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データベース

Spanner の完全に相互運用可能なマルチモデル データベースを使用した実際の成功事例

2026年4月16日
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Wenzhe Cao

Group Product Manager

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※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

生成 AI の基盤を築くマルチモデル データベースの力に焦点を当てた最初の投稿では、組織がデータベースのアーキテクチャと管理に対する従来のアプローチでもたらされる課題を克服するうえで、Google Cloud Spanner がどのように役立つかを説明しました。この投稿では、4 つの一般的なユースケースを取り上げて、具体的な例を詳しく見ていきます。

以下に挙げる 3 つの主要な戦略目標を達成するために、Spanner のマルチモデル機能を選択するお客様が増えています。

  • スケーラビリティと信頼性の基盤: グラフ、ベクトル、検索などに特化した多くの専用データベースは、従来の単一マシン アーキテクチャで構築されています。結果として、お客様はスケーラビリティ、可用性、整合性に関する根本的な課題に直面しています。限界に達したか、あと少しで達するため、お客様はこうした専用システムから移行しています。Spanner のすべてのデータモデルは、99.999% の可用性、自動スケーリング、無制限の水平スケーリングを提供する実証済みのプラットフォーム上に構築されており、新しい機能へと簡単に拡張できます。たとえば、既存のグラフスキーマにベクトル エンベディング列を追加するといったことが可能です。

  • 乱立するデータベースの統合と ETL の排除: 複数の異なるデータベースにそれぞれ独自のデータモデル、クエリ言語、バックアップ ポリシーがある場合、それらを管理、保護し、パッチを適用するのは、ユーザーにとって悪夢のような煩わしい作業になります。データを同期するために必要な抽出、変換、読み込み(ETL)パイプラインは、不整合や遅延を生み出すことが多く、特にストレスとなります。Spanner は、単一の統合データベースで複数のデータモデルを提供することで、この複雑さを解消し、余分なデータコピー、不整合、管理オーバーヘッドを排除します。さらに、Spanner の相互運用可能なマルチモデル機能により、デベロッパーは 1 つの SQL クエリを作成するだけで、リレーショナル テーブルを結合し、グラフ関係を走査し、ベクトル検索またはテキスト検索機能に対してフィルタを適用できます。

  • 進化するアプリケーション ニーズに適応する将来性: 多くのお客様は簡単なアプリケーションから始めますが、時間の経過とともに、よりスマートでより複雑なアプリケーションにする必要が生じることを認識しています。Spanner では、グラフベースのレコメンデーションや AI を活用したベクトル検索を後から追加できます。デベロッパーは、簡単なデータ定義言語(DDL)コマンドを使用して、運用データに対してグラフ機能や検索機能を簡単に有効化できます。Spanner を使用すれば、面倒な移行も複雑な再設計も不要で、成長の限界もありません。お客様は、信頼性の高いリレーショナル データベースを基盤として構築しながら、アプリケーションの進化に合わせて新しい高度なデータモデルをシームレスに追加できます。

ここでは、さまざまな業界のお客様が、Spanner の進化するマルチモデル機能を活用して、最も困難なデータ課題を解決し、早期に成功を収めている例をご紹介します。

1. 不正行為の検出

不正行為者は、複数のトランザクションやアカウントにまたがる複雑でわかりにくいパターンを悪用することがよくあります。従来のリレーショナル データベースでは、このような入り組んだ関係をリアルタイムで検出するのは容易ではありません。Spanner は、リレーショナル クエリとグラフ分析を組み合わせて、リアルタイムのパターン認識を実現します。これにより、企業は不正行為を示す可能性のある不審なクラスタや異常な接続を効率的に特定し、財務上の損失を大幅に削減してセキュリティを強化できます。

DANA: 急速に拡大する顧客ベースに対するマネー ロンダリング対策

DANA は、インドネシアを拠点とする電子ウォレット アプリで、融資、保険、投資などの支払いとデジタル金融サービスを提供しています。DANA は自社に不可欠なマネー ロンダリング対策(AML)の取り組みをサポートするために、Spanner Graph を採用しました。

  • 課題: 急速に拡大を続ける大規模なユーザーベースを持つ DANA は、トランザクションにおけるマネー ロンダリングのパターンを検出するために、既存のリレーショナル データベースを使用して、スケールしてクエリ パフォーマンス SLA を満たすのに四苦八苦していました。グラフ データベースで分析を行うように移行すればよいのは明らかでしたが、市場の多くのグラフ データベース プロバイダは、そのような規模には対応できませんでした。

  • ソリューション: 綿密な RFP プロセスを経て、その高可用性、実質無制限のスケーラビリティ、外部整合性から、Spanner が選ばれました。全文検索(FTS)とベクトル検索をグラフモデル内で直接使用できる機能が、重要な差別化要因となりました。

