Agentic Data Cloud の新機能:「System of Action」を実現

Andi Gutmans
VP/GM, Data Cloud, Google Cloud
Yasmeen Ahmad
Managing Director, Data Cloud, Google Cloud
※この投稿は米国時間 2026 年 4 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
企業は単に質問に答えるだけの生成 AI から、自律的に状況を認識し、推論し、ユーザーに代わって行動する「自律型エージェント」へと転換期を迎えています。これらのエージェントをレガシー スタック上で拡張しようとすると、ガバナンスの断片化、信頼性の欠如、寸断された推論ループといった構造的な問題が露呈し、コストの急増を招くことがあります。
これらの課題を解決するために、 Google Cloud は Agentic Data Cloud を発表します。これは、エンタープライズ データ プラットフォームを静的なリポジトリから動的な推論エンジンへと進化させる、 AI ネイティブ アーキテクチャです。これにより「思考」と「行動」の間のギャップを埋め、 AI エージェントがビジネス データとコンテキストに基づいて自律的に行動することを可能にします。前世代のシステム オブ インテリジェンス(System of Intelligence)は人間が扱う規模を想定し構築されていましたが、Agentic Data Cloud はエージェントによる大規模な処理を前提とした「行動のシステム(System of Action)」へと進化させました。
すでに多くの先進的な企業が、Agentic Data Cloud を使用して具体的な価値を創出しています。
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Vodafone は、顧客にシームレスなサービスを提供すべく、数百のエージェントを導入し、年間数百万ユーロのコスト削減を見込んでいます。
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American Express は、基幹オンプレミス データ ウェアハウスと数百の本番 アプリケーションを BigQuery に移行し、大規模で信頼性の高い「エージェンティック コマース」を推進しています。
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Virgin Voyages は、1,000 以上の専門 AI エージェントを活用しており、そのうちの 1 つは大規模な旅程の再予約にかかる時間を 6 時間からわずか 11 分に短縮しました。
本日、 Google Cloud は Agentic Data Cloud を強化する 3 つの新しいイノベーションを発表します。
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ユニバーサル コンテキスト エンジンは、エージェントに信頼性の高いビジネス コンテキストを提供し、精度を向上させます。
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エージェント ファーストの開発者体験により、データ担当者や開発者の役割をエージェントのオーケストレーターへと進化させます。
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AI ネイティブなクロス クラウド レイクハウスがデータ資産全体を接続し、データサイロを排除します。
ユニバーサル コンテキスト エンジンでエージェントを強化
AI の有用性は、そのコンテキストに依存します。エージェントが企業独自の「粗利」の定義や、複雑なサプライチェーンの相関関係を理解していなければ、正確な判断は下せません。エージェンティック エンタープライズの時代において、データだけでは不十分であり、従来のガバナンス モデルも十分ではありません。Google Cloud は、Dataplex Universal Catalog を Knowledge Catalog へと進化させました。これは、集約、継続的なエンリッチメント、および検索という厳格なフレームワークを用いて、データ資産全体にわたるビジネス上の意味をマッピングし、推論します。
仕組みは以下の通りです。
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集約:真のコンテキストを構築するには、あらゆる場所から情報を集める必要があります。Google Cloud およびパートナーのデータ プラットフォーム全体からネイティブ コンテキストを集約しています。これには、サードパーティのカタログ、アプリケーション、オペレーティング システム、および Palantir、Salesforce Data360、SAP、ServiceNow、Workday(プレビュー)などの AI プラットフォームが含まれます。Google Cloud のレイクハウスを使用することで、サードパーティのデータ資産を Knowledge Catalog へ自動的にマッピングします。Google Cloud のデータソースについては、戦略ドキュメントからセマンティクスを自律的に生成する新しい LookML Agent(プレビュー) や、ビジネス ロジックをプラットフォームにネイティブに埋め込む BigQuery measures(プレビュー)によって、ビジネス ロジックの自動化を実現します。
