コンテンツに移動
データベース

Cloud SQL for PostgreSQL の新機能、論理レプリケーション / デコーディングのご紹介

2021年6月16日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

先週、Google はプレビュー版の Datastream を発表しました。Datastream はサーバーレスで簡単に使える、変更データ キャプチャおよびレプリケーション サービスです。現在、Datastream は Oracle データベースと MySQL データベースから Cloud Spanner、Cloud SQL、BigQuery などの Google Cloud サービスに向けた低レイテンシのストリーミング データへのアクセスをサポートしています。

また、私たちはお客様が多様なツールやテクノロジーを使用していることを理解しており、お客様を取り巻く幅広い状況に対応していきたいと考えています。たとえば、論理レプリケーションと論理デコーディングは PostgreSQL のエコシステムに固有の要素であり、よく利用される機能です。それを踏まえて、本日、Cloud SQL for PostgreSQL の論理レプリケーション / デコーディングの公開プレビューを発表いたします。これらの機能のリリースにより Cloud SQL for PostgreSQL で変更データ キャプチャ(CDC)が行えるようにすることで、重要なアプリケーションの要件に対応し、PostgreSQL のエコシステムとシームレスに統合できるオープンなデータベース プラットフォームを構築するという私たちのコミットメントは一層強まりました。

ここで一例として、小売店が使用する e コマース システムを考えてみましょう。このシステムでは、注文データがデータベースに格納されます。注文データのデータベースへの格納は、注文処理の一部でしかありません。在庫データの更新も行う必要があります。CDC を活用すると、ダウンストリームのシステムはそのような変更の通知を受け、それに応じて適切なアクション(この例では倉庫の在庫データの更新)を行うことができます。

もう 1 つの一般的なユースケースはデータ アナリティクスのパイプラインです。ビジネスでは、可能な限り新しいデータを使用して分析を行うことが求められます。たとえば、商品の在庫が少なくなったら、それをトリガーとして在庫の補充やアラートの発報など、物流管理に関するなんらかの処理が行われるようにする必要があります。論理デコーディングと論理レプリケーションを活用すれば、運用システムからデータ パイプライン、さらに分析プラットフォームへと、最新のデータを低レイテンシで流すことができます。

ではそもそも、論理レプリケーションと論理デコーディングとは何なのでしょうか。

論理レプリケーションは、2 つの Postgres インスタンス間でのデータベース変更のミラーリングを可能にします。また、このミラーリングはストレージの種類に依存しない方法で行われます。そのため、インスタンス間でレプリケーションするデータの種類、および各インスタンスが実行しているバージョンという 2 つの面で柔軟性が得られます。

論理デコーディングを使うと、さまざまな形式(JSON、平文など)のデータベースでテーブルに加えられたあらゆる変更をキャプチャできます。キャプチャした変更はストリーミング プロトコルや SQL インターフェースで処理できます。

論理レプリケーションと論理デコーディングで解決できる課題

論理レプリケーションと論理デコーディングを使えば、次のような課題を簡単に解決できます。

  • インスタンス間でテーブルのセットを選択的にレプリケーションし、必要なデータだけを共有する

  • インスタンス間でテーブル行を選択的にレプリケーションし、データのサイズを減らす

  • ソースからテーブル列を選択的にレプリケーションし、不要なデータや機密データを取り除く

  • 複数のソースからデータを収集、統合してデータレイクを形成する

  • 運用データベースからデータ ウェアハウスへフレッシュなデータをストリーミングし、ほぼリアルタイムでの分析を行う

  • インスタンスのメジャー バージョン アップグレードをほぼダウンタイムなしで実施する

公開プレビューの参加方法

まず、この機能のドキュメントリリースノートをお読みください。公開プレビュー中にこの機能を使用するには、新しい Postgres インスタンスを起動させ(バージョンは問いません)、ドキュメントの手順を実行してください。

-Cloud SQL プロダクト マネージャー Bala Narasimhan

投稿先