Mixpanel と BigQuery でサイロを解消し、誰もがデータ分析情報を利用できるようにする
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2024 年 1 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
編集者注: この投稿は、Built with BigQuery を活用したパートナー様をご紹介するシリーズの一部です。
昨今のデジタル環境おいて、豊富なデータはアセットであり、課題でもあります。企業は大量の情報にアクセスできても、こうしたデータを効果的に活用することは簡単ではありません。データがさまざまなソースに分散されていると、データを収集してまとめて分析することが難しくなります。また、データにすぐにアクセスできる状態であっても、データの解釈ではいくつものボトルネックが生じます。チームは、技術スキルを身に付ける(SQL に習熟するなど)か、多忙なデータ アナリストが分析情報を提供してくれるのを辛抱強く待たなければなりません。このようなプロセスは最終的に意思決定を遅らせ、プロダクト チームとマーケティング チームの進歩が阻害されることになります。
こうした状況で役立つのが Mixpanel と Google Cloud です。Google Cloud BigQuery を使用すると、データを単一のスケーラブルなリポジトリで一元管理して、正確な分析に向けてデータの整合性と完全性を確保できるようになります。同時に、Mixpanel を使用すると、データ分析が容易になります。プロダクト チームとマーケティング チームが高度な技術スキルを持っていなくても、簡単な探索的分析を独自に実施できるため、より多くの情報に基づく迅速な意思決定につながります。
このたび、Mixpanel の Warehouse Connectors メジャー リリースにより、Google Cloud と Mixpanel のインテグレーションの設定と管理が簡単になりました。このインテグレーションを通して、BigQuery の信頼できるデータで Mixpanel のプロダクト データとマーケティング データを拡充すれば、プロダクトとマーケティングの取り組みを具体的なビジネス成果につなげるための包括的な見解を得ることができます。
同時に、Mixpanel のプロダクト データを BigQuery で一元管理して Google エコシステムで付加価値を生むこともできます。たとえば、Google Cloud の Vertex AI と統合すれば、ML モデルを強化できます。チームはプロダクト データを使用して、より正確なモデルを費用効果の高い方法で大規模にトレーニングして、カスタマイズされた推奨事項、ユーザーのセグメンテーション、予測分析に利用できます。
Mixpanel と BigQuery によって実現される主要なビジネス ユースケースの例をいくつかご紹介します。
チームが Mixpanel と Google Cloud を活用する 4 つの方法
ユーザーによるプロダクトの利用状況を把握する
プロダクト インタラクション データは豊富にありますが、実際に役立つ分析情報の元となるのは、さまざまなアクションをまとめた総合的なユーザー エクスペリエンスです。BigQuery からのプロダクト データを使用すると、Mixpanel でユーザー経路を可視化し、パワーユーザーをセグメント化してコンバージョン推進要因を確認できるようになります。プロダクト チームはそうしたデータを利用して、ロードマップの優先順位付け、チーム間の調整、効果の測定を行えます。
マーケティング費用の費用対効果を最適化する
Mixpanel と BigQuery を使用すると、マーケティング担当者は、認知度戦略とコンバージョン戦略の最適化に不可欠なデータに迅速にアクセスできるようになります。また、直帰率などの KPI の分析や、アトリビューションとキャンペーンのパフォーマンスの詳細な調査によって、より多くの情報に基づいた意思決定を行えるようになります。さらに、マーケティング担当者は、顧客とのやりとり、顧客の購入履歴や好みといった CRM データを活用することで Mixpanel 分析を強化して、よりパーソナライズされた手法でキャンペーンを調整することもできます。BigQuery のこの一元化された部門横断的なデータを Mixpanel と同期させることで、マーケティング担当者はユーザーを総合的に把握できるようになります。キャンペーンのパフォーマンスだけでなく、顧客エンゲージメントやプロダクト利用率に対するキャンペーンの効果も明らかになり、さらに効果的で顧客中心のマーケティング戦略につながります。
重要な収益内訳を確認し、イニシアチブをビジネスへの効果につなげる
収益を最終結果として、各チームが現在どれくらいの成果をあげているかを自分たちで認識できるようにすることは、組織に多くのメリットをもたらします。収益データを BigQuery から Mixpanel に引き出すことによって、誰もが効果を確認できるようになります。収益チームは、競合他社の成約率や複数の地域におけるディール規模の平均値といった基本的な質問に簡単に答えられます。一方、プロダクト チームとマーケティング チームは、最大の収益に貢献したキャンペーンの特定や、高い費用をかけている顧客に最も利用されている機能の識別など、チームの取り組みをビジネスへの効果に結び付けることができます。
ML を活用してプロダクト戦略を強化し、成果を予測する
BigQuery を通して Mixpanel のプロダクト データを Vertex AI に統合することで、組織は ML の力を活用し、プロダクト開発のための予測的な分析情報を得ることができます。Vertex AI は、プロダクトの使用状況、顧客の行動、市場の動向におけるパターンを分析して、チームが需要の予測、見込みがあるプロダクト強化の特定、ユーザー エクスペリエンスのカスタマイズを行えるようにします。プロダクト チームとマーケティング チームは、こうした分析情報を利用して戦略を調整し、価値の高いユーザーを引き付ける機能や、収益を大きく高める機能に注力できるようになります。


このパートナーシップが顧客にもたらすメリット
Mixpanel と Google Cloud のパートナーシップを通して、包括的で信頼できるデータが一つにまとめられ、そこから誰もが分析情報を取り出せるようになりました。この組み合わせによって、データは手の届かないものではなくなり、特定のテクニカル チームに頼って皆からの質問に答えてもらうものでもなくなりました。
「Google Cloud とのパートナーシップは、すべての人が詳細な分析を利用できるようにするという当社のビジョンを基盤としています」と、Mixpanel のプロダクトおよびデザイン担当バイスプレジデントの Neil Rahilly 氏は述べています。「Mixpanel のセルフサービスの分析と、Google BigQuery の信頼性の高い広範なデータを組み合わせることで、すべてのチームが以前より素早く効率的にデータにアクセスできるようになり、よりスマートな意思決定が全社にわたり促進されています。」
利用の開始をご検討の場合、今すぐ Mixpanel をお試しいただけます。また、BigQuery の詳細もご覧ください。
ISV とデータ プロバイダにとっての Built with BigQuery のメリット
Built with BigQuery は、Mixpanel などの企業が Google データと AI クラウドを使って革新的なアプリケーションを構築するお手伝いをします。参加企業には以下のメリットがあります。
- 専任のエキスパートから、重要なユースケース、アーキテクチャ パターン、ベスト プラクティスに関するインサイトを得ることによって、プロダクトの設計とアーキテクチャの構築を加速できます。
- 共同マーケティング プログラムを利用して、認知度の向上、需要の創出、導入の拡大を図り、より大きな成功を実現できます。
BigQuery は、Google Cloud のオープンかつ安全でサステナブルなプラットフォームに統合された、パワフルでスケーラビリティの高い統合 AI レイクハウスのメリットを ISV に提供します。Built with BigQuery の詳細については、こちらをクリックしてください。
-Mixpanel、プロダクト担当ディレクター Vijay Iyengar 氏
-Google Cloud、業界間パートナーシップ担当リード Manav Bhatia