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Google Cloud

VM 推奨サイズの精度を高める Stackdriver Agent

2017年5月16日
Google Cloud Japan Team

私たち Google は 2016 年 7 月、仮想マシン(VM)の推奨サイズ提案機能のベータ版をリリースしました。それ以来、多くのユーザーがこの機能を利用して、リソースの節約や VM 構成の最適化を図っています。

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最近まで、VM インスタンスの推奨サイズ提案機能は、Compute Engine の VM マネージャで得られる CPU とメモリの統計にのみ基づいていました。このアプローチは、使用量を正確に監視できる CPU については効果的ですが、メモリについてはかなり限界があります。

問題は、ゲスト OS がどのようにメモリを管理し、どれだけのメモリがプロセスやキャッシュなどに割り当てられているかを VM マネージャが把握できないことにあります。VM インスタンス内で具体的に何が起こっているかがわからなければ、実際のメモリ使用量に応じて推奨サイズを提案することはできません。

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RAM の使用状況が不明なときの推奨サイズ

そこで Stackdriver Agent の出番となります。VM インスタンスにインストールされた Stackdriver Agent は、追加的なメトリクス(指標データ)を Google の監視システムにエクスポートします。

これらのメトリクスを基に、推奨サイズ提案システムはどれだけのメモリがプロセスや OS キャッシュに割り当てられていて、空き容量がどれだけあるかを正確に判断します。これにより、実際のワークロードに合わせて推奨サイズを計算することが可能になります。

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Stackdriver Agent の情報を基に RAM の使用状況を把握し、推奨サイズを計算

では、ユーザーには実際にどんなメリットがあるのでしょうか。Stackdriver Agent を使用する場合と使用しない場合で RAM の推奨サイズを比べると、Agent ベースの推奨サイズではメモリを平均 50 %、場合によってはそれ以上節約できます。Agent はメモリの使用状況の可視性を高め、より多くの良質なデータを推奨サイズ提案システムに提供します。そのおかげで、ユーザーはメモリを確実に節約できます。

Stackdriver Agent ベースの推奨サイズ提案機能を利用するには、Agent を VM にインストールするだけです。これで、追加メトリクスが推奨サイズ提案に自動的に使用されます。Stackdriver アカウントも必要ありません。

* この投稿は米国時間 4 月 27 日、Product Manager である Pawel Siarkiewicz によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。

- By Pawel Siarkiewicz, Product Manager

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