Datastream で Salesforce のインサイトを BigQuery に転送して統合分析
Dhirendra Sinha
Product Manager
※この投稿は米国時間 2025 年 3 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
現在、多くの企業が Software as a Service(SaaS)アプリケーションを使用しています。アクセス性とスケーラビリティに優れ、インフラストラクチャのオーバーヘッドを削減できることがその理由です。これらのクラウドベースのツールを使用することで強力な機能にすぐにアクセスできるため、企業は業務を効率化し、中核となるビジネス活動に専念できます。
ただし、企業が成長し、データのニーズが拡大するにつれ、複数のアプリケーションに分散している SaaS データにアクセスする必要が出てきます。貴重な情報がサイロ化されていると、ビジネス パフォーマンスの全体像を把握して情報に基づいたデータドリブンな意思決定を下すことが難しくなるため、大きな障害となります。さらに、SaaS 業界は断片化しており、それぞれのプロバイダが独自の API、認証方法、データ形式を使用しています。そのため、統合において複雑な課題が生じ、開発に多大な労力と費用がかかるだけでなく、セキュリティの脆弱性が発生する可能性もあります。
データを統合して統合ビューを確立
Salesforce Data Cloud(SFDC)は、顧客管理(CRM)のトップ ソリューションです。顧客とのやり取り、販売活動、マーケティング キャンペーンを包括的に把握できる SaaS アプリケーションとして広く利用されており、これにより企業はトレンドを特定し、将来の動向を予測することができます。ただし、企業がクラウド モダナイゼーションの取り組みを加速するにつれ、Salesforce からデータを効率的、確実、安全に抽出することが課題となっています。
それでも、データの真の全体像を把握することは必須です。SaaS データを運用データと統合することは「有益」なだけでなく「必要不可欠」であり、決然とした行動、運用効率、顧客の深い理解に必要な総合的な視点を提供します。そのため、高度な分析や生成 AI のために Google Cloud 内で Salesforce データを活用したいという要望が強くなっています。ただし、これを実現するために必要な統合は非常に複雑であるという問題があります。
そのため、Google は最近、Google のフルマネージド変更データ キャプチャ(CDC)サービスである Datastream を拡張し、Salesforce をソースとしてサポートするようにしました。現在プレビュー版として提供されているこの機能を使用すると、Salesforce への接続が簡素化され、変更を自動的に取得して BigQuery、Cloud Storage などの Google Cloud の宛先に転送できるようになります。Google は現在、Postgres、MySQL、SQL Server、Oracle などのオペレーショナル データベースからのリアルタイム データ レプリケーションをサポートしています。こうしたサポートを Salesforce まで拡張することで、お客様は Salesforce のデータを他のデータソースと簡単に結合して有益な分析情報を得られるようになりました。
Datastream の主なメリット
Salesforce Data Cloud のサポートにより Datastream がさらに充実し、さまざまな機能が追加されました。
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より優れた意思決定と実用的なインテリジェンス: Datastream の低レイテンシ レプリケーションにより、Salesforce データから最新の分析情報をビジネスに提供できます。
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スケーラビリティと信頼性: 大量のデータを処理できるように Datastream をスケールし、信頼性の高いレプリケーションを実現できます。
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フルマネージド: インフラストラクチャの管理やメンテナンスの心配が不要なため、中核的なタスクに専念できます。
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複数の認証方法: Datastream の Salesforce 接続は、OAuth 認証と、ユーザー名とパスワードによる認証の両方に対応しています。
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バックフィルと CDC のサポート: Datastream は、バックフィルと Salesforce ソースからの CDC(変更データ キャプチャ)の両方に対応しています。
Datastream で Salesforce ソースの使用を開始する
Datastream を Salesforce と統合することで、Salesforce CRM を使用してデータを包括的に把握できるようになります。データを Google Cloud に複製して分析することで、企業はより深い分析情報を引き出し、精度を向上させ、データ パイプラインを合理化できます。詳しくは、こちらのドキュメントをご覧ください。
-プロダクト マネージャー Dhirendra Sinha