Gemini Startup Forum に参加する 33 社のサイバーセキュリティ スタートアップをご紹介
Sandra Joyce
VP, Google Threat Intelligence
※この投稿は米国時間 2026 年 7 月 9 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
スタートアップは、世界で最も複雑な課題に取り組む最前線に立っています。特にサイバーセキュリティでは、常に新しいアイデアと適応性が求められます。これらの企業は、AI を強力なツールとして活用し、その影響力を拡大しています。
Google は、次世代の AI ネイティブなサイバーセキュリティ スタートアップを支援することが、世界全体にプラスの影響をもたらすと考えています。このたび、主力の Google for Startups プログラムである Gemini Startup Forum: Cybersecurity で最初の 33 社の先駆的なスタートアップが選出されました。この限定フォーラムは、重要な領域に対処し、サイバーセキュリティにおける AI 統合について深い対話を促進することを目的としています。
すべてのスタートアップは、Google DeepMind、Google Cloud、Wiz の AI およびサイバーセキュリティのスペシャリストとともにロードマップに取り組むことができます。今年のコホート(選出されたスタートアップ)は、自律型エージェントの保護からポスト量子暗号まで、6 つの専門的な重点分野に分類されます。
AI エージェントのセキュリティとガバナンス
-
Capsule Security(イスラエル): 自律型 AI エージェントのランタイム保護と動作モニタリングを行います。このプラットフォームは、エージェントのアクティビティ、API 呼び出し、ツールの使用状況をリアルタイムで追跡し、ソフトウェア サービス(SaaS)とエンドポイント エージェント全体で不正なアクションとデータ引き出しを防止します。
-
Evoke Security(米国): AI エージェント向けに設計されたエンドポイント検出対応(EDR)プラットフォームとして機能します。エンドポイント センサーをデプロイして、危険なエージェント構成をスキャンし、ランタイムの動作をモニタリングして、不正なスキルの実行をブロックします。
-
Manifold Security(米国): グラフ分析とランタイム モニタリングを使用して、AI エージェントのエージェントレス検出 / 対応を行います。このプラットフォームは、オープン テレメトリーと API フックを活用することで、ローカルマシンにソフトウェアをインストールすることなく、エージェントの動作と接続をマッピングして異常を特定します。
-
Mirror Security(アイルランド): 完全準同型暗号化を使用して、AI ワークロードで使用中のデータを保護することを専門としています。このプラットフォームにより、企業は暗号化されたデータを復号せずに、そのデータに対して直接、モデル推論、データベース検索、エージェント通信を実行できます。
-
Onyx Security(イスラエル): エンタープライズ環境全体で自律型 AI エージェントを検出、管理、モニタリングする AI コントロール プレーンを提供しています。このプラットフォームは、エージェントのポスチャーを分析し、セッション トークン ストリームを追跡し、モデルメッシュを使用してコンテキストに応じたコンプライアンス ポリシーを適用します。
-
Refractal(英国): エンタープライズ AI エージェントをモニタリングおよび管理するための、ランタイム セキュリティとガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)のインフラストラクチャを構築しています。エージェントのアクションをインターセプトし、組織のポリシーと欧州の規制に照らして評価し、暗号化された監査ログを生成します。
-
Unbound Security(米国): 開発者向けのコーディング エージェントの可視性とガバナンスを提供するエージェント アクセス セキュリティ ブローカー(AASB)として機能します。エンドポイント フックをデプロイしてターミナル コマンドをモニタリングし、ユーザー ID とグループ権限に基づいてエージェントのアクションを制限します。
-
XOR(米国): AI モデルが自律的にセキュリティの欠陥を見つけて修正できるよう、強化学習のトレーニング データと環境を生成します。同社は、開発者が安全なコーディング エージェントをトレーニングするために使用する、検証済みのタスクの軌跡とベンチマークを提供しています。
アプリケーションのセキュリティと脆弱性管理
-
Aisy(英国): 攻撃者の視点からエンタープライズ環境をモデル化し、脆弱性修復の優先順位を付けます。このプラットフォームは、外部の攻撃対象領域をマッピングし、関連するアセットをビジネス中心の脅威モデルにグループ化して、重要なエクスプロイト チェーンを特定します。
