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データ分析

Built with BigQuery: 東南アジアのブランドにマーケティングと顧客データの統合データ ウェアハウスを提供する Datalaksa

2022年12月16日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 12 月 2 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: この投稿は、Built with BigQuery を活用したパートナー様をご紹介するシリーズの一部です。


Datalaksa は、Persuasion Technologies が開発した、マーケティングと顧客データの統合データ ウェアハウスです。Persuasion Technologies は、ビッグデータ分析とデジタル マーケティングのコンサルタント会社で、東南アジア全域の顧客にサービスを提供しています。Datalaksa を利用すると、マーケティング チームは各マーケティング チャネルのデータを統合してキャンペーンを最適化し、マーケティングの自動化システムや配信システム全体で分析情報に基づく対応を取ることができます。

この投稿では、Persuasion Technologies がどのように Google BigQuery と Google の他のデータクラウド プロダクトを活用して、高い柔軟性を備え、迅速なセットアップと顧客のニーズに合わせた拡張が可能なソリューションを構築したかをご紹介します。

Persuasion Technologies は顧客との密接なコラボレーションを通じて、顧客が複数のチャネルにわたるキャンペーンを最適化する際に直面する課題を、直接体験しました。Persuasion Technologies のディレクターである Tzu Ming Chu 氏は次のように話しています。「マーケティング チームと CRM チームは、マーケティング チャネル全体に及ぶ意思決定を後押しする分析情報がなかなか得られないと感じています。サイロ化したシステムに多様な価値あるデータが増え続けると同時に、そのデータを統合して分析するチームがかつてないほど必要とされています。キャンペーンの計画が不完全だったり、時間がかかりすぎたりして、キャンペーンを実施しても効果が薄く、最終的に売上の減少や機会損失を招くことが非常に多いのです。」

あらゆる規模のマーケティング チームが、同じような課題に直面しています。

  • 技術スキルやリソースの獲得。さまざまなソースのデータを統合するには、要件の精査、ソリューションの設計、データソースをつなぐパイプラインの構築、データモデルの開発、データ品質の確保などを行う、スキルを備えた稀少な技術リソースが必要です。また、機械学習(ML)には、高度な分析情報の生成モデルを開発するデータ サイエンティストと、それらのモデルを常に更新し、必要なスケールでスコアリングに使用できるようにする ML Ops エンジニアが必要です。

  • テクノロジーの利用。中小企業ではデータ ウェアハウスがまったくない場合もありますが、データ ウェアハウスがある大企業であっても、データ ウェアハウスを利用し、適切なリソースを割り当てることは時間のかかる困難なプロセスとなります。多くの場合、各地域のニーズに対応できる柔軟性が不足し、提供できるものにも限界があります。

  • 使いやすさ。適切に設計されたデータ ウェアハウスであっても、データチームやマーケティング チームがデータを掘り下げる方法を理解していなければ、ほとんど利用されない可能性があります。直感的なデータモデル、ビジネス ユーザーがデータを検索、変換、可視化できる使いやすいインターフェース、分析情報を自動生成し、結果を予測する AI モデルの活用がなければ、そのメリットは完全には認識されないでしょう。

  • 柔軟性。マーケティング チームはそれぞれ異なります。独自の要件、データソース、ユースケースがあり、時間とともに進化し、拡大しています。多くの既成ソリューションには、各ビジネスに固有のニーズに対応する柔軟性が足りません。

このような課題がある中、Persuasion Technologies チームは、繰り返し可能な方法で顧客を支援できる機会を見出しました。それにより、すべての顧客が豊富なデータ ウェアハウス機能に簡単にアクセスできるようにして、プロダクト中心の新しいビジネスと収益の流れを作れるようにしました。

マーケティングと顧客データの統合データ ウェアハウス、Datalaksa

Datalaksa は、マーケティング チームが複数のチャネルのマーケティング データと顧客データを簡単、安全、スケーラブルにクラウドデータ ウェアハウスに統合できるようにするソリューションです。その高度な機能で、実用的な分析情報を導き出し、キャンペーンの効率と効果を高める措置を講じられるようにします。

Datalaksa には、Google マーケティング プラットフォーム、Facebook 広告、e コマース システムなど、幅広いプラットフォームからデータをインポートするためのデータコネクタが最初から用意されています。つまり、マーケティング チームは、インテグレーションの構築と維持に必要な、費用の高い少数の技術リソースに頼らなくても、迅速かつ簡単に複数のチャネルのデータを統合できます。

Datalaksa は、分析情報を得るまでの時間を短縮するため、コホート分析、顧客のクラスタリング、キャンペーンに関する推奨事項、ライフタイム バリュー モデルなど、マーケティングの主要なユースケースに対応した、構築済みのデータモデル、機械学習モデル、分析テンプレートを提供しています。これらはすべてシンプルで直感的なユーザー インターフェースにまとめられているため、マーケティング チームはデータの検索、変換、拡充、分析を簡単に実行できます。その結果、データから価値を創出するまでの時間が短縮されます。

