し、自動化を促進する

クラウド管理者によっては推奨事項を一括で適用することもありますが(推奨事項に従ってプロジェクトをすべて削除するなど)、大半のクラウド管理者は、個々のプロジェクトを所有する(または最もよく把握している)担当者や、チーム、部門に判断を任せることを好むようです。こうした意向を受け、Cloud コンソール UI の推奨事項を共有するためのリンクが追加されました。推奨事項の詳細ページの右上にあるコピーアイコンをクリックして、リンクを他のユーザーに共有できるほか、このリンクをプログラムに組み込むことも可能です。リンクをクリックしたユーザーには、推奨事項の詳細ページが表示されます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/2-Share_Recommendation_GIF.gif

使ってみる

リソースのライフサイクル管理において、スケーラビリティと再利用性を向上させるために、ここで紹介した新機能をご活用いただければ幸いです。Google Cloud が最近発表した、使用されていないプロジェクトのライフサイクル管理ソリューションでも、これらの新機能を活用していますので、そちらで紹介した例もぜひ参考にしてください。さらに詳しく学ぶには、こちらのドキュメントをお読みのうえ、Resource Manager またはおすすめハブで放置プロジェクトの確認作業を開始することをおすすめします。

放置プロジェクト Recommender をクラウドのセキュリティ態勢の改善や費用削減にぜひお役立てください。この機能に対する皆様のご意見、ご感想については、お気軽に active-assist-feedback@google.com までご連絡ください。また、開発された最新機能をいち早くご利用いただくには、Active Assist Trusted Tester Group にご登録ください。


- プロダクト マネージャー Bakh Inamov
- プロダクト マネージャー Sharon Fang

投稿先