確約利用割引で可用性を高め、Bigtable の費用を最大限に活用する

Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 8 月 15 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Cloud Bigtable はあらゆる規模で高いパフォーマンスと高可用性を提供する、スケーラブルなフルマネージド NoSQL データベース サービスです。オペレーション ログや顧客データのほか、パーソナライゼーション、特徴量ストア、不正行為の検出といったユースケースの ML データセットなど、ミリ秒単位の低レイテンシ アクセスを必要とする大量のデータを保存する場合に適しています。
お客様は、Bigtable のビジネスの成長に合わせたニーズへの対応を可能にするスケーラビリティに期待し、ビジネス クリティカルなサービスに Bigtable を利用されています。Bigtable はすでに自動スケーリングなどの機能を通じて費用の最適化を提供し、お客様の費用管理をサポートしています。この目的を念頭に置き、Bigtable の利用を確約されるお客様の費用をさらに最適化する、確約利用割引のサービス開始を発表いたしました。確約利用割引を購入することで、Bigtable のコンピューティング容量が最大 40% 割引になります。
Bigtable の確約利用割引を利用した柔軟性
Bigtable の確約利用割引では、他の Google Cloud の確約利用割引と同様に、Bigtable のコンピューティング容量(Bigtable ノードで測定)を 1 年間または 3 年間継続的に使用することを確約することで、大幅な割引料金を利用できるようになります。1 年間のコミットメントは 20% 割引となります。3 年間のコミットメントは 40% 割引となります。Bigtable の確約利用割引は、Bigtable が利用可能なすべてのリージョンでご利用いただけるようになりました1。
Bigtable の確約利用割引は、Bigtable のコンピューティング ノードに対する費用ベースで、すべてのリージョンとプロジェクトに柔軟に適用されます。費用コミットメントは、Bigtable インスタンスが配置されているリージョン、または Bigtable クラスタを配置することを選択したリージョンに適用できます。
コミットメントの柔軟性による高可用性とワークロードの分離
コミットメント割引により、レプリケーションに使用できる費用を確保できます - 40% の確約利用割引により、Bigtable のフットプリントが 2 倍になります。
Cloud Bigtable のレプリケーションにより、データの可用性と耐久性を向上させることができ、ワークロードの分離やゼロタッチ フェイルオーバーなどの機能が実現されます。レプリケーションによって Bigtable インスタンスを拡張するということは、ゾーン間、そして潜在的にはリージョン間に Bigtable クラスタが追加されることになります。Bigtable は、最大 40% の確約利用割引により、費用を最適化して Bigtable のレプリケーション機能を活用し、サービスの可用性を世界中に拡大するのに役立ちます。
サービスを提供するアプリケーションをバッチ読み取りから分離
単一のクラスタ上で、多数の大規模読み取りを実行するバッチ分析ジョブを、読み取りや書き込みを実行するアプリケーションと並行して実行すると、大規模バッチジョブがアプリケーションのユーザーにとって処理を遅くする可能性があります。レプリケーションを使用すると、バッチ分析ジョブとアプリケーション トラフィックを別々のクラスタにルーティングすることでワークロードを分離し、バッチジョブがアプリケーションのユーザーに影響を与えないようにできます。
データのグローバル プレゼンスの確保
世界中の場所にレプリケーションを設定して、データをお客様の近くに配置できます。たとえば、米国、ヨーロッパ、アジアに複製されたクラスタを含むインスタンスを作成し、アプリケーション トラフィックを最も近いクラスタにルーティングできます。
確約利用割引を使用する最適なタイミング
Bigtable の確約利用割引は、Bigtable のコンピューティングに対する費用に、1 年または 3 年の期間を確約できると予測可能な場合に適しています。例をいくつか見てみましょう。
us-central1(アイオワ)と us-west2(ロサンゼルス)の異なるリージョンに 2 つのクラスタがある Bigtable インスタンスがあるとします。us-central1 のクラスタが 10 ノード、us-west2 のクラスタは 20 ノードです。
注: これらは参考料金です。現行の料金については、Cloud Bigtable の料金をご覧ください。
us-central1 での費用: 10 ノード × 1 ノードあたり $0.65/時間 = $6.50/時間
us-west2 での費用: 20 ノード × 1 ノードあたり $0.78/時間 = $15.60/時間
すべてのリージョンの合計費用: $6.50 + $15.60 = $22.10/時間
この先 1 年以上、$22.10/時間以上の費用が継続的に発生することが予想される場合は、この金額でのコミットメントが可能です。コミットメントを購入する際に、1 時間あたりのオンデマンド コミットメント金額として「$22.10」を入力します。
逆に、いつかクラスタをスケールダウンすることが想定される場合は、コミットメント金額を減らします。コミットメント金額を超える費用はオンデマンド料金で請求されます。
この例では、1 時間あたり $22.10 のコミットメントを設定するとします。次に、コミットメントの期間を選択します。
比較のために、コミットメントの割引を適用せずに、選択したコミットメント料金で Bigtable ノードの使用量をオンデマンド料金で計算します。
オンデマンド料金に基づく月額費用: $22.10/時間 × 730 時間 = $16,133/月
ここから、1 年間のコミットメントの 20% の割引が適用された月額料金と月あたりに節約される費用の金額を計算して、正規料金を 1 年間支払った場合と比較してみましょう。
1 年間、$22.10/時間のコミットメントの場合の月額費用: ($22.10/時間 - 20% 割引) × 730 時間 = $12,906.40/月
月あたりに節約される費用の合計額: $16,133 - $12,906.40 = $3,226.60
1 年間、$22.10/時間のコミットメントで節約される費用の合計額: $3,226.60/月 × 12 か月 = $38,719.20
同様の方法で、3 年間のコミットメントの 40% の割引が適用された費用と節約される金額を計算して、オンデマンド料金と比較できます。
3 年間、$22.10/時間のコミットメントの月額費用: ($22.10/時間 - 40% 割引) × 730 時間 = $9,679.80/月
月あたりに節約される費用の合計額: $16,133 - $9,679.80 = $6,453.20
3 年間、$22.10/時間の CUD で節約される費用の合計額: $6,453.20/月 × 36 か月 = $232,315.20
今後数年間で想定される Bigtable の最小使用量をカバーするコミットメントで、大幅な節約を実現できます。
その他のリソース
Bigtable の確約利用割引について詳しくは、Google のドキュメントをご覧ください。Bigtable の料金情報については、料金ページをご覧ください。
1. 一部のリージョンについては、割引の対象外をご覧ください