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データベース

従来の Apache Cassandra スタックを廃止し、Spanner で未来志向の基盤を構築

2026年3月5日
Nitin Sagar

Product Manager

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※この投稿は米国時間 2026 年 2 月 20 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

従来の NoSQL 環境である Apache Cassandra などから Spanner へ移行するお客様が増えています。その戦略的な背景は明確です。総保有コスト(TCO)の大幅な削減、弾力的なスケーラビリティ、そしてほぼゼロに近い運用負荷です。

Cassandra Query Language(CQL)API を Spanner 上で利用できるネイティブ エンドポイントが一般提供されたことで、既存の Cassandra アプリケーションは、使い慣れた CQL をそのまま活用しながら、強整合性、事実上無制限のスケール、99.999% の可用性を備えた Spanner のエンタープライズ基盤を利用できるようになりました。

さらに、CQL インターフェースを用いた Spanner への移行は、通常、コードの 1 行を変更するだけで済みます。既存の CQL 文はそのまま有効だからです。Google が提供する統合型の高性能バルク マイグレーション ツールおよびライブ マイグレーション ツールと組み合わせることで、Cassandra から Spanner への移行はシンプルに実現できます。

NoSQL の先へ: Cassandra ユーザー向けの戦略的ソリューション

CQL API は移行を容易にしますが、Spanner は、従来の Cassandra アーキテクチャに内在するデータの完全性と運用上の制約そのものを解決します。

  • グローバル ACID トランザクション: 結果整合性に伴う懸念を最小限に抑えます。あらゆる規模においてデータの完全性を確保できるよう、包括的なグローバル ACID トランザクションを実現します。

  • 強力なインデックス: 強整合性のセカンダリ インデックスにより、複雑なクエリパターンにも対応できます。最適化が組み込まれており、完全性に関するリスクもありません。

  • 豊富な SQL: 結合や集計をサポートする高度な SQL インターフェースを活用できます。

  • 高い信頼性: リージョン構成では 99.99%、マルチリージョン構成では 99.999% の可用性を享受できます。

  • コンプライアンスとレイテンシ: 地域的パーティショニングにより、データ レジデンシ要件への対応を簡素化します。グローバルなユーザー基盤に対して、低レイテンシのローカル読み書きを提供できます。

  • 組み込みのオブザーバビリティ: 追加費用なしで、Google Cloud コンソール上から各種パフォーマンス指標やチャート一式にアクセスできます。

ネイティブ CQL エンドポイントは、既存の Cassandra アプリケーションを切り離し、Spanner の能力を最大限に活用してモダナイズするための明確な道筋を提供します。次に、Cassandra から Spanner へデータとアプリケーションを移行した後のステップを見ていきましょう。

ワークロードに合わせた Spanner の最適化

移行後は、以下の方法で Spanner 環境をワークロードに合わせて最適化できます。

1. コストと運用効率の最適化

ワークロードの特性

おすすめの解決策

主なメリット

書き込み負荷が高いトラフィック

スループットを最適化した書き込み

リクエストのバンドリングにより、書き込みスループットが最大 6 倍 に向上(レイテンシへの影響は最小限)。

トラフィックが変動または増減する

オートスケーラー

需要に応じて容量を自動調整し、過剰プロビジョニングによるコストを排除。

安定したベースライン容量が必要

確約利用割引(CUD)

定常的な運用コストを最大 40% 削減

ストレージ集約型ワークロード

階層型ストレージ(HDD)

費用対効果の高い HDD ストレージを活用し、長期的なストレージ費用を大幅に削減。

2. 低レイテンシの実現Spanner は、ミッション クリティカルかつ高並行性のワークロードを支えるため、継続的にパフォーマンスを強化しています。

  • シングルディジット ミリ秒のパフォーマンス: 読み取りおよび書き込みの両方で、常に 5 ms 未満のレイテンシを実現します。

  • 反復可能な読み取りの分離: 楽観的同時実行制御を活用し、読み取り中心かつ競合の少ないシナリオにおいて、レイテンシとトランザクション中断を低減します。

  • 読み取りリース: マルチリージョン構成において、リージョン間の調整を行わずに強整合な読み取りを可能にします。これにより、ノード効率とパフォーマンスを最大化します。

