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セキュリティ & アイデンティティ

選択、コンプライアンス、コラボレーション: 欧州のオープンなデジタル主権への道

2026年7月9日
Giorgia Abeltino

Head of Government Affairs and Public Policy, Google Cloud, EMEA

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※この投稿は米国時間 2026 年 6 月 18 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

欧州委員会の技術主権パッケージは、欧州におけるデジタルの未来を決定づける重要な局面で発表されました。競争力とセキュリティは欧州の企業、公的機関、市民にとっての最優先事項であり、これらの目標を達成するには、欧州のデジタル能力に多額の資金を投じる必要があります。このような状況において、チップからクラウド導入、AI データ インフラストラクチャに至るまで、欧州連合のデジタル フットプリントを拡大させる方法が欧州域内で検討されているのはもっともなことです。

欧州委員会の戦略は、「オープン性、パートナーシップ、公正な競争」を基盤としています。実際、このパッケージには、ベンダー ロックインに対処するための相互運用性、公共部門向けのオープンソース戦略、データセンターのより迅速なデプロイに関する原則に基づく大胆な施策が盛り込まれています。

Google は、EU 機関と連携して、これらの目標を実際に達成する方法について最高の知識を提供します。その目標を果たすために、クラウドおよび AI 開発法(CADA)の一部を改正する必要があると考えています。それは、意図しない市場の孤立を回避し、信頼できるグローバル パートナーが真のオープン性の枠組みの下で欧州のセキュリティとスケーリングの目標を継続的にサポートできるようにするためです。

Google の主権に対するアプローチは長年にわたって形成されてきたものであり、具体的で技術的かつ検証可能な管理とオープンな選択肢を提供すること、そして欧州のデジタル インフラストラクチャの成長とセキュリティに投資することを基本としています。これは、Google が理解するこの戦略の目標とも一致しています。

Google は、欧州の階層的なコンプライアンス要件をあらゆるレベルで満たすように設計された Sovereign Cloud ソリューションの包括的なメニューを開発しました。厳格な欧州データ境界を持つ標準的なパブリック クラウド構成から、独立して運用されるリージョン クラウド サービス、最も機密性の高い公共部門の業務向けの完全エアギャップ型ソリューションまで、Google は技術的卓越性を犠牲にすることなくコンプライアンスを確保します。

Google は、フランスの S3NS、ドイツの Thales、Schwarz Group、T-Systems、イタリアの PSN、ルクセンブルクの Clarence、スペインの Telefónica などの欧州の主要企業との「Made with Europe」に基づく緊密なコラボレーションを通じて、各国の既存の主権枠組みに関する最高水準の規制要件を満たすように設計された運用上のレジリエンスと管轄権に基づく統制を積極的に提供しています。

パートナー主導の主権ソリューションにおいて、フランスの S3NS サービスは欧州で最も厳格な主権規制基準である SecNumCloud 3.2 を満たすことが認定されています。Google のパートナーである Clarence と S3NS が提供するサービスは、Mistral と並び、主権クラウドを必要とする EU 機関向けのサービスとして EU デジタル サービス総局(DIGIT)の承認を受けています。Google は、これこそが真の信頼できるパートナーシップを構成するものだと考えています。また、欧州委員会に対しては、すでに成果を上げているこの既存の道筋に沿って欧州の主権に向けた取り組みを進めることを推奨します。

1. 主権認証の改善

CADA 法案の最大の懸念事項は、連合保証レベル(UAL)の設計です。加盟国間で主権基準を調和させることは建設的なステップですが、4 つの UAL の各基準は、グローバル プロバイダがどのようなセキュリティ緩和策を提供するかにかかわらず、グローバル プロバイダを制限または排除することにつながります。

厳格な地理的基準によってグローバル サプライ チェーンを過度に混乱させずに管理できる可能性を損なうのではなく、主権管理に対する革新的かつ効果的な技術的アプローチの余地を確保することが規制のあり方として求められます。

Google は、欧州の政策立案者がデータ主権と域外リスクの軽減を優先していることを理解し、それを支援しています。Google Cloud は、主権ソリューション スイートのツールの一つである Cloud External Key Manager(EKM)などの機能を通じて、Google のインフラストラクチャの外部で暗号鍵を保持できるようにしています。これは、お客様の明示的な同意と認識なしに暗号化されていないデータに不正アクセスしようとする第三者に対する技術的な障壁となります。

