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データ分析

Intelligent Products Essentials のご紹介: メーカーにおける AI 搭載スマート製品の迅速な製品化を支援

2021年10月28日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 10 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

一般消費者向けであれ、商用であれ、製品に対するユーザーの期待は変化してきています。一般消費者が求めているのは、ニーズに合わせて進化し、好みに適応し、時間が経っても最新の状態で使い続けられるような製品です。そのため、メーカーは、マーケットプレイスでの競争力を高めるためだけでなく、収益化の新たな機会を創出するためにも、魅力的なカスタマー エクスペリエンスを提供する製品を生み出す必要があります。

しかし、インテリジェントな機能を製品に組み込むのは、それが新規製品か既存製品かを問わず簡単なことではありません。ハードウェアの更新にはコストがかかり、既存のコネクテッド製品には新機能を追加できるような仕組みはありません。それに加え、プロダクト テレメトリーや顧客データのサイロ化により、メーカーは顧客に関する分析情報を十分に得られません。また多くの場合、AI 機能を迅速に開発してデプロイするだけの AI の専門知識も不足しています。

本日 Google が発表する Intelligent Products Essentials は、こうした問題を解決します。このソリューションにより、メーカーは所有者に適応可能な製品を迅速に提供できるだけでなく、エッジでの AI を活用して遠隔で製品の機能を更新し、クラウドでの分析を通じて顧客の分析情報を取得することができます。このソリューションは、新製品の開発や既存の製品の改良など、メーカーの製品開発の過程全体をサポートするよう設計されています。

Intelligent Products Essentials の主な機能は次のとおりです。

  • カスタマー エクスペリエンスのカスタマイズ: 製品のライフタイムを通して進化する魅力的なオーナー エクスペリエンスを提供します。例としては、製品のステータスや顧客のプロフィールに基づき、状況に応じた回答を作成する chatbot などが挙げられます。

  • 遠隔での製品の管理と更新: 製品の更新をその場でデプロイし、パフォーマンス分析情報を収集して機能を継続的に改良しつつ、収益化の機会を確保します。

  • 部品やサービスに関する問題の予測: 動作しきい値や異常を検知して障害を予測し、AI を活用したサービスの提案をプロアクティブに行うことで、保証請求の削減や部品の欠品解消につなげ、顧客満足度を向上させます。

Intelligent Products Essentials には、メーカーがこうしたさまざまなユースケースを迅速にデプロイできるように以下の機能が備わっています。

  • エッジ接続: IoT CorePub/Sub を使用して、さまざまなデバイス プラットフォームから未加工または時系列のプロダクト テレメトリーに接続して取り込みます。また、離れた場所にあるファームウェアや、Vertex AI を用いたエッジ環境の機械学習モデルのデプロイと管理が可能になります。

  • Ownership App Template: スマートフォン、タブレット、PC で動作するコネクテッド製品のコンパニオン アプリを簡単に構築できます。事前構築済みの API と付属のサンプルアプリを使用して、製品またはデバイスの登録や ID 管理を組み込み、Firebase によるアプリの動作分析を行うことができます。

  • 製品のフリート管理: API、Google Kubernetes EngineLooker を介してコネクテッド製品のフリートを管理、更新、分析できます。

  • AI サービス: Vertex AI が提供する AI と機械学習のプロダクト(DialogFlowVision AIAutoML など)を使用して、製品の新しい機能や性能を開発できます。

エンタープライズ データ統合: DataflowBigQuery を使用して、企業資産管理(EAM)、企業資源計画(ERP)、顧客管理(CRM)システムなどのデータソースを統合します。

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Intelligent Products Essentials は、メーカーの一般消費者向け、産業向け、企業向け、輸送用と幅広い製品に向けた新機能構築を支援します。このソリューションは自社でも導入可能ですが、Google 認定のソリューション導入パートナーである QuantifiSoftserve などの支援サービスも利用できます。

「Google Cloud がデプロイしているインテリジェント プロダクトに注力することで、メーカーとユーザーにデジタルな選択肢が与えられます。Intelligent Product Essentials のようなシステムの本質は意思決定にあります。IDC は、より迅速で効果的な意思決定こそが、製品とプロセスのデジタル化を推進する原動力であると考えています。顧客の高い期待に応え、キャッシュ フローを高速化し、さらなる収益増加を実現するためには、いかに迅速かつ効果的に意思決定を行うかが鍵になります。Google の Intelligent Product Essentials のようなデジタル サービスは、デジタル スレッドを最終的なユーザーへつなぐことができるラスト ワンマイルになり得ます」 - IDC グループ バイス プレジデント Kevin Prouty 氏

Intelligent Products Essentials の導入事例

Haier グループの GE Appliances は、AI を搭載した新しいインテリジェント機能を使用して家電製品を改良し、以下を実現しています。

  • インテリジェント クッキング: 料理の知識の有無やキッチンの性能を問わず、個人の好みに合わせた最高の食事を作れるようサポートします。

  • スムーズなサービス: メンテナンス時期を自動で判断し、サービスの実行やスケジューリングが簡単にできるスマート家電を製品化しています。

  • 統合型デジタル ライフスタイル: 家電製品をデジタル ライフスタイル サービスと統合することで、あらゆる場面での家電製品の利便性が向上します。たとえば、オーブンの予熱や食器洗い機の深夜実行予約など、ユーザーの予定に基づいて家電製品の動作を自動化できます。

「Intelligent Products Essentials により、スマート家電のエコシステムが強化され、ユーザーの習慣に関する深い分析情報が得られます。これにより、顧客のデジタル ライフスタイルに合わせた新しい機能やエクスペリエンスの開発および提供が実現しています」 - GE Appliances スマートホーム ソリューション部門バイス プレジデント Shawn Stover 氏

Harley-Davidson が立ち上げた Serial 1 は、Intelligent Product Essentials を使用して、次世代の電動自転車の管理と更新を行い、顧客一人ひとりに合わせたデジタル オーナー エクスペリエンスを構築しています。

「Serial 1 では、電動アシスト自転車に乗る楽しさ、得られる自由、その先に続く冒険を、極めて簡単かつ直感的に体験していただけるよう全力を注いでいます。接続性こそ、このミッションを達成するための主要な要素です。一丸となって進めてきた Intelligent Product Essentials と Serial 1 の電動自転車の統合により、お客様に最高のユーザー エクスペリエンスを提供できます」 - Serial 1 プレジデント Jason Huntsman 氏

拡張現実のパイオニアとして、業界をリードするハードウェアとソフトウェアを提供している Magic Leap は、メーカー、ディーラー、顧客をよりプロアクティブでインテリジェントなサービスにつなげるために、Intelligent Products Essentials を使用してフィールド サービス ソリューションを構築中です。

「メーカーの製品データとディーラー サービス パートナーをフィールド サービス ソリューションに素早く統合するため、Intelligent Products Essentials を使用できるのを心待ちにしています。Magic Leap は、Google Cloud と提携することで物理的なインタラクションとデジタル世界の境界を押し広げられると期待しています」 - Magic Leap チーフ ビジネス オフィサー Walter Delph 氏

Intelligent Product Essentials は本日より利用できます。詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

- 製造および工業担当マネージング ディレクター Dominik Wee

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