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継続的なエンリッチメント: Knowledge Catalog は、組織全体の利用ログの分析とバックグラウンドでのデータをプロファイリングを通じて、継続的なエンリッチメントを提供します。これにより、データが「何であるか」だけでなく、企業内で「実際にどのように使用されているか」を学習します。この機能は非構造化データにも対応します。Google Cloud Storage にファイルが保存された瞬間に、Smart Storage(プレビュー) が瞬時に画像にタグを付け、エンリッチメントを実行します(PDF オブジェクトも近日対応予定)。また、Knowledge Catalog は有用な非構造化データのコレクションを特定し、Gemini を使用して欠落しているスキーマを自動生成して複雑な関係性をマッピングすることで、AI がコンテキストを把握できない「視界不良」の状態を防ぎます。
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検索とリトリーバル: 膨大なコンテキスト レイヤーの構築は重要ですが、エージェント時代において、検索は新しいクエリ パスへと進化しました。エンタープライズ スケールにおける大きな課題は、速度、関連性、グローバルなリーチ、そしてセキュリティです。これらを解決するため、Knowledge Catalog は Google 検索のイノベーションを基盤とした高度なハイブリッド検索スタックを採用しています。高い関連性を実現するために、セマンティック マッチングとレキシカル(語彙)マッチングを、機械学習ベースのインテリジェントなリランキングと組み合わせています。また、信頼性を確保するため、アクセス制御を考慮した検索によってセキュリティ権限をネイティブに適用しており、エージェントは権限を持つ資産のみを取得し、操作することができます。この高精度なインフラストラクチャにより、信頼できるコンテキストを即座に特定し、特化型エージェントに提供することが可能になります。
Knowledge Catalog は Deep Research Agent(プレビュー版)を強化しています。Gemini Enterprise で利用可能なエージェント群の一部であるこのエージェントは、 BigQuery などの Google Cloud データ プラットフォーム、社内文書、ウェブ資産にわたって多段階の推論を行い、これまで数週間の手作業を要していた複雑な問いに対し、引用元を伴う正確な回答を提示します。
エージェント ファーストな開発者体験
この新しいアーキテクチャへの移行に伴い、データ担当者の役割は、手動でパイプラインを構築することから、「意図(インテント)」に基づいたエンジニアリングをオーケストレーション(統括および制御)することへとシフトします。
この移行を加速させるため、 Google Cloud Data Agent Kit(プレビュー版) を提供します。これは新しいインターフェースを導入するのではなく、 VS Code、 Gemini CLI、 Codex、 Claude Code といった開発者が使い慣れた環境に組み込めるポータブルなスキル、ツール、環境固有の拡張機能、および組み込みプラグインのスイートを提供します。これにより、 IDE やノートブック、またはエージェント型ターミナルがネイティブなデータ環境となり、 dbt、 Apache Spark、 Apache Airflow などの適切なフレームワークを自動選択し、 Google のベストプラクティスに基づいた本番環境対応のコードを生成しながら、幅広いビジネス成果を自律的に運用できます。
このキットは単にツールを接続するだけではなく、データを移動させることなく、ペタバイト規模まで拡張可能な高パフォーマンスな機能を開発者のフローに直接組み込みます。Data Agent Kit は、Google 独自のビルトイン エージェントを動かしているものと同じ次のスキルやツールが含まれています。
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Data Engineering Agent(一般提供):複雑なパイプライン変換をゼロから構築し、不良データが本番環境に混入しないようガバナンス ルールを自動適用します。
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Data Science Agent(一般提供):データの前処理からトレーニングまで、モデルのライフサイクル全体を自動化し、BigQuery Dataframes および Serverless Apache Spark 上でスケーラブルに処理を実行します。
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Database Observability Agent(プレビュー版):24 時間 365 日体制でインフラを監視し、根本原因の診断とデータベースの修復を実行します。
さらに、エージェントのスムーズな実行を支援するため、Google Cloud は Model Context Protocol(MCP)を全面的に採用しました。MCP はあらゆるエージェントがデータ資産を検出および利用できる、セキュアなユニバーサル インターフェースを提供します。対応するコア エンジンには、BigQuery、Spanner(プレビュー版)、AlloyDB、Cloud SQL(一般提供)、 Looker MCP(プレビュー版)が含まれます。また、 Google Cloud 向け MCP は Google のセキュリティ スタックを使用しており、既存の IAM ポリシー、 VPC Service Controls 、およびデータ レジデンシー要件に基づいて、エージェントのインタラクションを管理します。