よく「行動を伴わない分析情報には価値がない」と言われます。Datalaksa のユーザーがこのような状況に陥らないよう、このソリューションは通知で行動を促し、オーディエンス セグメンテーション ツールを使用可能にしているだけでなく、Salesforce Marketing Cloud、Google 広告、e コマース システムなどのマーケティング自動化システムと統合することができます。

たとえば、SQL クエリでしきい値と条件を設定して「在庫切れ」や「在庫僅少」の通知メールを関係チームに送信したり、商品のおすすめアルゴリズムを自動的に更新して、在庫のある商品を提案したりすることができます。また、組み込みコネクタを通じて、TikTok、Google 広告、LinkedIn、Facebook、Instagram といったプラットフォームの広告購入オーディエンスを自動的に更新し、顧客オーディエンス セグメントを有効化できます。これらの処理は、定期的にスケジュールして更新できます。

これらはすべて、Google の BigQuery とデータクラウド プロダクトを使用して構築されています。

Datalaksa が Google Cloud と BigQuery を選んだ理由

Tzu 氏によると、Datalaksa で Google Cloud と BigQuery を使用することは簡単に決まったそうです。「より効果的に、業界をリードするデータ ウェアハウジング機能と分析機能をお客様に提供できるようになりました。しかも、Google を含む多くの主要マーケティング システムと驚くほど簡単に統合できます。これは、最初の設計、構築時だけでなく、継続的なサポートやメンテナンスにおいても同様に、時間と費用の直接的な節約になります。」

Persuasion Technologies のストーリーは、深い専門知識、顧客への共感、革新的な思考から生まれたものですが、データドリブン アプリケーションの構築を目的とする BigQuery と Google Cloud のエンドツーエンド プラットフォームもまた、同社の成功の重要な部分を占めています。

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  • 世界クラスの分析。Persuasion Technologies は、Datalaksa の要として BigQuery を活用することにより、フルマネージドでペタバイト規模、そして世界クラスの分析ソリューションを 99.99% の SLA ですぐに顧客に提供できるようになりました。さらに、Cloud Data Loss Prevention のような統合されたフルマネージド サービスにより、ユーザーは重要なデータを検出、分類、保護することができます。これはスタートアップにとって大きなメリットです。専門知識を商品に組み入れ、顧客のための価値創出に集中できるようになります。

  • 業界トップクラスの ML と AI を搭載。高度な機械学習機能を顧客に提供するため、Datalaksa は BigQuery ML を使用しています。その名のとおり、BigQuery ML は BigQuery に組み込まれているので、幅広い高度な ML モデルを簡単に活用できるうえ、データ ウェアハウスと別の ML システムとの間でデータを移動させる必要がなく、開発期間と費用をさらに削減できます。しかも、SQL 構造を使った機械学習モデルを開発することで、コーディング スキルがない人でもさらに分析情報を取得できるようになります。

  • サーバーレスのスケーラビリティと効率性。Datalaksa が利用しているサービスはすべてサーバーレスまたはフルマネージド サービスであるため、高いレベルの復元力を備えています。また、顧客のニーズに応じて簡単にスケールアップまたはスケールダウンすると同時に、運用上のオーバーヘッドを最小限に抑えて総所有コストを低減しています。    

  • データ統合の簡素化。Datalaksa は、Google データソース(Google 広告や YouTube など)やその他多数の SaaS サービスとの接続を急速に増やしています。接続には、BigQuery Data Transfer Service(DTS)や Google Cloud Marketplace の幅広いサードパーティ コネクタ(Facebook 広告コネクタや e コマース カートコネクタなど)へのアクセスを利用しています。

ISV にとっての Built with BigQuery のメリット

Google は Built with BigQuery を通じて、Persuasion Technologies のようなテック企業が Google のデータクラウド上で革新的なアプリケーションを構築できるよう、テクノロジーへのシンプルなアクセス、役に立つ専任のエンジニアリング サポート、共同市場開拓プログラムなどを提供しています。参加企業には以下のメリットがあります。

  • Google が資金提供した事前構成済みのサンドボックスを使って、すぐに構築に着手できます。

  • ISV センター オブ エクセレンスの専任エキスパートから、重要なユースケース、アーキテクチャ パターン、ベスト プラクティスについてのインサイトを得て、プロダクトの設計とアーキテクチャを加速できます。

  • 共同マーケティング プログラムを利用して、認知度の向上、需要の創出、導入の拡大を図り、より大きな成功を実現できます。

BigQuery は、Google Cloud のオープンかつ安全でサステナブルなプラットフォームに統合された、パワフルでスケーラビリティの高いデータ ウェアハウスのメリットを ISV に提供します。Google が提供する巨大なパートナー エコシステムと、マルチクラウド、オープンソース ツール、API のサポートを利用すれば、テクノロジー企業は、データ ロックインを回避するために必要な移植性と拡張性を得ることができます。

Datalaksa と Built with BigQuery について詳しくは、それぞれのリンク(DatalaksaBuilt with BigQuery)をクリックしてください。


- Google Cloud、パートナー エンジニアリング担当ディレクター Ali Arsanjani 博士
- Persuasion Technologies、ディレクター Tzu Ming Chu 氏

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