-
Alt Security(イスラエル): 自律型 AI エージェントを使用してセキュリティ テストを実行するエージェント型ペネトレーション テスト プラットフォームを開発しています。このシステムは、偵察を自動化し、検出した脆弱性を連鎖させて重大なビジネスリスクを特定し、サンドボックス環境で攻撃手法を検証します。
-
Arcjet(米国): SDK を介して開発者のコードベース内でネイティブに実行されるアプリケーション セキュリティを提供します。このプラットフォームは、コードベースで直接、bot 検出、レート制限、プロンプト インジェクションを処理し、低レイテンシの意思決定ループを維持します。
-
Pixee(米国): スキャナの結果を検証済みの pull リクエストに変換することで、脆弱性のトリアージとコードの修復を自動化します。このプラットフォームは、コンテキスト グラフと決定論的なハーネスを使用して、開発者の継続的インテグレーション(CI)パイプラインに合格する、コードベースと互換性のある修正を生成します。
クラウド、ネットワーク、インフラストラクチャのセキュリティ
-
CloudFence(米国): 見えない頭上のドローンのように、企業のクラウド ネットワークをモニタリングします。システムが相互に通信する通常のパターンを学習し、システムが未知の場所との通信を開始すると、すぐに管理者にアラートを送信します。
-
CyberSeQ(英国): ソフトウェア コードとデジタル パイプラインをスキャンして、暗号化が古くなっていないか確認します。組織が最新の量子耐性セキュリティ キーへの移行を計画するのに役立ちます。
-
Huskeys(イスラエル): 企業のデジタル ファイアウォールのスマート チューナーとして機能します。トラフィック フィルタをリアルタイムで自動的に最適化して適応させることで、誤警報を減らし、正規の顧客がブロックされることなくウェブサイトにアクセスできるようにします。
-
Native(イスラエル): Google Cloud、AWS、Azure、Oracle 全体で組み込みのネイティブ プロバイダ管理機能を管理するマルチクラウド セキュリティ コントロール プレーンとして機能します。このプラットフォームでは、シミュレーション エンジンを使用して、セキュリティ ポリシーの変更が運用に与える影響をデプロイ前にプレビューできます。
-
Prowler(米国): マルチクラウド環境全体でクラウド セキュリティ ポスチャー管理とコンプライアンス チェックを自動化します。このオープンソース プラットフォームは、コミュニティ主導のセキュリティ管理のデータベースを使用して、構成ミスを特定して修復します。
-
QIZ Security(イスラエル): 一元化されたダッシュボードを通じて、企業の暗号アセットとコンプライアンス ポスチャーを管理します。このプラットフォームは、証明書、データベース、ソースコードをナレッジグラフにマッピングして、組織がポスト量子暗号に移行できるように支援します。
-
Tracebit(英国): クラウドネイティブなデコイ(カナリア)を使用して、インフラストラクチャへの侵入や不正アクセスを検出します。このプラットフォームは、Infrastructure as Code を介してこれらのデコイ リソースを大規模にデプロイし、攻撃者が動いた瞬間にアラートをトリガーします。
エンドポイント セキュリティとデータ保護
-
Bold Security(米国): 企業のデバイスをデータの引き出しやインサイダー脅威から保護する、ユーザー空間のエンドポイント セキュリティ エージェントを提供しています。エージェントはデバイス上でローカル分類モデルを実行するため、クラウドのレイテンシなしでポリシーの適用とデータ損失防止が可能になります。
-
Glow(イスラエル): エンドポイント、ソフトウェア、AI エージェントのモニタリングを一つのワークスペース保護レイヤに統合します。プラットフォームは、連携する AI エージェントのチームを使用して、組織全体のソフトウェア フットプリントをマッピングし、不正なブラウザ拡張機能やプラグインをブロックします。
-
Jazz(米国): 静的なパターンルールに依存するのではなく、ユーザーの意図とビジネス コンテキストを分析することで、データ損失防止(DLP)をモダナイズします。軽量なエンドポイント エージェントとインテリジェントな調査ツールを使用して、データフロー アラートを自動的にトリアージして解決します。
-
ORION Security(米国): エンドポイント、ブラウザ、SaaS ツール全体でデータリネージを追跡する、インジケーター主導のデータ損失防止プラットフォームをデプロイします。グラフ データベースでファイル移動をマッピングすることで、手動ポリシーを必要とせずにデータ引き出しのリスクを特定します。
-
MokN(フランス): プロアクティブな ID 復元プラットフォームで認証情報の盗難に対処します。独自のテクノロジーにより、極めてリアルなデコイ アクセス ポイントを使用して攻撃者を欺き、盗んだ認証情報を明らかにさせることで、形勢を逆転させます。これにより、侵害された認証情報が悪用される前に脅威を無効化できます。