3. トラフィック急増への備えマーケティング施策のローンチや大規模データ取り込みなど、計画的なイベントに備えて、容量を事前に管理できます。

  • Manual split API: Spanner はは通常、自動でデータをパーティション分割しますが、事前分割機能を使うことで、ピーク負荷の前にデータ分散方法を正確に定義できます。これにより、新たに追加した容量を即座に活用でき、安定したパフォーマンスを確保できます。

4. 運用系と分析系のパイプラインを分離BI や ETL プロセスをコア業務処理から分離し、リソース競合を防ぎます。

Cassandra エコシステムを再構築する

Apache Cassandra から Spanner への移行は、複雑に絡み合ったサイドカー ユーティリティ群からアーキテクチャを切り離す戦略的な機会です。Cassandra 互換 API はあくまで入口にすぎません。真の価値は、運用上の「Cassandra 税」ともいえる負担を、統合されたマネージド型マルチモデル エコシステムへと集約できる点にあります。

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こちらは、TCO を大幅に削減しながら、パフォーマンスを大きく向上させるためのクイックガイドです。

1. コネクタを活用してスムーズに移行

Spanner Cassandra アダプタや各種コネクタを活用することで、管理レイヤーとアプリケーション レイヤーを、コード変更をほぼ伴わずに移行できます。これにより、移行初期の負担を最小限に抑えられます。

  • オーケストレーション: Spanner プロキシに付け替えることで、既存の Airflow DAG を維持できます。

  • アプリケーション フレームワーク: Spring Data Cassandra から Spring Data Spanner へ移行し、既存のリポジトリ パターンを保ちながら、より優れたトランザクション モデルを活用できます。

  • データ処理: Spanner のネイティブ CQL エンドポイントに接続するか、Spark 向けの専用 Spanner Connector を使用することで、Apache Spark の活用を継続できます。

2. ネイティブ統合でサイドカーを整理

Cassandra では運用面の「付き添い」レイヤーが不可欠ですが、Spanner はそれを自動化します。従来の保守ツールを段階的に廃止し、Spanner の高度な機能を活用できます。

  • アンチエントロピー: Cassandra Reaper を廃止できます。Spanner は Paxos ベースのレプリケーションにより整合性をネイティブに管理するため、手動のリペア サイクルが不要になります。

  • データ保護: MedusaSpanner ネイティブのバックアップに置き換えられます。脆弱な SSTable スナップショットから脱却し、信頼性の高いポイントインタイム リカバリ(PITR)へ移行できます。

  • オブザーバビリティ: 複雑な JMX エクスポータの代わりに Cloud Monitoring を利用できます。保守負債を増やす監視ではなく、Query InsightsLock Statistics といった高付加価値の指標に注力できます。

  • 統合検索: 外部の Elasticsearch サイドカーや複雑な ETL パイプラインを Spanner の全文検索で置き換えられます。これにより、インデックス同期の問題を解消できます。

  • モダンなストリーミング: 従来の CDC を Spanner 変更ストリームに置き換えられます。DataflowKafka とネイティブに統合できます。

  • グラフ分析: JanusGraphSpanner Graph に移行できます。複雑な ETL を介さずに、運用データに対して openCypher クエリを直接実行できます。

  • クエリ フェデレーション: Trino / Presto は、Data Boost を介した BigQuery Federation に置き換えられます。本番環境の I/O に影響を与えることなく、リアルタイムのトランザクション データと大規模なデータ レイクを結合できます。

Spanner のマルチモデルの強みで未来を築く

Spanner は、リレーショナル、Key-Value、グラフ、検索、ベクトル検索といった機能を 1 つの相互運用可能なプラットフォームに統合した常時稼働型のデータベースです。Spanner に移行することで、分断された複数データベースを管理する負担を解消し、統一されたデータ基盤の上で革新的なアプリケーションを開発できるようになります。新規アプリケーションの構築にも、既存アプリケーションのモダナイゼーションにも、Spanner の機能を最大限に活用できます。

今すぐ始めましょう

運用管理の負担から解放され、構築に集中する準備はできていますか?今すぐ移行を開始し、既存の Cassandra Query Language をそのまま活用しながら、Spanner の能力を体験してください。

  • Codelab: ネイティブ CQL エンドポイントを使ったハンズオンで、実践的なスキルを習得できます。

  • 無料トライアル: Spanner を 90 日間無料で試すことができます。あるいは、月額 65 ドルから、中断なくスケールできるプロダクション レディなインスタンスを開始できます。

  • 移行ガイド: 詳細な技術ドキュメントと包括的な移行リソースにアクセスできます。

- プロダクト マネージャー、Nitin Sagar

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