Palo Alto Networks: SaaS ID のアクセス グラフ

サイバーセキュリティの大手企業である Palo Alto Networks は、Spanner を活用して組織の ID 体制に関する分析情報を提供し、構成ミスや過剰な権限を持つアカウント、休眠アカウント、ローテーションされていない認証情報、ID プロバイダ(IDP)にないアカウントを検出しています。

  • 課題: チームは、データサイロを生み出すことなく高いスケーラビリティを確保しながらイノベーションを加速できる、AI 時代に対応する世界クラスのエージェント セキュリティ プロダクトを構築する必要がありました。

  • ソリューション: Spanner 上に「アクセスグラフ」を構築し、ユーザー ID、アクセス許可、関連するユーザー アクティビティを SaaS アプリケーション内で接続しました。Spanner では、グラフとグラフ以外の両方のユースケースに対して単一のスキーマをシームレスに使用して、大規模なスケールを実現できます。

Verisoul.ai: リアルタイムの偽ユーザー検出

Verisoul は、偽ユーザーを検出して防止するための AI を活用した統合プラットフォームを提供しており、アカウントが実在し、一意で、信頼できるものであることを保証します。

  • 課題: Verisoul は以前は、Postgres、Cassandra、Neo4j にわたる 10 種類の独立したサービスを構築、維持することで、ネットワーク インテリジェンス、デバイス インテリジェンス、行動データやセンサーデータ、メール、マルチ アカウンティングなど、さまざまな種類のデータを処理していました。この複雑さにより、最新の不正攻撃の速度、規模、高度化に対抗できるゼロレイテンシ検出を提供することが困難になっていました。

  • ソリューション: Spanner に統合することで、Verisoul は何百万ものアカウントを持つ何百もの顧客をリアルタイムでモニタリングし、すべてのログイン、ページビュー、クリック、マウスの動きを捕捉できるようになりました。Spanner により、グラフ、ベクトル検索、そして BigQuery とのシームレスな統合のためのオールインワン データベースが得られ、メンテナンスのオーバーヘッドを排除しながら、無制限のスループットの提供をすべてシンプルなアーキテクチャで実現することができました。

2. レコメンデーション エンジン

パーソナライズされたレコメンデーションは、消費者向けオンライン ビジネスの中核をなすものです。効果的なレコメンデーション エンジンを構築するには、膨大な量のユーザー行動データ、商品やサービスの属性、過去のインタラクションを分析する必要があります。Spanner の相互運用可能なクエリを使用すると、ユーザー プロファイル(リレーショナル)、インタラクション履歴(検索)、商品の類似性(グラフ)を組み合わせて、関連性の高いおすすめ表示をリアルタイムで生成し、ユーザー エンゲージメントの向上を促進し、コンバージョン率を改善できます。

Target: ベクトル検索とグラフ検索を組み合わせてギフトのおすすめを表示

Target は、生成 AI を活用した Gift Finder を使用して高度にパーソナライズされたギフトのおすすめを表示し、ホリデー シーズンのショッピング体験を向上させたいと考えていました。

  • 課題: アプリケーションは検索専用データベースで実行されており、表示するギフトのおすすめの内容は限定されていました。ショッピング体験をパーソナライズしてより良いものにするには、高度なアップグレードが必要でした。

  • ソリューション: Target は、汎用性の高いハイブリッド クエリモデルとなる Spanner Graph を選択しました。このソリューションは、グラフ走査機能とベクトル検索を独自のエンベディングと組み合わせて、直感的なリアルタイムの商品提案を実現します。これらすべてを、2025 年のブラック フライデーとサイバー マンデーの買い物商戦に間に合わせることができました。

True Digital Group: AI 検索を統合

タイの大手通信テクノロジー企業である True Digital Group は、ストリーミング メディアと印刷メディアの両方にわたる幅広い高品質なデジタル サービスと、顧客ロイヤリティの追跡を提供しています。同社の AI を活用したインテリジェント検索機能により、キーワードとユーザー インテントに基づいてコンテンツを正確に取得できます。

  • 課題: 複数のデータベースでスタックが断片化されていることで、データの更新頻度の低さ、整合性のないトークン化、複数のクエリ言語の混在、検索の品質低下などから、ユーザーは検索機能の使用を避けるようになっていました。

  • ソリューション: True Digital は、すべての検索機能を Spanner に統合しました。SQL を使用してキーワードとインテント ベースの検索結果を組み合わせることで、検索の関連性と精度が大幅に向上し、顧客エンゲージメントと満足度の向上につながりました。

