Memorystore に Redis 7.0 のバージョン サポートを追加

Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 11 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Memorystore は、オープンソースのインメモリ データベースである Redis と Memcached に対応したフルマネージドのキャッシング サービスです。Memorystore を使用すると、Google Cloud で構築されたアプリケーションで、オープンソースの Redis と Memcached を基盤とするインメモリ データストアを簡単に利用できるようになります。Memorystore for Redis では、高速自動フェイルオーバーを備えた、可用性が高くゾーンで冗長な Redis インスタンスをワンクリックで実現できます。
Memorystore のユーザー層が拡大するなか、Memorystore がオープンソース ソフトウェアの最新バージョンに対応することが重要になっています。そしてこのたび、Memorystore が Redis 7.0 に対応したことをお知らせいたします。これにより、次の機能と改良点が追加されます。
Redis Functions の導入
転送中の暗号化(TLS)のパフォーマンスの向上
Memorystore 用の新規 Redis インスタンスを Redis 7.0 バージョンで作成できるようになりました。また、こちらの手順に沿って Memorystore インスタンスを Redis 7.0 にアップグレードすることもできます。いつもと同様、既存のインスタンスをアップグレードする前に、バージョン リリースノートで互換性を破る変更がないか確認することをおすすめします。Memorystore の Redis 7.0 は一般提供が開始されています。
Memorystore の Redis 7.0 の新機能
Redis Functions
Redis Functions は、EVAL コマンドを介した Lua スクリプトを進化させた後継機能としてバージョン 7.0 で導入されました。これまで、アプリケーション デベロッパーは EVAL コマンドを実行するたびにスクリプト ロジックを再送信する必要がありましたが、Redis Functions によってスクリプト ロジックを Memorystore に保存できるようになります。この新しい設計には次のようなメリットがあります。
スクリプト ロジックの継続的な送信によって発生していたネットワーク帯域幅のオーバーヘッドが低減される
すべてのクライアント アプリケーションですべてのスクリプトのコピーを保持する必要がなくなる
エラーが発生したスクリプトのトラブルシューティングが簡素化される
Redis Functions の詳細については、公式ドキュメントをご覧ください。
転送中の暗号化のパフォーマンス向上
すべての Redis 7.0 インスタンスについて、転送中の暗号化のパフォーマンスもさらに最適化しました。Memorystore for Redis 7.0 の転送中の暗号化では、サービスの以前のバージョンと比較して最大 5 倍のスループットを実現し、レイテンシを 85% 低減できます。さらに、Redis 7.0 で転送中の暗号化を使用するインスタンスについて、すべてのインスタンス容量ティアの最大接続数が 65,000 になりました。以前のバージョンの Redis で転送中の暗号化を使用するインスタンスに関しては、引き続きこれより少ない最大接続数が適用されます。現在 Memorystore の転送中の暗号化を利用しているユーザーは、インスタンスを Redis 7.0 にアップグレードして、大幅なパフォーマンス向上というメリットを手に入れることをおすすめします。追加費用はかかりません。
次のステップ
今回の Redis 7.0 の発表に続き、今後の Redis 最新バージョン リリースのサポートも追加していきます。インスタンスをアップグレードする方法の詳細については、ドキュメントをご覧ください。また、こちらのベスト プラクティスを確認することもおすすめします。
- Cloud Memorystore、プロダクト マネージャー Matt Geerling
- データ マネジメント スペシャリスト Chris Mague