EU はすでに、産業加速法の法案で、よりバランスの取れた代替モデルを設計しています。堅牢なグローバル貿易ルールと強力な予防措置権限に支えられたこのフレームワークにより、信頼できるパートナーは「EU 域内産」として活動できるという推定の下で、信頼できる非 EU パートナーとのコラボレーションを維持できる展望が開けています。Google は、CADA にも同様の理念を適用するよう欧州議会と欧州理事会に対して強く求めています。

2. 相互運用性の促進、ベンダー ロックインの防止、調達の改革

主権は、エンドユーザーの選択肢を減らすのではなく、増やすものでなければなりません。健全な欧州のデジタル エコシステムの実現には、ベンダー ロックインや選択肢の制限やコストの押し上げを防止するオープンな基盤が必要です。

Google は、オープンで相互運用可能なクラウド エコシステムを育成するという CADA の目標を強く支持しています。この目標を意義あるものにするには、インフラストラクチャ、モデル、アプリケーションというデジタル スタックのあらゆるレベルにわたるオープン性へのコミットメントと政策を一致させる必要があると考えています。

Google のアプローチは、この基盤の上に構築されています。Google は、データエグレス料金無料のオープンでポータブルなインフラストラクチャを提供し、Gemma などのオープン AI モデルを推進し、オープン スタンダードのアプリケーションをサポートしています。スタック全体にわたる Google のオープンなアプローチは、欧州の企業によるスムーズな構築、移行、スケーリングを支援する目的で設計されています。

しかし、制限の多いライセンス慣行によって単一のエコシステムに閉じ込められることから、組織はオープンなアプローチのメリットを最大限に活かすことができていません。真の選択の自由を取り戻すために、Google は 3 つの簡単な改革を提唱しています。それは、ユーザーがソフトウェア ライセンスを自由に移動できるようにすること、従来のソフトウェアの公正な価格設定を確保すること、ソフトウェアがどのクラウド プラットフォームでも同様に動作することを保証することです。

3. 欧州の AI の未来に向けたサステナブルでオープンなインフラストラクチャの構築

物理的なコンピューティング インフラストラクチャは、デジタル主権の基盤です。Google は、欧州の半導体研究開発に 300 億ユーロを投資するという欧州半導体法 2.0 の目標を支持していますが、この投資は、コンピューティング インフラストラクチャへの大規模な投資を呼び込む規制ルールを確立することと同じくらい重要であると考えています。

この目標の達成に向け、Google は以下に示す施策を推奨しています。Google は欧州のデータ インフラストラクチャに長年投資しており、域内で 13 のクラウド リージョンを運用しています。最近ではドイツ、ベルギー、スウェーデンへの投資を通じて、その取り組みをさらに深めています。このことから、Google のようなグローバル投資家の速度と規模を活用する政策が策定されることを期待しています。

指定されたゾーンでの許可、グリッド アクセス、電力購入契約(PPA)を合理化する「特別プロジェクト」ステータスの導入を歓迎します。これらの施策を成功させるために、Google は以下の取り組みを支持しています。

  • 持続可能性の高いインフラストラクチャ プロジェクトに対する許可の迅速化。

  • 国のサステナビリティ基準を今後導入される EU 全体での評価制度と整合させ、水冷などのエネルギー効率の高い技術が不利になることを防ぐ。

  • これらの産業加速地域が新しい施設の地理的位置を人為的に制約しないようにし、指定地域外で運用されているデータセンターを支援する系統接続対策を拡大する。

今後の展望: Made with Europe

閣僚が次回の欧州理事会に向けて準備を進めているこの瞬間、欧州には、レジリエンスと競争力があり、真にオープンなデジタルの未来を築くという歴史的な機会が訪れています。

Google は、Kubernetes、Chromium、Android、TensorFlow、さらには Gemma などのオープン AI モデルへの貢献に示されるオープンソース ソフトウェアの推進や欧州の業界リーダーとのソリューションの共同エンジニアリングを通じて、グローバルなイノベーションと欧州の価値をともに促進できることを証明しています。

Google は、加盟国、欧州の政策立案者、地域のパートナーとの協力のもと、最終的な技術主権パッケージが地域の経済成長を促進し、国家安全保障を確保し、世界の AI イノベーションの最先端拠点としての欧州の地位の維持に貢献することを目指しています。

- Google Cloud EMEA 政府関連業務および公共政策責任者 Giorgia Abeltino

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