また、Conversational Analytics によってビジネス ユーザー体験を再定義します。BigQuery(一般提供)、Cloud SQL、Spanner、 AlloyDB(プレビュー版)、および Looker(一般提供)に対応しており、組織はこれらのカスタム分析エージェントを Gemini Enterprise で公開するだけで、従業員が使い慣れたインターフェースでライブ データと対話できるようになります。技術的な障壁を取り除くことで、手動レポート作成に費やしていた数週間という待ち時間を排除し、ビジネスを「思考のスピード」で加速させます。
エージェント スケールに合わせて構築されたクロス クラウド基盤
エージェントが行動するには、オープンな基盤が必要です。エージェントがクラウド間の遅延によってブロックされたり、特定のベンダー環境に囲い込まれた場合、その自律性は損なわれます。そのため、データがどこに存在していてもその価値を解き放つことができる、真に境界のないクロス クラウド レイクハウスを導入します。
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分析基盤の接続:Cross-Cloud Interconnect(CCI)をデータ プレーンに直接統合します。 CCI の専用高速プライベート ネットワークと Apache Iceberg REST Catalog を組み合わせることで、低遅延で膨大なエグレス費用なしにクラウド間の接続を実現します。その結果、エージェントは AWS や Azure 上のデータを、まるで Google Cloud のローカル データであるかのようにシームレスなクロス クラウド アクセスで利用できます。
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独自サイロの解消:特定ベンダーに依存したカタログの時代に終止符を打つべく、オープン フェデレーションを推進し、双方向フェデレーション(プレビュー版) を開始します。Iceberg REST Catalog により強化された、Amazon S3 上の Databricks Unity Catalog(プレビュー版)、 Snowflake Polaris(プレビュー版)、および Amazon S3 上の AWS Glue Data Catalog(プレビュー版)からエンジンが直接読み取れるようになります。これは強化された Lakehouse Governance(プレビュー版) によって補強され、セキュリティ ポリシーとアクセス制御がこの境界のない環境全体に即座に適用されます。
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運用データの解放:世界で最もスケーラブルかつグローバルに一環したデータベースを、あらゆる場所で利用できるようにする Spanner Omni(プレビュー版) を発表します。これにより初めて、Googleの 運営を支える Spanner エンジンをクラウド、オンプレミス、あるいはあなたの PC など、あらゆる場所で、実行可能にします。
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インサイトからアクションへのギャップを埋める:インサイトとアクションの間のギャップも解消します。多くの「統合」データ プラットフォームでは、複雑な ETL パイプラインの作成を必要とし、エージェントがリアルタイム データにアクセスすることを妨げています。 AlloyDB 向けレイクハウス フェデレーション(プレビュー版) により、プロトコル レベルのゼロ ETL 同期を提供することでこれらのパイプラインを排除し、エージェントが運用トランザクションにおいて低遅延で蓄積された膨大な分析データにアクセスできるようにします。
未来の自動化に向けて
エージェント規模への移行により、ワークロードは桁違いに増加します。これをサポートするため、 Google は 4 つの主要なパフォーマンスのブレークスルーを発表します。
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Lightning Engine for Apache Spark は、市場の競合製品と比較して、最大 2 倍のコスト パフォーマンスを実現します。
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Managed Lustre は、最大 10 TB/s のスループットを実現し、要求の厳しいモデルに対してデータを十分な速度で処理します。
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Bigtable のインメモリ ティアにより、リアルタイム アプリケーション向けにミリ秒未満の読み取り遅延を提供します。これにより、個別のキャッシュ層が不要になります。
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BigQuery fluid scaling により、オートスケーリングが適用されるワークロードにおいて、コストを平均で最大 34% 削減します。エージェントの行動に合わせて瞬時にリソースをスケールアップし、不要な時にはスケールダウンします。
System of Action で成功を築く
受動的なデータ観察の時代は終わりました。これからのビジネスは、Google Cloud の Agentic Data Cloud が実現する「System of Action」によって思考と同じ速さで動きます。
Agentic Data Cloud の詳細や、System of Action を通じて自律型エージェントを加速させるためのデータ準備については、戦略ワークショップにお申し込みください。
Agentic Data Cloud の詳細については、受動的なデータを能動的なアクションへと変えるための設計図についてご覧ください。