SOC の自動化と攻撃型セキュリティ
-
COGNNA(サウジアラビア): セキュリティ通知を分析し、脅威対応ワークフローを自動化するエージェント型セキュリティ オペレーション センター(SOC)プラットフォームを運用しています。このプラットフォームは、既存のエンドポイント ツールとセキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)ツールからテレメトリーを取り込み、AI エージェントを使用してインシデントを調査し、アラートのノイズを低減します。
-
Latent Defense(米国): 複雑なシステム アーキテクチャを密度の高い多次元グラフとして表現する、サイバーセキュリティの基礎となる世界モデルを構築します。このプラットフォームは、これらのグラフ表現を使用して、悪用可能な攻撃経路を特定し、自動化されたレッドチーム エージェントでテストします。
-
Mate Security(イスラエル): AI ネイティブなセキュリティ運用プラットフォームを使用して、セキュリティ通知を大規模に調査します。既存の SIEM およびセキュリティ オーケストレーション、自動化、対応(SOAR)ツールと統合して、アセットの関係をマッピングし、受信アラートを自動的にトリアージして、偽陽性率を最小限に抑えます。
-
Nrdsnipe(スウェーデン): 内部ネットワークのペネトレーション テストを自動化する、AI を活用したセキュリティ テスト プラットフォーム、Hedgehog を構築しています。顧客のネットワークに直接デプロイされ、プランナー エージェントとターミナル エージェントを使用してアセットをマッピングし、露出ベースのナレッジグラフを構築します。
-
RIFFSEC(ポーランド): 中央ヨーロッパ市場向けにカスタマイズされた、早期に警告を発する脅威インテリジェンスおよび攻撃対象領域管理プラットフォームを提供しています。ダークウェブ、Telegram チャンネル、コード リポジトリをモニタリングして、漏洩したデータや認証情報、フィッシング キャンペーンを特定します。
-
TandemTrace(スペイン): 未加工のテレメトリーを分析してアラートを調査し、脅威をハンティングする自律型 AI エージェントでセキュリティ運用チームを強化します。このプラットフォームは、既存のデータレイクと SIEM API に直接接続して、セキュリティ インシデントに関する人間が読めるコンテキストを構築します。
セキュリティ インフラストラクチャと専門サービス
-
Netsec(フランス): コラボレーション チャネル内で直接提供されるオールインワン プラットフォームを通じて、中規模組織の IT とサイバーセキュリティのライフサイクル全体を管理します。ユーザーのオンボーディング、デバイス管理、SaaS ポスチャーの修復を一つのコントロール プレーンから自動化します。
-
Revelum(米国): ディープフェイクを利用した大規模な不正行為やなりすましのキャンペーンを検出して排除します。このプラットフォームは、ビジョンモデルと分類エンジンを使用して、ソーシャル メディア広告の分析、生体認証による本人確認、ドメインの削除の自動化を行います。
-
Synqly(米国): IT ツールとサイバーセキュリティ ツールの統合を簡素化する、統合された接続プラットフォームと API 管理コントロール プレーンを提供しています。データスキーマを正規化し、双方向のデータ共有を促進する決定論的なミドルウェア レイヤとして機能します。
上述のスタートアップは、グローバルなスペシャリストと連携しているため、より安全で復元力のあるデジタル インフラストラクチャを構築するのに有利な立場にあります。Gemini Startup Forum は、Google for Startups Gemini キットの特典です。このキットには、スタートアップが AI を活用してビジネスを拡大できるよう、API、ツール、トレーニング、技術リソースが満載されています。キットの詳細については、こちらをご覧ください。
脅威の状況は常に変化しています。この課題に対処するため、Google は Google for Startups への取り組みを継続します。過去 4 年間に、Authologic、BforeAI、Build38、Cerby、Crowdsec、Risk Ledger など、50 社以上のサイバーセキュリティ創業者を支援してきました。
今年のコホートは、業界が境界防御から自律型 AI エージェントのセキュリティへと移行していることを反映しており、エンタープライズ ガバナンスと自己管理型 AI の安全なデプロイを重視しています。今後、これらのテクノロジーの統合は、次世代のプロアクティブなデジタル防御を定義するのに役立ちます。
- Google Threat Intelligence 担当バイス プレジデント、Sandra Joyce