3. ハイブリッド検索

情報検索は、事実に基づいた最新データで AI モデルをグラウンディングし、エージェント ワークフローを可能にする重要な架け橋です。多くの場合、ユーザーは法的文書、財務報告書、研究論文の膨大なコーパスを検索する必要があります。これはまるで、干し草の山の中から特定の針を探すようなものです。相互運用可能なマルチモデル Spanner は、ハイブリッド検索機能でお客様を支援し、AI モデルが任意の規模で最も関連性の高いコンテキストを正確に取得できるようにします。

Rogo: 財務ワークフローの自動化

Rogo は、独自の社内データと、ファイリング、PitchBook、LSEG、FactSet、S&P Capital IQ などの外部の金融情報源を接続し、財務担当者が提案資料の作成から投資メモの作成まで、ワークフローを自動化できるよう支援しています。

  • 課題: Rogo は、構造化形式と非構造化形式の両方にわたって、数十の情報源からデータを同時に取り込んで接続する必要があります。これをサポートする適切なバックエンドを見つけるのは簡単ではありませんでした。

  • ソリューション: Rogo は、その高いパフォーマンス、スケーラビリティ、管理のしやすさから、Google Cloud Spanner を選択しました。リレーショナル データとドキュメント ベースのデータの両方を 1 か所に保存してクエリを実行できるため、プラットフォームの成長に伴い、監査とメンテナンスが容易になりました。

Inspira: リーガル インテリジェンスのストリーミング

リーガルテックの大手企業である Inspira は、法的調査や一般的な労働力の最適化に特化した、AI を活用したソリューションを提供しています。同社のプラットフォームは、法律事務所、企業、政府機関にサービスを提供し、7,500 万件の法的文書と 4 億 4,000 万件のベクトルの膨大なリポジトリを管理しています。

  • 課題: Spanner に移行する前、Inspira は、Elasticsearch、BigQuery、Cloud SQL で構成された多言語対応システムに依存する、複雑で断片化されたアーキテクチャに苦慮していました。これにより、データの同期が複雑化し、キーワード検索とベクトル検索を組み合わせるために複雑な「2 段階」のクエリ フィルタリングが必要でした。また、レイテンシと高い読み取り / 書き込みスループットを犠牲にすることなく、10 億個を超えるベクトルをスケールする方法も必要でした。

  • ソリューション: こうした非効率性を解消するため、Inspira はスタック全体を Spanner に統合し、4.5 TB のデータ パイプラインを、統合された高パフォーマンスの信頼できる唯一の情報源へと大幅に簡素化しました。FTS とベクトル検索の両方をネイティブにサポートする Spanner を活用することで、ハイブリッド クエリにおいて「1 段階」のフィルタリングが可能になり、RAG ワークフローを使用した LLM ベースの法的分析において高精度のスニペットを実現しました。

4. 自律型ネットワーク運用

自律型ネットワーク運用(ANO)は、事後対応型メンテナンスから予防的な自己修復型ネットワークへの移行を意味します。ネットワーク トポロジの包括的なデジタルツインを作成し、リアルタイムの運用データと重ね合わせることで、通信事業者は根本原因分析を自動化し、異常を予測し、人手を介さずにネットワーク インシデントを解決できます。

MasOrange: デジタルツイン

MasOrange の ANO の取り組みの中心にあるのは、時間的デジタルツインです。これは、同社の全国規模のワイヤレス ネットワーク トポロジを、オペレーション サポート システム(OSS)やビジネス サポート システム(BSS)のデータとともに複製します。

  • 課題: MasOrange は、ANO スタックの基盤となる、ゼロ RPO / RTO の高可用性で無限にスケーラブルなグラフ データベースを必要としていました。複数の異なるソリューションの管理という運用上のオーバーヘッドのない、ベクトル検索や全文検索機能を求めていました。

  • ソリューション: MasOrange は、スケーラビリティと可用性の厳しい要件を満たしながら、完全に相互運用可能なグラフ検索、ベクトル検索、全文検索機能を提供できることから、Spanner を選択しました。現在、MasOrange のデジタルツインは Spanner 上で稼働しており、エンドツーエンドの異常検出と根本原因分析を強化しています。

今後の展望

スケール保証、高い信頼性、グローバルな整合性、さまざまなデータモデルを相互運用可能な方法で処理する汎用性を備えた Spanner は、エージェント ワークロードに対応できる将来を見据えたデータベースです。

Google は、データベースが単純な実装の詳細となり、デベロッパーは生産性の向上、運用効率の改善、ビジネス目標の達成に純粋に集中できるようになる未来を思い描いています。Spanner のページで詳細をご覧になり、詳細を確認して今すぐ始めましょう。

- グループ プロダクト マネージャー、Wenzhe Cao

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